
株式会社SUPER STUDIO(東京都目黒区、代表取締役社長 CEO 林 紘祐、以下「SUPER STUDIO」)は、株式会社TENGA(東京都中央区、代表者:松本光一、以下「TENGA」)の公式オンラインストアにおいて、統合コマースプラットフォーム「ecforce」を導入したことを発表しました。
この導入について、
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TENGAの製品に対するこだわり
TENGAは、「性を日常の中で楽しむものへと変換する」というミッションを掲げ、安全で機能的かつ衛生的な「セクシャルウェルネス商品」の研究開発・販売を行っています。性に関連する商品は恥ずかしさや後ろめたさを伴うことが少なくありませんが、TENGAはこうした製品の自然さと重要性を認識し、より多くの人々が気軽に楽しむことができるよう世の中の価値観を変えていくことを目指しています。そのために、日本特有のものづくりの精神で質の高い商品を提供しており、自社ECも強化する予定です。
TENGAは卸販売が主力ですが、自社ECの導入は後発でのスタートです。しかし、直接顧客に販売できる利点があり、今後はこちらにも注力していく方針です。自社ECでの販売は、製品を顧客に直接届けるだけでなく、TENGAの理念やメッセージを伝える重要な場所です。その為、サイト作りにも意識を注ぎ、お客様が購買しやすく、自分たちのメッセージが響くようなデザインが求められます。製品を「セクシャルウェルネスアイテム」や「プレジャーアイテム®」と称し、恥ずかしいものではなく、自然に受け入れられるものであるとのメッセージを発信しています。
※「プレジャーアイテム」は株式会社TENGAの登録商標です。
ecforceの導入理由:システムの移行と充実した機能

ecforce導入前は、特定のパッケージシステムをカスタマイズして使用していましたが、システムがサイロ化し、変更履歴や全体像が分からなくなっていました。運用の属人化が進み、改修には数十時間や月単位の時間がかかり、コストも増大していくばかりでした。施策を実行したいと思っても、改修に時間がかかるため、D2C本来の施策が行えない状況でした。このような背景から、システム移行を検討するに至りました。
移行にあたっては、複数社のサービスを比較した結果、ecforceがデフォルト機能が充実しており、特に定期販売を強化したいという方針にも合致していることが決め手となりました。何より、ecforce担当者によるデータ移行の深い理解が信頼を寄せる要因でした。データ移行時、カートシステムの設計や異なるシステム間のスムーズなデータ移行方法についてしっかり把握されていて、安心して選定することができました。

また、ecforceは国内企業であるため、今後のビジネスの拡大に伴い、サポート体制が整っている点が期待できました。さらに、導入企業が多く、参考事例が豊富であることも導入を後押しする要因の一つです。
スムーズなシステム移行の実施

カートの移行時期が決まっていたため、逆算してスケジュールを組んで社内の体制を構築しました。進行状況の可視化のために週次での定例会議を実施し、全ての関係者が最新の進捗を把握できる状態にしました。この中で、元のシステムからどのデータを移すかといった要件定義やデータマッピングの作業を行いました。データ移行には当初約1年を見込んでいましたが、実際にかかったのは半年から8ヶ月ほどでした。
ecforceの担当者は、電話やWeb会議を通じて疑問点に迅速に答えてくれたため、大変助かりました。また、移行前のカートシステムの仕様に関する理解もあったため、的確なアドバイスをいただけました。特に単品注文の移行はスムーズでしたが、定期注文については、カスタマイズされた機能によってデータが複雑化しており、ecforceの担当者と共に一つずつデータのマッピング作業を行うことが苦労のしどころでした。
さらに、ecforceは同一商品であっても、単品商品と定期商品で別コードにする必要があり、そのため定期商品の分だけコードを新たに生成し、各受注に関連付けていく必要があったのは想定外でしたが、無事乗り越えることができました。
作業時間が大幅に短縮され、売上が約20%向上
移行前のカートシステムでは、1つの画像に対し複数のファイルを個々に登録する必要がありましたが、ecforceに移行したことで画像1枚のアップロードで完了できるようになりました。製品ページの作成にかかる時間は以前の2〜3時間から30分ほどに短縮され、販売開始までの時間も半分以下になりました。以前は実施できていなかった年齢制限機能も追加され、注文情報入力ページで生年月日を元に自動で年齢を計算し、対象となるクーポン情報を表示するなど運用の効率化も進みました。
売上についても、ecforce導入後は公式オンラインストアやランディングページを含む全体のCVRが約124%改善し、売上も約120%に増加しました。この向上は、ecforceにより効果的な施策をタイムリーに実施できるようになったことや、LP管理が容易になり、特集ページをLPに利用してフォーム一体として施策を行えたことが要因です。
また、TENGAの4つのブランド(TENGA、iroha、TENGA HEALTHCARE、CARESSA)のサイトごとの世界観やイメージ、カラーを表現することは、SaaSのカートシステムに移行する際の大きなハードルでしたが、追加機能開発により、4ブランドの個別のTOPページの作成が実現しました。

EC事業のさらなる拡大を目指して
EC市場においては、国内市場において現在の2倍程度の成長余地があると考えています。直営店(TENGA SHOP / TENGA LAND)も展開しているため、将来的には店舗のお客様データとECのお客様データを統合し、OMO施策を実施していきたいと考えています。オンラインとオフラインが連携した統一キャンペーンを実施することで、顧客がどちらのチャネルでも購入しやすくなり、施策の可能性が広がります。
TENGAは今年で創立20周年を迎え、記念の年に合わせて新商品を展開する予定です。周年を期に、EC事業への注力が更に重要になると考えています。

ecforceは、オンラインとオフラインのデータを統合し、ECビジネスの最適化を図るだけでなく、ものづくり全体の最適化を目指します。最新技術を活かし、データドリブンな事業運営を推進し、コマース事業者の業務を最適化することに寄与します。また、販売チャネル毎のデータ統合を通じて、消費者の利便性向上に向けた機能開発やパートナー企業との連携を進め、導入企業の収益最大化に寄与します。
出典元:株式会社SUPER STUDIO プレスリリース