
2021年1月19日、楽天株式会社は、運営するファッションECサイト「Rakuten Fashion」において、同サイトに参加するファッションブランドショップを対象に、複数販路における様々なデータを一元管理するデジタルソリューション「Rakuten Fashion Omni-channel Platform」を2021年夏頃より提供することを発表しました。
▼記事URL
https://corp.rakuten.co.jp/news/update/2021/0119_01.html
一元管理ツールについてはこちら
一般的な一元管理ツールとの違いは何か?
EC事業者が一般的に利用している一元管理ツールとは、複数の売り場を展開している場合に商品登録・在庫連携・受注管理・メール送付などの機能を活用して、同じ作業を何度も行う必要がなく管理を行うことができます。
今回楽天が発表した「Rakuten Fashion Omni-channel Platform」では、通常の一元管理ツールと比較し、楽天ならではの資産を活用した機能が追加されています。
サービスの強みを要約すると
- バッチ連携によるタイムラグがないリアルタイムでの在庫連携
- ネット通販だけでなく実店舗との在庫連携が可能

- 楽天倉庫への全在庫を格納&楽天配送網で発送することでコストダウン&配送期間短縮

の3点が上げられます。
特に実店舗から販売を始めているファッション企業であれば、ネット通販と実店舗、実店舗の中でも複数店舗ある場合は各店舗の在庫状況を即座に確認できる体制で管理できている企業は多くはないのではないでしょうか。
今回、楽天では倉庫への納品時から始まり、お客様や各店舗への配送、そしてオンライン・オフラインに関わらず商品が売れた際のすべての在庫情報を把握できるサービスを打ち出したことになります。
一元管理ツール以外の特徴は?
納品時点から楽天に商品を預けてしまうため、ささげ(撮影・採寸・原稿作成)はどうすれば良いのかという疑問は出てくるでしょう。その点についても、楽天側でサポートを行う記載があるため、心配無用のようです。
ファッション企業であればサイト構築からささげまではお客様との重要なタッチポイントになるため、どの程度の品質で提供してもらえるかは非常に気になるポイントです。
また、システム・店舗運営・配送までお任せ可能ということは、通常の店舗運営業務をほとんど楽天にお任せできることになります。楽天社内に専任部隊ができるのか、楽天の下請け企業が実施をするかは不明ですが、この発表を発端に「Rakuten Fashion」への出店を検討する企業が出てくるのではないでしょうか。

最後に
一気通貫でファッション企業のサポートを行えるようになる「Rakuten Fashion Omni-channel Platform」については、ファッションEC並びに業界にインパクトを与える発表となったのではないでしょうか。
機能を見る限り大手企業を中心としたソリューションのように感じられるため、初期費用など規模に応じて高額になりそうな印象です。ネット通販のノウハウがない、専任担当を育てられないという課題は多くの企業で持たれています。本サービスによってシステム面から運用まで委託できるのはネット通販事業へアクセルを踏み切れていな企業にとって大きな追い風となるのではないでしょうか。