株式会社MonotaROが運営するネットストア「モノタロウ(https://www.monotaro.com/)」は、ECサイトにおいて新たにベクトル検索技術を導入し、商品検索システムの改善を実現しました。この革新により、ユーザーは必要な商品の発見を以前より迅速かつ便利に行えるようになりました。

導入の背景
MonotaROでは、商品購入時における「検索性」を重視しており、特に様々な商品から必要なアイテムを短期間で見つけ出すことが重要であると考えています。そのため、検索ワードを基にユーザーが求める情報に迅速にアクセスできるようなシステムの構築に努めています。商品検索機能の強化は、顧客の利便性向上のための不可欠な施策であり、同社は創業以来20年以上にわたってこの分野に注力してきました。
BtoB向けのECサイトとBtoC向けの一般消費者向けサイトでは、ユーザーの検索行動に明確な違いがあることがデータ分析により示されています。モノタロウは、2024年9月末時点で約2,370万点の商品を取り扱う中で、各顧客がどのような条件で商品を見つけるかは異なることが分かりました。購買担当者や現場のスタッフといった異なるユーザーが、異なる業種に応じた検索動向を持つことが確認されているのです。現在、同社は全文検索システムに加え、顧客の行動分析に基づいた独自の高精度検索システムを提供しています。具体的には、顧客登録時に収集される業種情報を活用して、検索結果をカスタマイズしています。さらに、専門用語による検索でも関連する情報を表示できるよう、商品検索システムの改善に引き続き取り組んでいます。
ベクトル検索技術について
この度、同社は検索システムの更なる進化を図り、テキストの意味をベクトルとして表現し、その類似性を計測するベクトル検索技術をECサイトモノタロウに導入しました。従来の全文キーワード検索がテキストデータを直接比較するのに対し、ベクトル検索はテキストの意味に着目し、より効率的に関連データを発見します。加えて、2,300万点以上の商品情報や顧客の購買行動データを活用することで、一般的なベクトル検索でしばしば見られる関連度の低さを克服し、すべての入力キーワードに対し関連性の高い商品リストを提供できるようになりました。

モノタロウの今後の展開
同社は、間接資材調達プロセスをテクノロジーとデータによってシンプルにすることを目指し、「品揃え」「マーケティング・セールス」「調達・サプライチェーン」「オペレーション」「データ・アルゴリズム」「ソフトウェア」の6つの分野において競争優位性を築いています。これらの要素を相互に組み合わせることで、顧客の業務効率を高めることを目指しています。2024年10月には「データ・アルゴリズム」分野を強化するため、新たにデータサイエンス部門を設立し、今後はこの部門が商品検索機能の精度向上やベクトル検索技術の大企業向け購買管理システムへの導入に向けて活動を進める予定です。
今後も、顧客一人一人にとっての「良い検索」とは何かを常に考慮し、「モノタロウならではの検索体験」の提供へ向けて努力を続けていく所存です。
出典元:株式会社MonotaRO プレスリリース