世界最大級の統計調査データプラットフォームを提供するスタティスタ(Statista - 本社:独ハンブルグ、CEO フリードリヒ・シュワント)は、Z世代への高まる関心をうけ、アジア新興国それぞれの消費スタイルにフォーカスしたレポート「Understanding Gen Z consumers in emerging Asian markets」を公開、ひと括りにできないアジアの多様性と今後の注目トレンドを明らかにしました。

最も新しい世代の消費者集団としてZ世代が注目されています。特にアジアの新興国では、Z世代の人口比率が比較的高く、フィリピンやインドなど25%を超える国もあります。Statistaでは、アジアの新興市場におけるZ世代を考えるとき、次の3つの資質に注目しています。 

  • 集団主義と伝統的価値観:何かを決定するときに他者からの影響を受けやすい傾向。 Hofstede InsightsのAPAC地域の個人主義スコアによると、オーストラリアやニュージーランドでは個人主義が高い傾向にあり、アジア文化圏では、集団主義が優勢な価値観として現れていました。 
  • 金銭よりも「自分時間」:低い経済力にもかかわらず、稼ぐお金より自分の時間を重視する傾向。ミレニアル世代と比べ、転職の際も個人的な興味や関心との一致を重視。特にフィリピンとマレーシアでは30%以上が強く同意しています。 
  • 「次のクール」求める好奇心:インドネシアでは90%以上、マレーシア、タイでは80%を超えるZ世代の回答者が、「常に次のクールなものを探している」という意見に同意しています。  

また、アジア新興国では、これまで以上にインターネットを利用する時間が長くなっています。2022年にStatistaがデジタルネイティブであるアジアのZ世代に対して行った、オンラインショッピングに関する意識調査の結果をご覧ください。 

ショッピングにおける商品リサーチへの利用など、インターネットは意思決定プロセスの重要な要素であることを示しています。中でもインドネシアでは67%がカスタマーレビューを参考にしていると回答していますが、購入の際に商品を手に取ってみたいと回答したユーザーは22%と低い傾向にあり、オンラインでの情報収集への関心の高さが伺えます。一方ベトナムでは、約半数がレビューを参考にし、60%以上が高額商品の購入前にインターネットで調査も行っていますが、商品を手に実際に取ってみたいという回答者は他の国よりも高い41%となっており、リアルの体験も重要視されているようです。このように国によってオンラインショッピングへの意識でも傾向の差があるため、それぞれのインサイトを導き出していくことが必須となることが推察されます。 

オンラインショッピングの概要を見てみますと、商取引におけるEコマースのシェアはタイが約4分の1と最も高く、フィリピンは2%に留まり、国によってシェアの開きがあります。そして、スマートフォンを使用したモバイルコマースがどの国でも多数派であることが分かりました。最もアクセスされているEコマースサイトでは、インドではAmazonが記載されていますが、東南アジアの国々ではShopeeの人気の高さが見受けられます。またローカルプレイヤーがマーケットを牽引している傾向となりました。 

このように、アジア新興国におけるZ世代の消費行動の現状について、若い消費者によりよく対応するために、いくつかの重要なメッセージに注目することができます。 

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