アパレル関連企業の倒産210件、2年連続で200件超の高水準 帝国データバンク調査

株式会社帝国データバンクが、「アパレル関連企業」における倒産の発生状況に関する調査・分析を実施しました。
調査結果の概要
2026年1月から9月までに発生したアパレル関連企業の倒産件数は累計210件となりました。2年連続で200件を超える高い水準で推移しています。物価の上昇や円安を背景とした仕入れコストの増大、外注費用の上昇などによる収益環境の悪化に加えて、新型コロナウイルス感染症の流行期やそれ以前から抱えていた有利子負債が重荷となり、事業の継続を諦める企業が続出しています。業態別に見ると、「製造」と「卸」が1月から9月の累計で前年同期と比較して増加しました。年間ベースでは前年と同等の水準、もしくは5年連続での増加となる可能性が懸念されています。
集計期間:2000年1月1日から2026年9月30日まで
集計対象:負債1,000万円以上・法的整理による倒産
調査方法:帝国データバンクが継続的に収集・蓄積している倒産情報を基に、集計対象期間内に発生した倒産件数および負債総額を集計
※アパレル関連とは、衣服・その他繊維製品の製造、卸、小売業者を指します。カバンや靴、アクセサリーなどの服飾雑貨を扱う事業者は含まれません。
原材料価格の高騰と金利上昇の中、年末に向けて増加の懸念
2026年1月から9月にかけて発生したアパレル関連企業の倒産件数は累計210件でした。前年の同時期(1月から9月累計で212件)に引き続き、2年連続で200件を超える水準となっており、このペースで倒産が続けば、通年では5年連続の増加となる可能性も出てきています。

業態別の倒産状況と特徴
アパレル関連企業の倒産を業態別に分析すると、「製造」は1月から9月の累計で前年同期比4.0%増の52件、「卸」は同9.9%増の78件と、いずれも増加傾向を示しています。一方、「小売」は同12.1%減の80件となりました。製造コストや仕入れコストの増加と、十分に進まない小売価格への転嫁との間で板挟みとなっている川中業種が苦境に立たされており、特に製造業では小規模な婦人服や肌着、紳士服、制服などの縫製事業者の倒産が目立っています。受注元のメーカーが製造拠点を海外へ移転するといった外部環境の変化や、債権の焦げ付きが発生したことによる倒産のケースも見られました。
主要な倒産事例
倒産規模が最も大きかったのは、婦人・子供向け重衣料のOEM・ODMを手がけていたカフカ株式会社(愛知県、7月破産)で、負債額は約60億4500万円でした。海外工場への外注費用が為替の変動により上昇したことが主要な要因の一つとなりました。次いで負債額が大きかったのは、婦人服カットソーなどを製造していたドッグ繊維株式会社(和歌山県、1月破産)の約25億円です。競争力の低下により、設備投資に見合う受注を獲得できなかったことが原因でした。負債額上位の中では、株式会社PMプロジェクト(東京都、アパレル小売、約21億円)、株式会社クローバー(大阪府、アパレル小売、約17億円)、船場管理株式会社(大阪府、アパレル卸、負債16億7400万円)が、いずれも事業を別会社へ譲渡し、特別清算によって金融債務等を圧縮する第二会社方式による事業再生を選択しました。
今後の展望と課題
卸売業や小売業では、円安を背景とした業績の悪化が増加しており、コスト上昇による薄利での事業展開が続く中、設備投資や運転資金として導入した有利子負債が重い負担となっています。借入金の返済猶予を受けながら再建を目指す企業も少なくありません。原材料価格の高騰や金利の上昇が収益をさらに圧迫すると予想されるため、年末までの推移が注目されます。
出典元:株式会社帝国データバンク
