海外通販の衣類に不安感じる人は67.8%、ニッセンケンが衣料品安全性に関する意識調査を実施

一般財団法人ニッセンケン品質評価センター(本部:東京都台東区、理事長:安藤健)が、全国の20~69歳の男女1,030名を対象に実施した、衣料品・繊維製品の安全性とエコテックス®認証に関する意識調査の結果を発表しました。同団体は、アジア地域で唯一のOEKO-TEX®(エコテックス®)認証機関として活動しています。
今回の調査により、「海外通販サイトの衣類は、安全面で不安がある」という設問に対して「あてはまる」(「とてもあてはまる」と「ややあてはまる」の合計、以降の安全性に関する質問も同様)と答えた回答者は67.8%に達したということです。さらに、製品に含有される化学物質や有害物質に対して不安や疑問を抱いている人は44.3%、直接肌に接触するものについては品質にこだわりたいと考える人は62.0%という結果になりました。これらの数字から、衣料品の安全性に対する懸念とともに、品質や安全性を重視する消費者の意識が読み取れます。
調査実施の背景:越境EC市場の成長と衣料品の安全性
インターネット通販の発展により、消費者は国内外の商品を容易に購入できるようになっています。経済産業省が2025年8月に発表した「令和6年度電子商取引に関する市場調査」によれば、2024年に日本の消費者が米国・中国の事業者からインターネット通販を通じて購入する「越境EC」の市場規模は、2023年の4,208億円から4,410億円へと拡大しました。
一方で、衣料品の安全性については、商品写真や価格のみでは判断することができません。厚生労働省が2025年5月に発表したオンライン販売されている家庭用品の試買調査においては、繊維製品105点を対象としたホルムアルデヒド検査で、乳幼児用のよだれ掛けや衣類など合計4点が、「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律」に基づく基準値を超過していることが判明しました。
購入先の選択肢が拡大する中、消費者は衣料品の安全性についてどのように認識し、商品選択時に何を重視しているのでしょうか。今回の調査では、こうした消費者の意識が明らかにされました。以下、主要な調査結果を4つのテーマに分類して紹介します。
調査結果その1:海外通販サイトの衣類に安全面での不安を感じる人は67.8%、50代女性では76.7%
「海外通販サイトの衣類は、安全面で不安がある」という設問に対して「あてはまる」と回答した人は67.8%で、今回質問した衣料品・繊維製品の安全性に関する7項目の中で最も高い数値となりました(図1)。性年代別に見ると女性50代が76.7%で最も高く、続いて女性20代と女性60代がそれぞれ72.8%でした(図2)。
なお、この質問は海外通販の利用経験者に限定せず、調査のすべての回答者に対して行われたものです。
【調査概要】
調査委託先:マクロミル
回答者:自身の衣料品や繊維製品を自身で選定する20~69歳の男女1,030人
調査期間:2026年7月24日~同年7月25日
※数値は小数第2位を四捨五入しているため、グラフ内の表示値の合計と、合計値が一致しない場合があります。
調査結果その2:化学物質への不安は44.3%、肌に直接触れるものは品質重視が62.0%
「製品に含まれる化学物質や有害物質に対して、不安や疑問を感じることがある」という設問に「あてはまる」と答えた人は44.3%でした。また、「直接肌に触れるものは、品質にこだわりたい」という設問には62.0%が、「将来の健康を意識して、衣料品や繊維製品は安全なものを選びたい」には55.4%が「あてはまる」と回答しています。衣料品の安全性について、化学物質への不安だけでなく、肌への接触や将来の健康を意識して商品を選択したいという消費者の意識が確認できます。(図1)
調査結果その3:46.0%が「安全性を信頼できれば多少高くても購入する価値がある」と回答
「安全性が信頼できる製品であれば、多少価格が高くても購入する価値がある」という設問に「あてはまる」と答えた人は46.0%でした。価格のみならず、安全性を確認できることにも価値を見出す消費者が一定数存在することが明らかになりました。(図1)
※安全性への価値評価に関する意識を調査したものであり、実際の追加支払額や購買行動を測定したものではありません。
調査結果その4:第三者認証は、商品選択時の判断材料に ― 約3人に2人が「エコテックス®認証付商品への乗り換え」意向を示す
衣料品・繊維製品に含まれる化学物質の種類や量は、見た目や商品写真、価格だけでは判断することができません。製造・販売企業による法令への適合確認や品質管理に加えて、第三者機関による試験・認証は、安全性に関する客観的な判断材料となります。
今回の調査では、回答者にエコテックス®認証のコンセプトを説明した後、普段気に入って購入している1,500円の下着には認証マークがなく、他社商品には認証マークが付いていることを想定して購入意向を質問したところ、66.7%が認証付商品への乗り換え意向を示しました。第三者認証が商品やブランドを比較検討する際の判断材料となり得ることがわかります。(図3)
OEKO-TEX®(エコテックス®)認証とは ― "見えない安全性"を確認するラベル
エコテックス®認証は、繊維・皮革製品の安全性や、環境・社会に配慮した生産体制などを対象とする国際的な認証制度です。1992年に設立され、独立した試験・研究機関によって運営されています。ニッセンケンは、アジア地域で唯一のエコテックス®認証機関として活動しています。
代表的な認証制度である「エコテックス® スタンダード100」は、1,000種類以上の有害化学物質を対象とする厳格な分析試験に合格した製品だけに付与される世界最高水準の安全な繊維製品の証明です。日本だけでなく、欧米やアジア諸国など多くの国に対応する国際的な安全基準であり、肌に直接触れる機会が多い製品や、乳幼児向けの製品ほど厳格な基準が適用されます。
一般財団法人ニッセンケン品質評価センターについて
ニッセンケンは、1948年の設立以来、繊維製品を中心とした「試験・検査」を通じて、製品の安全性や機能性を評価し、日本と世界のものづくりを支えてきました。繊維関連の各種試験に加えて、抗菌・抗ウイルス・消臭などの機能性試験、化学分析試験、海外市場への進出支援、さらには品質やサステナビリティを軸にしたブランディング支援まで、幅広い領域に対応しています。「品質課題のソリューションパートナー」として、企業や製品の新たな価値創出を支援しています。
出典元:一般財団法人ニッセンケン品質評価センター
