クラウドファンディング市場分析、2026年夏は有形プロダクト支援総額70億円超え─craco調査

株式会社craco(本社:東京都世田谷区、代表取締役社長:溝橋 正輝)は、独自に収集・蓄積しているクラウドファンディングデータベースをもとに、2026年6月1日から8月31日の期間中に終了した国内クラウドファンディングプロジェクト6,060件に関する分析結果を公表しました。
今回の分析対象期間中に終了した全プロジェクト6,060件の累計支援総額は122億3,094万円、延べ支援者数は69万758人に達したとのことです。このうち有形プロダクトに該当する2,698件を詳細に分析した結果、クラウドファンディング市場における商品開発と消費行動に関する3つの変化が明らかになりました。変化の内容は、①8月における有形プロダクト市場の拡大、②大型支援がガジェットに集中する傾向と、ホームカテゴリにおける典型的案件での支援額・支援者数の高さ、③上位案件が購入後の変化を具体的な利用シーンで示している点、となっています。
有形商品カテゴリは全体で2,698件あり、支援総額は約70.4億円で、全プロジェクト支援総額の57.5%を占める結果となりました。カテゴリ別で見ると、ガジェットが約36.0億円で最も高い支援総額となっています。一方で、ホームカテゴリは支援額中央値58.8万円、支援者数中央値55人でトップとなり、総額規模の大きさと典型的な案件における強さを分けて評価する必要性が示されました。
独自データから明らかになった3つの商品・消費トレンド
市場の拡大傾向
2026年6月から8月の期間中に終了した6,060件のプロジェクトによる累計支援総額は約122.3億円となりました。有形プロダクトカテゴリでは、8月に1,197件・約29.2億円を記録し、対象期間中において件数・支援総額ともに最も高い数値を示しました。
ガジェットが売れ筋、ホームは需要の広がりを示す
支援総額上位10件はすべて有形商品となりました。ガジェットカテゴリが有形商品全体の金額シェア51.1%を占めている一方で、ホームカテゴリは支援額中央値58.8万円・支援者数中央値55人で首位となっています。
購入後の変化を伝える商品に支持が集まる
上位案件を分析すると、機能や技術だけを訴求するのではなく、日常生活のどのような不便をどのように変えるのかを、具体的な利用シーンと共に提示している傾向が見られました。
トレンド1:8月に有形プロダクト市場が拡大
8月は件数・支援総額ともに最高値を記録
8月は6月と比較して有形プロジェクト数が507件増加する結果となりました。平均支援額は月ごとに変動が見られますが、支援総額の拡大はプロジェクト数の増加と大型案件の両方によって実現されています。
有形プロダクトのみに絞って見ると、6月の690件・約16.5億円から、8月には1,197件・約29.2億円へと大きく増加しました。商品開発の対象となるプロダクト領域においても、期間内に案件数と支援総額の双方が伸長していることが確認できます。
支援総額上位10件はすべて有形プロダクトが占める
上位案件を詳しく見ると、4K映像、聞こえの調整、洗浄、翻訳、音響、身体動作といった性能面を、購入後の具体的な利用シーンと結び付けて提示している特徴が見られます。技術名称や機能の数だけを列挙するのではなく、どのような不便を、どの程度改善するのかを簡潔に説明できる設計が共通していることが分かりました。
トレンド2:大型支援はガジェット、幅広い需要はホームに集中
ガジェットは市場規模で、ホームは典型案件の強さで首位
ガジェットカテゴリは、有形商品全体の支援総額の51.1%を占める結果となりました。プロジェクター、音響機器、スマート眼鏡、AIロボットなど、性能の違いを数値や利用シーンで分かりやすく説明できる商品が大型支援を集めている傾向にあります。
ホームカテゴリは、金額規模ではガジェットに及ばないものの、支援額中央値、支援者数中央値において最も高い水準となりました。家事、睡眠、空気環境、収納、防災など、日常生活における具体的な不便を解消する商品は、突出した大型案件のみに依存することなく、幅広い企画で支援を集める傾向が見られます。
ホビーカテゴリは件数・金額ともに一定の規模を維持しています。IP、既存ファン、限定性、参加の意味など、商品そのものの機能以外にも支援する理由を設計することが重要な領域であることが示されています。
プラットフォーム別の特徴
有形商品の金額はMakuakeが、案件数はCAMPFIREが優位
Makuake×ガジェットの組み合わせでは115件、支援総額約23.6億円、支援額中央値156.9万円という結果になりました。Makuake×ホームの組み合わせも148件、支援額中央値116.3万円となっています。
GREEN FUNDINGでは高額案件が集まる傾向にある一方で、対象案件数は19件と少数にとどまっています。金額のみを一般化するのではなく、高単価・技術差・既存ブランドなど、企画の前提条件と合わせて評価する必要があることが分かります。
商品開発・新規事業への示唆:クラウドファンディングを使う4つの目的
同社によると、クラウドファンディングを資金不足を補うためだけに始めると、企画ページの役割が曖昧になる可能性があるとのことです。商品開発においては、主目的を次の4つのいずれかに定めることで、見るべき指標と準備する内容が明確になります。
1. 売れるかを確かめる:需要検証
新しい商品カテゴリ、価格受容に不確実性がある商品、新しい使用方法を提案する商品に適した目的です。支援総額だけでなく、反応した価格帯、訴求内容、利用シーン、コメントを確認することができます。量産前に、購入意向を実際の支援行動によって検証することが可能です。
2. 初期ロットをつくる:先行販売
既存商品との違いを明確に説明でき、完成前に購入する理由を提示できる商品に適した目的です。ガジェットやホームの上位案件のように、性能差、時間短縮、手入れの軽減、利用範囲を具体化できる場合に成立しやすい目的となります。
3. 支援者と商品をつくる:共創・ファン形成
ホビー、IP、ブランド、地域性のある商品では、支援者が参加する理由をつくることが必要となります。限定仕様、先行体験、開発進捗の共有、支援者の意見を反映する範囲をあらかじめ設計します。商品スペックだけでは不十分になりやすい領域です。
4. 購入理由をつくる:市場の立ち上げ
まだ悩みが明確に言語化されていない商品や、新しい生活習慣を提案する商品に向いた目的です。問題解決の前後、使用シーン、導入後の変化を見せることで、商品そのものではなく購入する意味を育てることができます。
株式会社cracoについて
株式会社cracoは、世の中に新しい価値を創造する人や企業を支援する企業です。世の中を「新しい」「面白い」価値で溢れさせるため、世界を拡張する挑戦を支援しています。
国内に存在するクラウドファンディングプラットフォームの数は数十社を超えており、どのプラットフォームを利用することが適切なのか判断が難しくなっています。株式会社cracoでは、最適なプラットフォームの提案から、制作やマーケティングまで、130社累計8億円以上(2026年6月現在)のプロジェクトで蓄積したノウハウで顧客の成功率向上をサポートしています。
会社概要
会社名:株式会社craco
代表者:代表取締役社長 溝橋 正輝
所在地:東京都世田谷区代沢5丁目30-2 3F-1
設立:2022年11月7日
事業内容:クラウドファンディング特化型コンサルティング、自社ECの売上拡大、大手モールへの進出、新規事業の立ち上げ支援
出典元:株式会社craco
