アウンコンサルティング株式会社(東京都千代田区、代表取締役CEO:信太明、東証スタンダード:2459)が、2025年の訪日外国人に関する年間動向調査結果および2026年の予測をまとめ、発表しました。同社は、グローバルマーケティングやメディアマーケティングなどの事業を展開しています。

同社のグローバルマーケティング事業では国内外向けのSEO(検索エンジン最適化)、広告、AIO(AI最適化:AIO×SEO)を提供しており、メディアマーケティング事業では火災保険・地震保険の申請サポートサービス「ミエルモ」を運営しています。

今回の調査における各検索キーワードのランキングは、2022年から2025年までのGoogleキーワードプランナーによる推定検索数を参考指標として集計されています。

調査結果の主なポイント

今回の調査で明らかになった主要な結果は以下の通りです。

2025年の訪日外国人旅行者数は約4,268万人に達し、年間過去最高記録を更新しました。

日本への旅行に関するキーワードの検索動向では、訪日客が多い韓国では「沖縄旅行」の検索数が圧倒的に多く、台湾では「北海道旅行」の検索数が多い結果となっています。

2025年の訪日外国人旅行消費額は約9.5兆円となり、3年連続で過去最高を記録しました。消費額を国別に見ると、中国が他国を大きく上回っているほか、オーストラリアやシンガポールが増加傾向にあります。全体の消費額のうち、宿泊や飲食、交通などの「サービス消費」が全体の7割を占めており、増加しています。

2025年のインバウンド市場の状況

2025年の訪日外国人客数は約4,268万人に達し、2024年を約580万人上回り、年間の過去最高記録を更新しました。さらに月別でもすべての月で2024年を上回る結果となりました。

訪日外国人客数の推移グラフ
出典:日本政府観光局(JNTO)による日本の観光統計データを参考に、アウンコンサルティングで加工

国・地域別の内訳を見ると、1位は韓国で945万人(2024年対比+64万人、+7.3%)、2位は中国で909万人(2024年対比+211万人、+30.3%)、3位は台湾で676万人(2024年対比+71万人、+11.9%)となりました。

大阪・関西万博の開催により、地理的に近い韓国、中国、台湾からは、万博を目的とした短期滞在の観光客が急増しました。韓国においては、若年層を中心に「週末日本旅行」や、特定のアニメ・映画の聖地巡礼、ゴルフ、登山といった「目的特化型」の旅行が定着したことが影響したと考えられます。

また、中国においては、ビザの緩和や手続きの簡略化・デジタル化が進んだことや、地方路線を含む増便等の影響もあり、訪日需要は復活傾向にあります。台湾においては、親日感情の高さに加え、円安を背景とした高品質な体験(高級旅館や美食)への支出の拡大が影響したと考えられます。

国別訪日客数グラフ1
国別訪日客数グラフ2
出典:日本政府観光局(JNTO)による日本の観光統計データを参考に、アウンコンサルティングで加工

訪日客の検索動向の分析

調査対象となった8ヶ国・地域の「沖縄旅行」、「宮城旅行」、「大分旅行」、「神奈川旅行」、「北海道旅行」の検索数の合計値がまとめられています。これら5県は、2025年10月から11月の都道府県別宿泊者数トップ20において、2024年と比較して東京・大阪・京都など主要都市となる観光地以外で宿泊者数が多かった県です。オーバーツーリズムを避け、日本の「地方ならでは」の魅力を求める観光客が増えたと考えられます。

Google AdWords検索数データ

調査はGoogle AdWordsキーワードプランナーツールを利用した検索数データで、調査対象国・地域は韓国・台湾・香港・タイ・マレーシア・フィリピン・アメリカ・オーストラリアとなっています。

検索キーワードは各地域の言語で、沖縄旅行は「오키나와 여행、沖縄 旅遊、okinawa travel」、宮城旅行は「미야기 여행、宮城 旅遊、miyagi travel」、大分旅行は「오이타 여행、大分 旅遊、oita travel」、神奈川旅行は「가나가와 여행、神奈川 旅遊、kanagawa travel」、北海道旅行は「홋카이도 여행、北海道 旅遊、hokkaido travel」となっています。

また、訪日客の多い韓国・台湾のキーワード別の検索数をみると、韓国は「沖縄旅行」が圧倒的に多く、台湾は「北海道旅行」が最も多い結果となりました。2025年は、地方空港への国際定期便やチャーター便の復便・増便が相次ぎました。特に韓国や台湾からの直行便が大幅に増え、アクセスが向上したことが、増加につながったと読み取れます。

さらに、韓国では10月の上旬に7日から10日の大型連休が発生し、台湾でも10月4日(土)から6日(月)に中秋節の3連休、10月10日(金)から12日(日)に国慶日の3連休などの祝日が続きました。特に台湾では、「中秋節」は家族で集まる大切な行事ですが、近年は連休を利用して日本へ旅行するスタイルが定着しつつあり、その効果で訪日客が増加したものと考えられます。

韓国のキーワード別検索数
台湾のキーワード別検索数
Google AdWordsキーワードプランナーツール利用による検索数データ

訪日客の消費動向

2025年の訪日客旅行消費額は約9.5兆円(2024年対比+16.4%)となり、過去最高額を更新しました。2012年の1.1兆円から13年間で約8.6倍へと拡大しており、インバウンド市場の成長スピードを裏付ける結果となっています。

2024年と2025年の費目別構成比を比較すると、訪日客の支出の優先順位が変化していることが読み取れます。宿泊費・飲食費・交通費のサービス費用が全体の7割を占めており、買い物を中心としたものから、「宿泊や飲食といった滞在・体験型」へと明確にシフトしていると考えられます。

訪日客旅行消費額の推移
費目別構成比
出典:日本政府観光局(JNTO)による日本の観光統計データを参考に、アウンコンサルティングで加工

2026年のインバウンド市場の予測

2025年の訪日外国人客数が過去最高の約4,268万人に達し、旅行消費額も約9.5兆円と3年連続で過去最高を記録する中、2026年のインバウンド市場は、単なる「数の拡大」から、持続可能な観光(サステイナブルツーリズム)と、より質の高い体験を求める「深化」のフェーズへと移行すると予測されています。

日本が「世界で最も魅力的な国・都市」として国際的に高い評価を得ていることを背景に、2026年も訪日客数は引き続き過去最高を更新する可能性があります。政府が掲げる「2030年に訪日客数6,000万人、消費額15兆円」という目標達成に向け、市場の成長スピードはさらに加速する見込みです。

韓国、台湾、香港といった近隣諸国では、訪日が「国内旅行に近い感覚のルーティン」として定着しており、2026年もこの傾向は続くと見られ、「超リピーター化」による旅行スタイルの日常化が加速する見込みです。

また、消費構造の変化はさらに鮮明になり、宿泊・飲食・交通などの「サービス消費」が全体の7割を超える状況が定着します。宿泊価格の高騰が続く中、単なる宿泊ではなく、高級旅館や美食、日本独自の文化体験など、価格に見合う「高付加価値プラン」への支出が拡大し、高付加価値プランの需要が高まるでしょう。さらに、団体パッケージツアーの減少と個人手配の増加により、旅行の個別化・自由化がさらに進み、個人旅行が主流となるでしょう。

また、訪日客数・消費額ともに過去最高を更新し続ける中、2026年は単なる集客のフェーズを超え、受け入れ側の「質的向上」と「持続可能性」が問われる一年となります。同社では、今後のインバウンド市場の健全な発展に向け、さまざまな対策が2026年の成功を左右する鍵となると考えているとのことです。

調査概要

調査主旨は、2025年訪日外国人の年間動向と2026年の予測となっています。

調査日は2026年1月16日から2026年2月12日で、調査対象時期は2022年から2025年となっています。

出典は日本政府観光局(JNTO)の訪日外客数・出国日本人数データ、観光庁のインバウンド消費動向調査(2026年1月21日)、観光庁の宿泊旅行統計調査(2026年1月30日)、観光庁の観光立国推進基本計画第4次(2024年3月22日)となっています。

出典元:アウンコンサルティング株式会社

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