中小企業のWebマーケティング投資実態調査2025、58.5%が年間予算100万円未満―株式会社LiKG

株式会社LiKG(本社:東京都渋谷区、代表取締役:近藤光生)が、全国の中小企業における経営者および役員200名を対象とした「Webマーケティング投資実態調査2025」を実施しました。

同調査の結果、年間マーケティング予算を100万円未満と回答した企業が58.5%に達し、多数の企業が限定的な予算規模で施策を実施している実態が浮き彫りとなりました。また、主要な施策としてはSEOやSNS広告が中心となっているものの、Webマーケティング施策全体について「十分に成果を実感している」と回答した企業はわずか10.0%にとどまり、多数の企業が成果創出において課題を抱えていることが判明しました。

年間予算は「100万円未満」が半数以上を占める結果に

企業における年間マーケティング予算について調査したところ、最も多い回答は「〜99万円」で全体の58.5%を占めました。続いて「100〜499万円」が16.5%、「500〜999万円」が8.5%、「1,000〜2,999万円」が8.5%、「3,000万円以上」が8.0%という結果となりました。

これらの結果から、多数の中小企業において100万円未満という限定的な予算でWebマーケティングに取り組んでいる状況が確認されました。

前年からの予算は7割が変化なく、慎重な投資傾向が続く

図表2:前年からの予算変化

前年と比較した予算変動に関しては、「変わらない」が77.5%と圧倒的多数を占める結果となりました。一方、「予算が増えた」と回答した企業は11.0%、「減った」と回答した企業は7.0%にとどまっています。この結果から、多数の企業において継続的なマーケティング予算の増額が実現できていない状況が示されており、慎重な投資スタンスが継続していることが読み取れます。

実施施策はリスティング広告等、即時性の高いパフォーマンス型広告が大半を占める

図表3:取り組んでいるWebマーケティング施策

取り組んでいるWebマーケティング施策に関しては、SEOやコンテンツ制作を実施している企業が27.5%で最多という結果になりました。次いで、SNS広告が19.5%、リスティング広告が18.5%、YouTube広告が17.0%と続いています。

一方、LINE広告は7.0%、TikTok広告は6.5%と比較的低い割合となりました。全体的には、効果検証が比較的容易で、実行しやすい"王道チャネル"に取り組みが集中していることが明らかとなりました。

6割以上の企業が成果実感を得られていない状況

図表4:施策の成果実感

施策全体における成果実感については、「十分に成果を感じている」と回答した企業は全体のわずか10.0%でした。一方、「どちらかといえば成果を感じている」としたのは25.5%にとどまり、ポジティブな回答は合計で35.5%となりました。

対して、「あまり成果を感じていない」が41.0%、「全く成果を感じていない」が23.5%となり、成果が見えていない企業が全体の64.5%と多数派であることが明確となりました。

成果指標は短期的な指標が多くを占める傾向

図表5:成果指標

成果をどの指標で判断しているかを調査したところ、「売上・受注数」を指標としている企業が40.5%で最も多いという結果となりました。次いで「問い合わせ・資料請求数・来店などの数」が28.5%、「サイトアクセス数(PV・UU)」が17.5%、「ブランド認知度・検索ボリューム」が11.0%となりました。

これらの結果から、多数の中小企業において短期的な成果に直結する指標を重視して施策評価を実施している実態が確認できます。

成果が出ない理由は「知見不足」、分析できない・リソース不足が続く

図表6:成果が出ない理由

施策の成果が出ない理由として最も多かったのは、「社内にマーケティング知見がない」で31.0%でした。これに次いで「分析や改善ができていない」が23.0%、「コンテンツ制作のリソースが足りない」が18.5%、「予算が足りない」が15.0%と続いています。

全体として、スキル・人材・体制といった内部リソースがボトルネックとなり、成果創出の妨げとなっている実態が明確となりました。

少額からでも始めやすい運用型広告が多くの企業で成果を実感

図7:満足度ランキング

重みづけスコア(※1)による分析の結果、費用対効果の満足度が最も高い施策は「SEO・コンテンツマーケティング」で、1位票の高さが他施策を大きく上回る結果となりました。2位にはSNS広告(Instagram・X・TikTok)、3位にはメール/CRM施策が続き、いずれも複数順位で安定した支持を獲得しています。一方、生成AIの活用や動画マーケティング、YouTube広告といった新興領域は相対的に評価が伸びておらず、企業の費用対効果の実感にギャップがある現状が浮き彫りとなりました。

(※1)同調査では、順位ごとの評価の強さを反映するため、1位を3点、2位を2点、3位を1点としてスコア化する「重みづけスコア」を採用しています。各施策について、1〜3位の投票結果を加重集計し、費用対効果に対する満足度・不満度の強さを可視化しました。

図8:満足度ワーストランキング

重みづけスコアによる不満度分析では、「YouTubeの立ち上げ・拡張」が最も費用対効果に対する不満が高い施策として顕著な結果となりました。続いて「生成AIの活用」が2位、「SEO・コンテンツマーケティング」が3位に入り、成果の可視化が困難な領域ほど不満が生まれやすい傾向が明らかになりました。一方、同じ調査で実施した満足度ランキングでは、SEO・コンテンツマーケティングが最も高い評価を獲得しており、同一施策が「最も評価される一方で不満も大きい」という二極化が特徴的です。

この二極化の背景には、SEO施策の成否が「正しい運用体制が整っているかどうか」に大きく依存する点があると考えられます。適切なキーワード戦略や継続的なコンテンツ改善が行われている企業では高い費用対効果を実感できる一方、短期的な成果を求めたり、専門性の不足から誤った運用をしてしまう企業では期待通りの成果が得られず、不満として表れている可能性が高い結果となりました。また、生成AIの活用や動画マーケティング、YouTube広告なども同様に、導入のしやすさと成果創出の難しさのギャップが不満度の上昇につながっていると推察されます。

今後強化したい施策はSEOのほか、生成AI活用も注目

図9:強化施策について

今後1年間で強化したいマーケティング施策を調査したところ、最も多かったのは「SEO・コンテンツマーケティング」で、全体の13.5%の企業が強化意向を示しました。続いて、「SNS広告(Instagram/X/TikTok)」が11.0%、「生成AIの活用」が10.0%、「動画マーケティング」が8.5%、「リスティング広告」が8.0%という結果となりました。一方で、「特に予定はない」と回答した企業が56.5%と過半数に達しており、取り組みたい施策はありつつも、リソース不足や優先順位の判断が困難な企業が多い様子もうかがえます。

専門知識、上流設計で内部運用の限界と課題感

図10:不足リソースについて

マーケティング活動において最も必要だと感じている支援としては、「マーケティング戦略全体の設計」が34.0%と最も多く、施策よりも全体戦略の構築に対するニーズが強い結果となりました。次いで「AI・自動化の導入支援」が18.5%、「SEO対策の専門家」が8.0%、「リスティング広告」および「SNS広告の専門家」がそれぞれ6.5%、「コンテンツ制作リソース」が6.0%と続き、専門領域ごとの支援需要も一定数確認されました。また、「メール/CRMの専門家」を求める企業も5.5%存在しており、既存顧客の育成施策に関心を持つ企業も少なくありません。

総括

今回の調査から、中小企業のWebマーケティングは、「低予算」「知見不足」「改善プロセスの未整備」という三つの大きな課題を抱えていることが浮き彫りとなりました。

特に多数の企業で「予算が増えず、成果が出ず、分析も改善も回らない」という悪循環が発生しており、これが成果実感の乏しさに直結していると考えられます。

一方で、SEOやSNS広告、動画広告など少額でも成果を積み上げやすい手法も多数存在しており、限られた予算の中で戦略と体制を整え、継続的に改善を行うことで成果創出の余地は十分にあると言えるでしょう。

調査結果考察(株式会社LiKG代表 近藤光生氏)

同社代表の近藤光生氏は、「取り組んでいるが成果を実感できない」という企業が6割を超える現状を、非常に重く受け止めていると述べています。多数の中小企業が貴重な予算とリソースを投じながら、社内の知見不足や改善プロセスの欠如によって、本来得られるはずの成果を逃しているのは、社会全体にとっても大きな損失であるとしています。

近藤氏は、マーケティングの成否は最終的に「担当者の精度」に帰結すると考えており、だからこそLiKGは、単なる人材マッチングではなく、厳格な選抜制度を通過した専門家集団を「課題に合わせたチーム」として提供することに徹底してこだわってきたと説明しています。戦略設計から泥臭い実行までをシームレスにつなぐことで、この「成果の停滞」を突破できるはずであり、これからも、フリーランスの機動力と組織としての品質管理を両立させ、中小企業の成長を最短距離で支援していくとしています。

調査概要

調査名:マーケティング予算・施策実態調査2025

調査対象:全国の経営者・役員 200名

調査方法:インターネット調査

調査期間:2025年11月10日

有効回答数:200

出典元:株式会社LiKG プレスリリース

コマースピックLINE公式アカウント

コマースピックメルマガ