
LINEヤフー株式会社が、企業向けサービス「LINE公式アカウント」の有料オプション「チャットProオプション」に、新機能「AIチャットボット(β)」を追加したことを発表しました。この新機能により、生成AIが自動でチャット内容を判別し、事前に設定したQ&Aから最適な回答をユーザーに返信することが可能になります。さらに、PDFファイルや画像データから生成AIがQ&Aを自動生成する機能も備えているとのことです。本機能は、月額3,000円(税別)の「チャットProオプション」を契約している「LINE公式アカウント」のオーナーが利用できるサービスで、企業の顧客対応業務の効率化や24時間対応の実現に貢献するとされています。
AIチャットボット(β)の機能概要
「AIチャットボット(β)」は、ユーザーから送信されたチャットの内容を生成AIが分析・判別し、自動で適切な返信を行う機能です。LINE公式アカウントのオーナーが管理画面(LINE Official Account Manager)上で事前に確認・設定したQ&Aリストの中から、生成AIが最も適した回答を選択して自動的にユーザーへ返信します。
この機能の大きな特徴は、Q&Aの自動生成機能にあります。LINE公式アカウントのオーナーがPDFファイルや画像データ(JPEG、PNG形式)をアップロードすると、生成AIがそれらを解析して自動的にQ&Aを生成します。生成されたQ&Aは管理画面上で自由に追加・編集することが可能で、テンプレートを使った個別作成やCSVファイルによる一括作成にも対応しています。
このAIチャットボット機能により、LINE公式アカウントを運営する企業は、ユーザーからの問い合わせに即時対応することが可能となります。特に営業時間外や休日における対応が自動化されるだけでなく、通常の有人対応の工数削減にも大きく貢献することが期待されています。
ユーザー側にとっても、LINEアプリ上で24時間いつでも即時に返信を受け取れることで利便性が向上し、企業とのコミュニケーションがよりスムーズに行えるようになります。ユーザーエクスペリエンスの向上と企業の業務効率化を同時に実現する機能といえるでしょう。
なお、Q&Aの自動生成機能やデモ画面での動作確認については、2025年11月12日以降、「チャットProオプション」を契約していないLINE公式アカウントでも順次利用可能になる予定とのことです。ただし、AIチャットボットによる実際のユーザーへの自動返信機能を利用するには、「チャットProオプション」の契約が必要になります。
チャットProオプションについて
「チャットProオプション」は、2025年3月から提供が開始されたLINE公式アカウントの有料オプションサービスです。このオプションは、保存データの拡張機能やチャット管理機能、運用効率化機能など、LINE公式アカウントのチャット機能をより便利に活用できるようにするための機能拡張を提供します。
具体的には、「LINE公式アカウント」において、ユーザー一人ひとりに最適化された双方向のコミュニケーションを実現する1対1のチャット機能「LINEチャット」の機能を拡張し、より高度な顧客対応や管理が可能になります。
「チャットProオプション」はLINE公式アカウントの管理画面上で購入でき、月額料金は3,000円(税別)です。今回追加された「AIチャットボット(β)」機能は、この「チャットProオプション」の契約者が利用できる新機能となっています。
企業のカスタマーサポート強化に貢献
今回リリースされた「AIチャットボット(β)」機能は、企業のカスタマーサポート体制の強化に大きく貢献することが期待されています。従来、LINE公式アカウントを通じた顧客対応は、基本的に有人対応が中心でした。そのため、営業時間外や休日の対応には限界があり、また問い合わせ数が多い場合には対応の遅延が生じることもありました。
「AIチャットボット(β)」の導入により、24時間365日の自動応答が可能になるだけでなく、頻繁に寄せられる質問に対しては即時に適切な回答を提供できるようになります。これにより、顧客満足度の向上と同時に、企業側の人的リソース最適化も実現できます。
また、PDFファイルや画像データからQ&Aを自動生成する機能は、企業にとって大きな業務効率化につながります。これまでQ&Aの作成には相当の時間と労力を要していましたが、この機能によって大幅な工数削減が期待できます。作成されたQ&Aは管理画面上で編集可能なため、生成AIによる自動作成の後に人間が微調整を加えるというハイブリッドな運用も可能です。
さらに、生成AIを活用することで、顧客の質問の意図をより正確に把握し、最適な回答を提供できるようになります。従来の単純なキーワードマッチングによる自動応答システムと比較して、より自然で的確なコミュニケーションが実現されることも大きなメリットです。
LINEヤフーのミッションと今後の展望
LINEヤフーは、『「WOW」なライフプラットフォームを創り、日常に「!」を届ける。』をミッションに掲げています。ユーザーに感動を与えるサービスを提供し続けるとともに、インターネットの力を通じてより豊かで便利な暮らしの実現に貢献することを目指しているとのことです。
「AIチャットボット(β)」の導入は、このミッションに沿った取り組みの一環と言えるでしょう。生成AIの技術を活用することで、LINEというコミュニケーションプラットフォーム上での企業とユーザー間のやり取りをより円滑かつ効率的にし、双方にとっての価値創造を実現しています。
今後もLINEヤフーは、最新のテクノロジーを積極的に取り入れながら、ユーザーと企業の双方にメリットをもたらすサービスの開発・提供を続けていくことが予想されます。特に生成AI技術の活用においては、プライバシーやセキュリティにも十分配慮しながら、さらなる機能拡充が図られることでしょう。
「AIチャットボット(β)」機能は現在ベータ版として提供されていますが、今後ユーザーからのフィードバックを取り入れながら機能改善や拡張が行われていくことも期待されます。LINEというメッセージングプラットフォーム上でのAI活用は、日本における企業のDX推進や顧客体験の向上に大きく貢献する可能性を秘めています。
出典元: LINEヤフー株式会社 プレスリリース













