
Z世代向けクリエイティブカンパニーFiom合同会社(本社:東京都渋谷区、代表社員:竹下洋平)が運営する「Z-SOZOKEN(Z世代創造性研究所)」は、全国のZ世代(18歳〜24歳)349名を対象に実施した「Z世代のアイドル文化についての意識調査」の結果を発表したことが分かりました。この調査から、Z世代のアイドル観や「推し活」の実態が明らかになっています。
この記事の目次
- 1 調査の背景
- 2 「Z世代のアイドル文化についての実態調査」調査サマリー
- 3 Z世代の「アイドル文化」の実態を深掘り
- 3.1 Z世代の「推し」はいて当たり前。過半数の52%が熱心に応援中
- 3.2 Z世代が重視するのは本質。「SNSの日常感」(58%)より「楽曲」(81%)と「ダンス」(78%)
- 3.3 アイドルは自己肯定感の源泉。Z世代の44%が「夢や希望を歌う歌詞」に最も心を動かされる
- 3.4 応援は「金」より「拡散」。Z世代の応援活動の1位は「無料動画の視聴・コメント」(47%)
- 3.5 Z世代のアイドル文化は低コスト。60%が月の支出3,000円未満、「0円」も28%存在
- 3.6 「推し」は疑似恋愛の相手にあらず。Z世代の61%が「最高のコンテンツ」と回答、恋愛はわずか5%
- 3.7 アイドルに求めるのは"顔"より"実力"。「完璧なビジュアル」(7%)を「圧倒的パフォーマンス」(30%)が圧勝
- 3.8 "推しの幸せ=ファンの幸せ"。熱愛報道、Z世代の過半数52%が「祝福したい」と回答
- 4 Z-SOZOKEN所長のコメント
- 5 「Z-SOZOKEN(Z世代創造性研究所)」について
- 6 Fiom合同会社について
- 7 Z世代に特化したZ世代のクリエイティブカンパニー
調査の背景
現代では、SNSが「推し活」を可視化するインフラとなり、個人の応援活動が大きな影響力を持つようになっています。企業のマーケティング活動も、こうした推し活経済圏と無関係ではいられない転換点を迎えていると言えるでしょう。
特に、これからの消費の主役となるZ世代は、デジタルネイティブの特性を活かしてSNSを駆使した新しい応援の形を確立しています。彼らのファン像は、従来の「疑似恋愛」や「熱狂」といったイメージだけでは捉えきれないものになっています。
多くの企業がZ世代の「推し活」の熱量に注目し、コラボレーションを試みていますが、表面的な熱量だけに着目し、Z世代ファンの本質的な価値観を理解しないままアプローチしたことで、「人気への便乗」といった「認識のズレ」が発生している広告も見られるようになりました。
このような背景から、Z世代の当事者目線による分析で新たなインサイトを発掘・探求するZ世代特化の調査研究機関「Z-SOZOKEN」が、企業とZ世代の間に存在する「アイドル文化」への認識ギャップを解明するため、本実態調査を実施したとのことです。
多様なバックグラウンドを持つZ世代当事者である研究員がアンケート調査を実施し、Z世代がアイドルに求める価値や、企業コラボに対する彼らのリアルな視点や本音を分析しています。
全38ページにわたる調査レポートを基に、Z世代が「推し」を「疑似恋愛の相手」として見ているのか、それとも「最高のコンテンツ」として見ているのか、その境界線を分析し、企業とZ世代の間に横たわる認識のズレを調査した結果が報告されています。
「Z世代のアイドル文化についての実態調査」調査サマリー
Z世代のアイドル観で「パフォーマンス」を最重要視、「ビジュアル」は7%
アイドルに求める最も重要なことは「圧倒的なパフォーマンス」(30%) がトップとなりました。「ファンを大切にする誠実な姿勢」(23%)、「面白いトークや人間性」(21%) が続き、「常に完璧なビジュアル」は7%に留まる結果となっています。
「推し」は「疑似恋愛の相手」にあらず。61%が「最高のコンテンツ」と回答
「推し」の存在イメージについては、「最高のコンテンツ」(61%) が圧倒的多数を占めました。「信仰の対象」(21%) が続き、「疑似恋愛の相手」はわずか5%という結果でした。
熱愛報道、過半数52%が「祝福」。文化の「成熟」を示す結果に
「推し」の熱愛報道に対しては、「個人の幸せなので、祝福したい」が52%となりました。アイドルのプライベートな幸せを尊重する価値観が示される結果となっています。
Z世代の心を動かすのは「自己肯定感を高めてくれる」歌詞
最も心を動かされる歌詞のテーマは、「夢や希望を歌い、自己肯定感を高めてくれる歌詞」(44%)がトップとなりました。「恋愛」(19%)に大差をつける結果となっています。
アイドル文化の作法で「デジタル応援」が主流。60%が月額3,000円未満
応援活動は「無料動画の視聴」(47%)、「ストリーミング再生」(39%)、「SNSフォロー」(39%)が上位を占めました。月額の支出は「0円」(28%)、「3,000円未満」(32%)が6割を占め、低コストでデジタルに支えるスタイルが主流となっていることが明らかになりました。
企業コラボへのシビアな視点。「人気への便乗」(40%)は失敗
成功する広告は「アイドルの個性やコンセプトが、商品の世界観と完全にマッチしている時」(55%)、失敗する広告は「人気にただ便乗しているだけ」(40%)と、文化へのリスペクトを厳しく評価していることがわかりました。
Z世代の「アイドル文化」の実態を深掘り
今回の調査結果から、Z世代のアイドル文化を象徴する8つのデータが抜粋されて解説されています。
Z世代の「推し」はいて当たり前。過半数の52%が熱心に応援中

「あなたには現在、熱心に応援している『推し』がいますか?」という質問に対し、52%が「はい」と回答したことがわかりました。Z世代の過半数が、何らかの対象を熱心に応援する「アイドル文化」の当事者であることが明らかになっています。
Z世代が重視するのは本質。「SNSの日常感」(58%)より「楽曲」(81%)と「ダンス」(78%)

「推し」の魅力を感じる上で重要なコンテンツを尋ねたところ、「楽曲のクオリティ」(「非常に重要」60%、「少し重要」21%)が合計81%、「ダンスパフォーマンス」(「非常に重要」48%、「少し重要」30%)が合計78%となり、本質的な実力を示すコンテンツが上位を占める結果となっています。「SNSで見せる飾らない日常感」(合計58%)よりも重視されており、Z世代がアイドルの「本質」を評価していることがわかります。
アイドルは自己肯定感の源泉。Z世代の44%が「夢や希望を歌う歌詞」に最も心を動かされる

「あなたが最も心を動かされるのは、どのようなテーマの歌詞ですか?」という問いに対し、44%が「夢や希望を歌い、自己肯定感を高めてくれる歌詞」と回答しています。「恋愛の切なさや喜びを歌う、共感できる歌詞」(19%)や「社会や大人への反抗を歌うメッセージ性の強い歌詞」(15%)を大きく上回る結果となっています。
応援は「金」より「拡散」。Z世代の応援活動の1位は「無料動画の視聴・コメント」(47%)

「あなたが普段行っている応援活動はどれですか?」という質問では、「YouTubeやTikTokなど無料動画コンテンツの視聴・コメント」(47%)、「音楽ストリーミングサービスでの楽曲再生」(39%)、「SNSアカウントのフォロー、投稿のチェックやシェア」(39%)がトップ3となりました。物理的な「CDの購入」(22%)よりも、デジタル上で再生数や知名度向上に貢献する活動が主流となっていることがわかります。
Z世代のアイドル文化は低コスト。60%が月の支出3,000円未満、「0円」も28%存在

「『推し活』に1ヶ月あたり平均でどのくらいお金を使っていますか?」という質問に対し、「0円」が28%、「3,000円未満」が32%と、合計60%が比較的低コストでアイドル文化を楽しんでいることが判明しました。前項のデジタル応援と合わせて考えると、Z世代の文化が「お金をかける=愛」とは限らないことが示唆されています。
「推し」は疑似恋愛の相手にあらず。Z世代の61%が「最高のコンテンツ」と回答、恋愛はわずか5%

「あなたにとって『推し』とは、どのような存在ですか?」という問いに対し、61%が「最高のコンテンツ」と回答し圧倒的多数でした。「信仰の対象」が21%で続き、旧来のイメージであった「疑似恋愛の相手」はわずか5%に留まりました。Z世代のアイドル文化は、「疑似恋愛」ではなく、人生を豊かにする「エンターテイメント」として受容されている実態が明らかになっています。
アイドルに求めるのは"顔"より"実力"。「完璧なビジュアル」(7%)を「圧倒的パフォーマンス」(30%)が圧勝

「あなたがアイドルに求める最も重要なことは何ですか?」という質問では、「圧倒的なパフォーマンス」(30%)がトップでした。次いで「ファンを大切にする誠実な姿勢」(23%)、「面白いトークや人間性」(21%)と続き、「常に完璧なビジュアル」は7%と最も低い結果となりました。Z世代がアイドルの外見よりも、その実力や内面性を重視する文化であることが強く示されています。
"推しの幸せ=ファンの幸せ"。熱愛報道、Z世代の過半数52%が「祝福したい」と回答

「もしあなたの『推し』に熱愛報道が出たら、どう感じますか?」という質問に対し、過半数の52%が「個人の幸せなので、祝福したい」と回答しました。「悲しい気持ちになるが、これからも応援し続ける」(16%)も合わせると約7割が応援を継続する意向であり、「ショックでファンを辞める(しばらく休む)」(13%)は少数派でした。「推し」を「疑似恋愛」の対象と見ていないZ世代の価値観が、アイドルのプライベートな幸せを尊重するという、文化の成熟性を示していると考えられます。
Z-SOZOKEN所長のコメント
竹下洋平(たけしたようへい)
Z-SOZOKEN(Z世代創造性研究所)所長
Fiom合同会社CEO
2005年生まれ。2021年10月にFiom合同会社を設立。Z世代のクリエイターの創造性を最大化させるをミッションに、Z世代によるZ世代向けのコミュニケーションプロデュース事業、リサーチ&プランニング事業を展開しています。上場企業から大企業、中小企業、ベンチャー、スタートアップ、行政や自治体と幅広い組織の支援実績を持ちます。Z世代の創造性を活かし、Z世代向け広告コミュニケーションの上流設計から制作、運用までワンストップで実行支援しています。

Z-SOZOKEN所長の竹下氏は「Z世代がアイドルに求めるのは『ビジュアル』(7%)より『パフォーマンス』(30%)」と指摘し、この調査結果がZ世代のアイドル文化が、想像以上に「本質」を重視する成熟した文化であることを示していると述べています。
竹下氏によれば、Z世代にとって「推し」は、もはや「疑似恋愛の相手」(5%)ではなく、人生を豊かにする「最高のコンテンツ」(61%)であり、自らの「自己肯定感を高めてくれる」精神的な支柱だとのことです。だからこそ、熱愛報道が出ても「祝福したい」と回答する成熟した価値観が生まれていると分析しています。
企業に今求められているのは、彼らを「疑似恋愛層」として扱い、射幸心を煽るような短絡的なコラボを行うことではなく、「推し」と「商品」の世界観がなぜマッチするのか、そのコラボが「推し」の価値やパフォーマンスを正しくリスペクトしているか、という「本質的な繋がり」を提示することだと竹下氏は説明しています。Z世代は、企業が自分たちの「アイドル文化」を「攻略対象」としてではなく、「価値ある文化」として誠実に扱っているかを、厳しく見抜いているとのことです。
「Z-SOZOKEN(Z世代創造性研究所)」について

Z世代の創造性で未来を創る。Z世代特化の次世代型シンクタンク
「Z-SOZOKEN」とはZ世代向けクリエイティブカンパニーFiom合同会社が運営しているZ世代同世代目線による分析で新たなインサイトを発掘、探求するZ世代特化の次世代型シンクタンクです。
Z世代の実態や価値観をZ世代当事者たちが様々な観点から把握・分析。時代の最先端をゆくZ世代の未知なる文化を解き明かし、時代を切り開く新たな価値観を探求しています。リアルZ世代起点でZ世代に届く共感を軸としたコミュニケーションやプロモーション設計に活用できる実践的なマーケティング情報を提供しています。
Fiom合同会社について

Z世代に特化したZ世代のクリエイティブカンパニー
メンバー全員がZ世代で構成されたZ世代に特化したクリエイティブカンパニー。Z世代の創造性を基点としたZ世代目線のアプローチを実施しています。Z世代向け広告コミュニケーション領域の上流設計から制作・運用まで実行支援しています。時代の最先端をゆくZ世代の感性を活かしたクリエイティブカンパニーとして活動しています。
調査概要
調査名:Z世代のアイドル文化についての意識調査
調査対象:全国のZ世代(18歳~24歳)
調査期間:2025年9月
調査方法:インターネットを利用したアンケート調査
有効回答数:n=349
調査分析:Z-SOZOKEN(Z世代創造性研究所)(運営:Fiom合同会社)
出典元:Z-SOZOKEN(Z世代創造性研究所)/Fiom合同会社 プレスリリース













