ルビー・グループ株式会社、EC事業の新戦略「BPOからBPRへ」発表 - 業務改革パートナーとしてAIエージェント活用も推進

ECサイト構築・運用・フルフィルメントまで一貫したEC支援サービスを提供するルビー・グループ株式会社が、2025年10月17日に開催した全社ミーティングにおいて「BPOから、BPRへ」という新たな成長戦略を発表しました。国内EC市場は約541兆円規模へと伸張していますが、一方で15歳~64歳までの生産年齢人口は減少しており、EC事業の現場では「EC経験人材」の深刻な人手不足が常態化している状況です。

このような環境下において、多くのEC事業者は「日々の業務と人手不足に追われ、業務効率化やCX(顧客体験)改善といった『仕組み化』に時間とリソースを振り分ける余裕がない」という本質的課題に直面していると同社は指摘しています。この市場課題を根本から解決するため、ルビー・グループ株式会社は従来の「EC運営代行(BPO)」にとどまらず、顧客の業務プロセスを根本から再設計し「仕組み化」を推進する「業務改革パートナー(BPR)」へと提供価値をシフトする戦略的転換を実施するとのことです。

これまで:BPO(EC運営代行)パートナーとしての実績

ルビー・グループ株式会社はこれまで、特に海外ラグジュアリーブランド支援において、ECサイト構築から運用、サポート、物流まで広範囲な業務を「まるっと」請け負うBPO(Business Process Outsourcing)パートナーとして成長してきました。同社は少数の顧客と「運命共同体」として深く伴走することで、顧客の売上成長に貢献してきたとしています。

これから:BPR(業務改革パートナー)への戦略的転換

EC人材不足という課題と市場環境の変化を踏まえ、同社は「BPOから、BPRへ」のスローガンを掲げ、提供価値を再定義しました。具体的には以下の2つのアプローチで顧客企業を支援していくとのことです。

  • 短期課題の解決(BPO)

    まず、従来の強みであるEC運営代行(BPO)で顧客の業務に入り込み、日々のオペレーションを担うことで人手不足という「短期課題」を解決します。

  • 中長期課題の解決(BPR)

    同時に、業務の実行を通じて「本質的な課題」を発見し、BPR(Business Process Reengineering)による業務フローの根本的な再設計やシステム導入を提案・実装します。これにより、「仕組み化」という「中長期課題」の解決を目指すとしています。

同社は、この取り組みを通じて顧客のEC事業そのものを変革する「業務改革パートナー」としての地位を確立することを目指しているとのことです。

なぜルビー・グループがBPRを実現できるのか

同社のBPRは、コンサルティングファームやSIerとは一線を画するアプローチとなっています。その実行可能性は、以下の3つの強みに裏付けられているとのことです。

現場を知り尽くす「BPO実行力」

同社は「口だけでなく、手も動かす」実行部隊です。BPO(EC運営代行)で顧客の業務の懐に入り、業務を深く理解しているからこそ、机上論ではない「本質的な課題」を発見し、未来を改善する仕組みを構築できるとしています。

強化された「エンジニアリング力」

ルビー・グループ株式会社はイルグルムグループの一員として、コマース事業の垂直統合を進めてきました。グループの「エンジニアリング力」と「テクノロジー」を活用し、専門性の高い「人財」の力と掛け合わせることで、BPRの実行を技術面から強力にサポートする体制が整っているとのことです。

知見から導き出す、実体験に基づいた「提案力」

新戦略の中核となるのは、同社の「提案力」だといいます。これまで体系化されていなかった現場の知見・ノウハウを活かす「知の集約プロジェクト」を発足し、コンサルチームを新設する予定とのこと。これによって提案力を強化していくことを目指しています。

変革を支える強固な経営基盤と成長実績

この戦略的転換は、同社の強固な経営基盤によって支えられています。具体的には以下の成長実績が示されています。

コマース支援事業売上 約667%成長

同社を含むイルグルムグループのコマースセグメントは、EC構築システム「EC-CUBE」をベースに、ルビー・グループの「EC運用」「集客」「物流」等のケイパビリティを垂直統合してきました。これにより、売上を2021年の3億円から2025年の20億円へと、約667%の成長を遂げることができたとのことです。

営業利益V字回復・通期黒字化の達成

同社単体においても、2024年10月のイルグルムグループ参画以降、2025年9月期において営業利益のV字回復と通期黒字化を達成しました。この安定した経営基盤のもと、未来への投資と事業変革を積極的に推進していく方針だとしています。

今後の展望:「AIエージェント」活用による業務改革の推進

今後の展望として、同社はイルグルムグループが掲げる「CHANGE OS, FOR AI ERA」のスローガンのもと、生成AI、特に自律的にタスクを遂行する「AIエージェント」の活用を積極的に推進していくとのことです。

具体的には、BPOで顧客の業務を深く理解し、BPRで「仕組み化」した業務を、最終的に「AIエージェント」が自律的に実行するという段階的なアプローチを取るとしています。これにより、EC事業者を日々のリソース不足から解放し、本来注力すべき「より良い購買体験の創出」に集中できる環境づくりを支援するとのことです。

ルビー・グループ株式会社は「業務改革パートナー」としての新たな立ち位置を確立し、EC業界における人材不足と業務効率化という二つの課題を同時に解決する独自のアプローチで、顧客企業のビジネス成長を強力に後押ししていくことを目指しています。

この戦略転換により、従来のアウトソーシングサービスの枠を超え、EC事業者の本質的な課題解決に寄与する新たなビジネスモデルの確立が期待されます。顧客企業の業務プロセス改革を通じて、人材不足という構造的な問題に対する持続可能な解決策を提供することで、EC市場全体の健全な発展にも貢献していくことでしょう。

ルビー・グループ株式会社 概要

会社名: ルビー・グループ株式会社
本社: 東京都渋谷区富ヶ谷2-43-10
代表取締役: 岩田 進
設立: 2011年1月12日
事業内容: ECサイトの構築、一括運営、およびEC事業コンサルティング 等

出典元: ルビー・グループ株式会社 プレスリリース

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