
BEENOSグループでエンターテインメント産業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するBEENOS Entertainment株式会社が提供するエンタメ業界向けECサイト構築システム「Groobee(グルービー)」に、新たに3つの機能が追加されたことが発表されました。今回リリースされたのは「ユーザー単位での購入制限機能」「FC(ファンクラブ)会員限定商品の販売機能」「イベント来場者向け限定EC機能」です。これらの新機能により、一部ユーザーによる買い占めや高額転売といった業界課題の解決を目指すとともに、ECサイトへの来店促進とファンとの継続的な関係構築をサポートするとのことです。
この記事の目次
機能開発の背景
近年、エンターテインメント市場の拡大に伴い、アーティストやアニメなどのIP(知的財産)に関連した限定グッズがECサイトで販売される機会が増加しています。しかし、その一方で問題も発生しています。一部のユーザーによる買い占めや高額転売が行われ、「本当に欲しいファンが購入できない」という状況が深刻化しているのです。
この問題は、単にファンの満足度を低下させるだけではありません。アーティストやIPホルダーが意図しない形で商品が流通することにより、ブランド価値が毀損されるリスクもあり、エンターテインメント業界全体の大きな課題となっています。
こうした背景を受け、BEENOS Entertainment株式会社はエンタメ業界向けのECサイト構築サービス「Groobee」に、新たに3つの機能を追加しました。この機能強化により、Groobeeを利用してグッズ販売を行っている事業者は、転売目的の大量購入をコントロールし、グッズ流通の適正化を進めることが可能になるとされています。
また、ファンクラブ会員やイベント来場者向けの特別な販売機会を設けることで、ECサイトへの来店を促進し、ファンとのエンゲージメントを高める効果も期待できるとのことです。
新機能の詳細
1. ユーザー単位での購入制限機能
従来のECサイトでは注文単位での購入制限が一般的でしたが、Groobeeでは新たにユーザー単位で購入制限を設定できる機能を実装しました。これにより、同一ユーザーが複数回に分けて決済することによる制限回避も防止できるようになり、一部のユーザーによる買い占めを抑制し、より多くのファンに商品が行き渡るようにすることが可能になります。
この機能は管理画面から対象商品に購入上限数を設定するだけで簡単に利用できるため、運営側の負担も軽減されるとのことです。
2. FC会員限定商品の販売機能
ファンクラブなどの会員情報で認証を受けたユーザーだけが購入できる商品を設定できる機能です。FC会員でないユーザーにも商品を表示することができ、購入しようとすると「FCクラブ入会」を促すダイアログが表示される仕組みになっています。これにより、ファンクラブへの新規会員獲得にもつながるとされています。
また、前述の購入制限機能と組み合わせることで、限定商品の過度な流通を抑制する効果も期待できるとのことです。

3. イベント来場者向け限定EC機能
スマートフォンのNFC(Near Field Communication、近距離無線通信)技術を活用し、イベント会場などで現地参加者限定のEC販売を実現する機能です。この機能により、イベントに実際に足を運んだファンだけが購入できる特別なグッズ販売が可能になります。
購入制限機能やFC会員限定商品の販売機能と組み合わせることで、需要の高い現地限定グッズが転売目的で大量購入され、本当に欲しいファンに行き渡らないという問題の解決に貢献するとのことです。

Groobeeについて
Groobeeは、アーティストやアニメ、キャラクターなどのコンテンツに特化した、エンターテインメント業界に最適な機能を備えたECサイト構築サービスです。初期費用0円からスタートできるため、新規事業としてのグッズ販売も始めやすいのが特徴となっています。
サービスの特徴として、クリエイティブ作成からカスタマーサポート対応、物流に至るまでトータルでサポートしている点が挙げられます。また、単独型のECサイト構築だけでなく、モール型のECサイト展開も可能であり、すでに既存のECサイトを運営している場合にも導入できる柔軟性があるとのことです。
さらに、BEENOSグループが展開する越境購入サポートサービス「Buyee(バイイー)」と連携することで、国内だけでなく世界中のファンに向けて日本のエンターテインメント商品を届けることも可能になります。

BEENOS Entertainment株式会社の概要
BEENOS Entertainment株式会社は、エンターテインメント領域のDXを支援する事業を展開しています。同社はコンテンツとファンをECやテクノロジーでつなぎ、ファンダムエコノミーの活性化に貢献することを目指しているとのことです。
会社概要:
- 社名: BEENOS Entertainment株式会社
- 代表者: 代表取締役社長 玉谷芳和
- 本社所在地: 東京都品川区西五反田八丁目4番13号
- 設立: 2012年2月
- 資本金: 30百万円
まとめ
エンターテインメント業界では、これまでもさまざまな形でDX化の取り組みが進められてきましたが、グッズ販売における転売問題など、依然として課題が残されていました。今回Groobeeに追加された機能は、そうした業界の課題解決に貢献するとともに、ファンとの関係性強化をテクノロジーの力でサポートするものとなっています。
特に、ファンクラブ会員やイベント参加者に対する特典としての限定商品販売機能は、ファンエンゲージメントを高める効果が期待できるでしょう。また、購入制限機能によって、本当に欲しいファンに商品が行き渡る仕組みを作ることで、ファンの満足度向上やブランド価値の保護にもつながります。
出典元:BEENOS Entertainment株式会社 プレスリリース