文化服装学院の学生1,031名調査:SNSはインスタが94.4%、ChatGPTに注目集まる「おしゃれZ世代」の最新トレンド

株式会社双葉通信社(本社:東京都中央区、代表取締役:小西聡)が文化服装学院とコラボレーションし、今年で5回目となるアンケート調査を実施したことが発表されました。この調査では、回答した学生総数1,031名の74%が18~21歳という、ファッションの発信者でもある"おしゃれZ世代"の学生たちを対象に、彼らのインサイトやトレンドを探った結果がまとめられています。

USER LOCALによる頻出語分析

※USER LOCALによる頻出語分析(左:おもしろい・新しいと思うサービスやアプリ / 右:今後やりたいこと、欲しいもの)

調査結果詳細

1. ふだん視聴するSNS・プラットフォーム

ほぼ全員利用の「Instagram」をはじめ、「YouTube」「TikTok」「Pinterest」が上位。「BeReal.」はブーム鎮静の兆し。ながら聴きニーズで「音楽プラットフォーム」が上昇。

ふだん視聴しているSNS・プラットフォーム

Q:ふだん視聴しているSNS・プラットフォーム(上位)

上位は「Instagram(94.4%)」「YouTube (75.3%)」「TikTok (59.3%)」「Pinterest(52.3%)」となっています。このうち「YouTube」のみが昨年より微減となったことが報告されています。「X (昨年-9.3%) 」や昨年ブレイクした「BeReal. (同-6.6%) 」も減少しています。「X」については"推し情報"を見たり意見・愚痴の発信で使い始める学生と、ネガティブな内容を嫌って離反する学生が混在している状況だとのことです。仲間うちでリアルタイム撮影を楽しむ「BeReal.」も、"学校デビューで使い始めた層"と"時間をとられたり友達の時間に踏み込むのがイヤな層"に分かれ、後者の割合が増えている傾向が見られるようです。

一方、多忙な日常の中で"ながら聴き"が増えたためか、「Spotify, Apple Musicなどの音楽配信」が上昇したと報告されています(同+4.1%)。

2. おもしろい・新しいと思うサービスやアプリ

圧倒的に「ChatGPT」。「SNSなどの共有サービス」「創作支援ツール」「海外のSNS・ファッションフリマ」「生活改善・時短サービス」にも着目。

(USER LOCALによる頻出語分析)

Q:「おもしろい・新しい」と思うサービスやアプリ(自由回答)

「おもしろい・新しいと思うサービス・アプリ」の首位は圧倒的に「ChatGPT」となったことが明らかになりました。画像を含め、生成AIへの注目が高まっていることがわかります。

「発信・共有サービス」としては、おしゃれZ世代にとって身近な「TikTok」「BeReal.」などのほか、写真を共有する「Retro」が目立っているようです。文章や創作物を共有するプラットフォーム「slowly」「Medium」も挙げられています。

「Adobe Fresco」「Illustrator」など、デザインや創作を支援するツールにも関心が集まっていることが報告されています。

また中国や海外のSNS・ファッションフリマに注目しており、「小紅書(RED)」「Bilibili」「pickyou」「Depop」などが挙げられています。

おしゃれZ世代は、お得で便利な新しいコマースや時短につながるUXにも敏感であり、「ジハンピ」(サントリー自販機連動のキャッシュレスアプリ)や、日本で6月末にリリースされたばかりの「TikTok Shop」にも興味を持っているとのことです。

3. 購入ブランド&憧れブランド

購入のベースは手頃なファストファッション・古着やリサイクル店・プチプラEC。「ザラ」「シーイン」でトレンドを盛る。ガーリーの"甘"とストリート/モードの"強・辛"を買い分け、韓国・中国にも注目。"憧れ"はハイブランドや革新的なデザイナーズブランド。

購入ブランド&憧れブランド

「今年購入したファッションブランドやショップ」「買わなくても憧れてチェックしているファッションブランドやショップ」を自由回答で聞いた結果がまとめられています。

購入ブランド・ショップは1位ユニクロ、2位ジーユーに始まり、ファストファッションや古着・リサイクル店・プチプラECが上位を占めていることがわかりました。"失敗してもいい価格帯"で"多様なテイストを取り入れている状況が見て取れます。

韓国ブランドや中国・韓国のプラットフォームが浸透し、ブランドでは韓国の「スカルプター」「ティーナジョジュン」などが支持されているようです。またプチプラでアメリカン・ヤングセレブテイストの「ブランディメルヴィル」も人気を集めていることが報告されています。

一方「憧れブランド」のTOP3は「コムデギャルソン」「ヴィヴィアンウェストウッド」「ミュウミュウ」となりました。SNS戦略の巧みなハイブランドや国内外の革新的なデザイナーブランドが多く挙げられ、「ディオール」「ディーゼル」「キコ・コスタディノフ」も上位に入っています。K-POPアイドルの着用やコラボも憧れの後押しになっている様子です。なおハイブランドは古着で探す傾向も見られているとのことです。

4. ファッションアイテムを購入した通販

「ZOZOTOWN」「SHEIN」が2強。実店舗回帰が見られ、韓国通販やファッションフリマアプリなどへの多極化も進む。

ファッションアイテムを購入した通販

Q:今年ファッションアイテムを購入したサイト・アプリ名(上位)

ファッション通販の2強は「ZOZOTOWN(42.8%)」と「SHEIN(27.5%)」ですが、昨年より利用率は減少していることが報告されています。「通販サイト・アプリでは買っていない」が20%を超え、実店舗回帰の傾向が見られるとのことです。中国メガ通販の「タオバオ」、韓国の「MUSINSA」「Qoo10」が台頭し、「pickyou」などインフルエンサーフリマ、セレクトショップや古着店の通販でも購入している状況だということです。なお中国発の格安通販「Temu」は伸びておらず、おしゃれZ世代は価格・品質・テイストのバランスをよく見極めているようです。

5. センスがいい人

1位は2年連続で「あさぎーにょ」。「小松菜奈」「XG」「BLACKPINK」などのK-POPアイドル、ファッションYouTuberが上位。"好き"が多極化。

センスがいい人

Q:「センスがいい、かっこいい、かわいい、発信が気になる」と思う人は?(自由回答・上位)

挙がった名前は計1,880名に上り、国内外のモデル、ミュージシャン、俳優、デザイナー、個人のインスタアカウントまで多岐に渡っていることが報告されています。また上位の得票数が年々減少しており、"好き"の多極化が顕著に表れているようです。

1位の「あさぎーにょ」はYouTuberや自身のブランド「ポピー」のディレクターとして強い影響力を持っているとのことです。

上位陣のキャラクターは幅広く、ポップ(あさぎーにょ)、スタイリッシュ(小松菜奈、XG、BLACKPINK、ベラ・ハディッド)、強めガーリー(ちゃんみな、しゅなたん、せいら、コノリリ)、ミニマル・静謐(モトーラ世里奈、深水光太)、ナチュラル(かきぶちももの、柴田ひかり、在原みゆ紀)など様々だと報告されています。ぶれない世界観や自己編集の巧みさに加え、SNSで見せる"素"や空気感にセンスを感じている傾向があるようです。

またジェンダーを越えたファッションアイコンとして「けみお」「G-DRAGON」も人気を集めていることがわかりました。トランスジェンダーモデルでアクティビストの「アレックス・コンサーニ」や、ショップスタッフ&YouTuberの「ユウマカーダシアン」も注目を集めているとのことです。

おしゃれZ世代のインサイトと思考を探る調査

本調査は、双葉通信社が文化服装学院ファッション流通科ファッションプロモーションコースとのコラボレーションにより、継続的に実施しているWebアンケート調査です。文化服装学院の在学生を"おしゃれZ世代"と位置づけ、彼らのファッション購買態度やメディア接触動向の把握を目的としています。

2021年の調査開始以来5回目となる今回の調査では、文化服装学院の在学生1,031名から回答を得ていることが報告されています。また渡航制限の緩和以降、世界各地からの留学生が多数回答している点も特徴となっているようです。

調査概要

  • 調査手法:WEBアンケート
  • 回答者数:文化服装学院の在学生1,031名
  • 調査期間:2025年6月24日~7月4日
  • 調査企画・実査:㈱双葉通信社
  • 協力:文化服装学院ファッション流通科ファッションプロモーションコース
  • 調査設問:文化服装学院オウンドメディア「prop」について / 暮らし・興味関心事 / ショッピングについて / 欲しいもの・やりたいこと / おもしろいと思うサービス・アプリ/ SNS・メディア接触行動 / ファッションアイテムの購買行動 / センスがいいと思う人物 / 好きなデザイナー・ミュージシャン・アーティスト / コスメの購買行動・情報接点 / サステナビリティへの関心 他 計38問

出典元:株式会社双葉通信社 プレスリリース

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