
SEOを中心にデジタル領域全般のマーケティング支援を行う株式会社PLAN-Bマーケティングパートナーズが、『SEO/LLMOと広報・PRの連携に関する実態調査』を実施したことを発表しました。生成AIの普及による検索行動の変化を背景に、企業が成果を上げるためには外部メディアでの言及やブランド露出がますます重要になっていることから、両者の連携状況や施策の普及度について調査したものです。

この記事の目次
調査背景
近年、生成AIの普及や検索アルゴリズムの進化により、ユーザーの情報収集の方法が変化しています。企業が成果を上げるためには、自社サイトでの発信に加え、外部メディア等での言及やブランド露出がますます重要になっているとのことです。
こうした中で、広報・PRの活動はSEOや生成AIなどの大規模言語モデル最適化(LLMO:Large Language Model Optimization)の成果に直結しやすく、両者は相互に効果を高め合う関係にあります。そのため、広報とSEO/LLMOの連携は今後の重要テーマとなっており、海外では統合チームの組成やデジタルPRの取り組みも拡大しているようです。
このような状況を受け、同社は国内のSEO・LLMO担当者と広報・PR担当者150名を対象に、両者の連携状況や施策の普及度を調査したとのことです。
調査概要
SEO/LLMOと広報・PRの連携に関する実態調査 2025
調査期間:2025年8月18日~25日
調査対象:全国のSEO・LLMO担当者(77名)、広報・PR担当者(73名) 計150名
調査方法:インターネットアンケート調査
調査委託先:アイブリッジ株式会社
※グラフの数字は小数点第1位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。
調査結果
約5割の企業で、SEO/LLMOと広報・PRを統括する体制が存在

はじめに、「広報・PR」と「SEO/LLMO」の担当体制について尋ねたところ、「専任の担当者またはチームが両方を統括している」が48.0%に上ったことがわかりました。「兼務の担当者が両方を担っている」も25.3%と、あわせて7割以上が何らかの形で統合管理している状況が明らかになっています。
この結果から、日本企業においても既に役割を横断した連携体制の構築が着実に進んでいることが示されています。
7割超が連携施策を実施

また、「広報・PRとSEO/LLMOを連携させた施策を行なっていますか?」という問いに対しては、上位から「積極的に実施している」39.3%、「一部実施している」32.0%という結果になり、合計71.3%が何らかの連携施策を行っていると回答したとのことです。
施策の実施状況からも、SEO/LLMOと広報・PRを連携的に扱う動きが、日本でも浸透し始めていることがわかります。
連携課題は「知識・スキル不足」と「KPIの違いによる方向性のズレ」

次に、前問で連携施策を「実施している」または「今後検討している」と回答した人を対象に、連携を進める上での課題を尋ねたところ、「社内にSEO/LLMOの知識・スキルが不足している」40.0%が最も多く、次いで「KPIの違いによる方向性のズレ」36.3%、「効果を可視化・計測できない」35.6%が上位に挙がったことが報告されています。
体制づくりが進んでいる一方で、担当者の知識の差や評価指標の違いが連携を難しくする要因になっていることが浮き彫りとなったようです。
実施施策の中心は「SEOキーワード・トピックスを意識した情報発信」と「被リンク・言及獲得目的のメディアアプローチ」

実際に連携して取り組んでいる施策については、「SEO/LLMOのキーワード・トピックスを意識したプレスリリースなどの情報発信」と「被リンク・言及獲得を目的としたメディアアプローチ」56.1%が同率1位となり、「被リンク・言及獲得を目的とした定期的な情報発信」39.3%が続いたとのことです。従来のPR活動をSEO/LLMO観点で最適化する動きが強まっていることがわかります。
8割が「PR×SEO連携は重要」と回答

「今後、AI検索時代において両者の連携はどの程度重要になるか」という問いに対しては、「非常に重要になる」43.3%、「重要になる」36.7%という結果になり、計80.0%が重要視していることが明らかになりました。
この結果は、すでに多くの担当者が「SEOやLLMOの成果は広報・PRと切り離せない」と認識していることを示しています。逆に「あまり重要ではない/全く重要ではない」と答えた人は合計16.0%に留まり、SEO×PRの重要性は実務者の共通認識になりつつあるといえます。
一方で、担当ごとの回答をみると、広報・PR担当の方が「重要ではない」「わからない」と答えた割合がやや高く、SEO/LLMO担当に比べて重要性の認識には温度差が見られたことが報告されています。

今後注力したいのは「一貫した情報発信」と「検索ニーズに応じた企画」

今後注力すべき施策としては、「事業戦略に基づいた一貫性のある発信テーマ策定」49.3%、「検索ニーズや社会的関心を捉えた情報発信」47.3%、「被リンクやサイテーション(指名検索やSNSでの言及)の獲得を目的とした戦略的なメディアリレーションズ」40.7%が上位に挙がったとのことです。
事業戦略に基づいたテーマ設計を起点にしつつ、社会や顧客の関心を捉えた発信によって外部からの評価や言及を獲得し、PRとSEOの両面で成果を高めようとする動きが強まっていることがうかがえます。
また、「調査リリースなど、独自性の高い一次情報を活用したコンテンツ展開」27.3%も一定の支持を集めており、SEOにおけるコンテンツ評価基準を反映した戦略的なPR活動が今後さらに加速していく兆しが見られると同社は分析しています。
総括
本調査から、SEO/LLMOと広報・PRの連携は日本企業において着実に広がり、その重要性も広く認識されていることが明らかになりました。7割超が連携施策に取り組む一方で、知識不足やKPIの違い、さらには立場ごとの相互理解の不足といった課題も浮き彫りになっています。
生成AIが消費者の意思決定プロセスに影響を及ぼすようになった現在、消費者は検索結果だけでなく多様な情報源を参照するようになり、企業は自社サイトの強化にとどまらず、AIが参照・引用する外部サイトでの情報発信を最適化することが求められていると同社は指摘しています。こうした変化に対応するため、SEO/LLMOと外部発信を担う広報・PRを組み合わせた施策は、ビジネス成果を最大化する鍵となるでしょう。
今後さらに連携を進めるためには、広報はSEO視点を、SEOはPRの文脈を理解するなど、互いの専門性を学び合い補完し合う姿勢が不可欠です。さらに、調査リリースなど一次情報を活用した発信やメディアリレーションズを通じて外部からの評価や言及を獲得し、PRとSEO双方の成果へと結びつける実践力も求められていくと同社は述べています。
監修者

株式会社PLAN-Bマーケティングパートナーズ
デジタルソリューション事業部 部長
出田 晴之
2018年PLAN-Bに新卒入社。2023年にSEOコンサルティング事業部部長に就任し、2024年からはデジタルソリューション事業部部長に就任。大手下着メーカー、大手買取会社など、50社以上のSEOコンサルティングやメディア立ち上げを経験。事業戦略などの上位レイヤーからのSEO戦略設計を得意としているとのことです。
デジタルマーケティング情報メディア「PINTO!」でマーケティング戦略やSEOに関する専門家コラムを多数執筆しています。
PLAN-Bマーケティングパートナーズの「戦略PR」サービスについて
同社が提供する「戦略PR」サービスでは、生成AIの普及による検索ユーザーの情報収集プロセスの変化に対応し、企業のマーケティング成果を最大化することを目的に、SEO/LLMOのノウハウを取り入れた戦略的なPR施策を一気通貫で企画・実行しているとのことです。

出典元:株式会社PLAN-Bマーケティングパートナーズ プレスリリース