
サーキュラーエコノミー総研(運営:株式会社メルカリ)が、18歳〜57歳の男女600人を対象に世代別の消費行動と価値観に関する調査を実施したことが発表されました。この調査では、Z世代の3人に1人が想定外のことを"失敗"と捉える「サプライズアレルギー」の傾向が継続していることが明らかになり、消費行動における「見える化志向」が顕著に表れていることがわかったとのことです。
サーキュラーエコノミー総研とは、株式会社メルカリが運営する調査・研究メディアです。メルカリが2023年4月におこなった調査では、Z世代は想定外を失敗と捉える"サプライズアレルギー"世代という結果が明らかになっていました。前回調査から2年が経過し、物価の上昇が続き生活者の負担感が一層高まるなど、経済的な先行きが見通しにくくなる中、前回調査からの傾向や新たな消費行動・価値観を分析するため、世代別で調査が実施されました。
この記事の目次
調査結果サマリー
今回の調査では、Z世代の3人に1人(33.3%)が想定外のことを"失敗"と捉えており、これはバブル世代(14.7%)の2倍以上という結果になったとのことです。2023年調査時のZ世代30.0%、バブル世代21.3%という数字と比較しても、Z世代の「サプライズアレルギー」傾向は継続していることが確認されています。
また、Z世代が想定外の出費に対して感じるストレスの要因としては、「月々の収支の計画や予算が崩れてしまうから」(Z世代57.4%:バブル世代45.7%)や「自分のお金の流れを、自分でコントロールできないと感じるから」(Z世代31.3%:バブル世代20.5%)といった、自身の資金管理に関する懸念が強く見られたとのことです。
こうした「サプライズアレルギー」を背景に、消費行動における「見える化志向」が顕著に表れているようです。「何でもリアルタイムに自分で把握したい」と考えるZ世代は61.3%で、2年前の前回調査から12.6%増加したことが報告されています。
クレジットカードの利用状況についても、Z世代の半数以上(52.2%)が週に最低1回は利用明細を確認しており、さらに12.2%は毎日確認するという結果になったということです。
クレジットカード機能においては、「利用明細がリアルタイムで把握できる」ことが、ポイント還元やキャンペーンの豊富さと同様に重要視されるようになっています。「利用後に明細をリアルタイムに管理できる」クレジットカードを利用したいと回答したZ世代は82.0%に達し、「ポイントの還元率が高い」(82.7%)や「キャンペーンが豊富」(78.0%)などの特典と同等レベルで重視されていることが明らかになりました。
また、利用明細がリアルタイムに把握できないことへのストレスや不安も、2年前よりも強い傾向が見られ、このニーズの高まりが顕著になっているとのことです。
調査結果詳細
Z世代の3人に1人は、想定外のことを"失敗"と捉える
想定外のことが起こるのは"失敗"だと捉えるか・"経験"だと捉えるかを聞いたところ、Z世代は33.3%が"失敗"と捉えるのに対し、バブル世代は14.7%という結果となったことが報告されています。Z世代はバブル世代の2倍以上も想定外なことが起こることを"失敗"として捉える傾向にあるようです。この結果からは、2023年調査時のZ世代30.0%、バブル世代21.3%という数字に引き続き、「サプライズアレルギー」の傾向が継続していることが確認できます。
Z世代が想定外の出費に対して感じるストレスの要因には、"自分のお金の流れをコントロールしたい"気持ちが影響
Z世代の約8割が「想定していなかった急な出費に対してストレスを感じる」と回答しているとのことです。その理由として、「月々の収支の計画や予算が崩れてしまうから」(Z世代57.4%:バブル世代45.7%)、「自分のお金の流れを、自分でコントロールできないと感じるから」(Z世代31.3%:バブル世代20.5%)など、特にZ世代においては支払い計画をしっかり把握して自ら管理していきたいという考えが強く見られたようです。


「サプライズアレルギー」を背景に、消費行動における「見える化志向」が顕著に
Z世代の価値観を調査したところ、「何でもリアルタイムに自分で把握したい」と回答した人は、前回調査時から12.6%増えて61.3%という結果になったことがわかりました。また、「デリバリーは配達状況を見て、いつ到着するか確認する」と回答した人は、前回調査時から12.0%増えて61.3%となり、さまざまな生活シーンで状況をすぐに把握し可視化させたい意向が強まっている傾向が見られたということです。

Z世代の半数以上がクレジットカードの利用明細を週に最低1回は確認。12.2%は利用明細を毎日確認する
クレジットカード保有者に利用明細の確認頻度を聞いたところ、Z世代の方がバブル世代に比べて利用明細を確認する頻度が高く、半数以上(52.2%)が週に最低1回は確認しているという結果になったとのことです。また、そのうち12.2%は毎日確認しており、お金の流れを常に把握しておきたいという傾向が見られるようです。

クレジットカード機能において、「利用明細がリアルタイムで把握できる」ことはポイント還元やキャンペーンの豊富さと同様に重要視されるように
「利用後に明細をリアルタイムに管理できる」クレジットカードを利用したいと回答したZ世代は82.0%で、「ポイントの還元率が高い」(82.7%)や「キャンペーンが豊富」(78.0%)などの特典と同等レベルで重視されていることがわかりました。
また、利用明細がリアルタイムに把握できないことについてのストレスや不安を感じるという回答は、2年前の結果(Z世代51.5%:バブル世代41.0%)に比べて、今回の調査結果(Z世代68.9%:バブル世代51.1%)の方が高い数字となっており、利用明細をリアルタイムで把握することへのニーズが高まっている傾向が見られるとのことです。

まとめ
サーキュラーエコノミー総研の調査では、想定外のことを"失敗"と捉えるZ世代が33.3%(2023年調査時は30.0%)という結果がみられ、「サプライズアレルギー」の傾向が継続されていることが改めて確認されました。またこの心理を背景に、支払いの管理に留まらない、より広範な消費行動全般における新しいZ世代の価値観として、「見える化志向」が台頭していることが明らかになったと報告されています。
「見える化志向」とは、消費行動全般において、その時の状況やお金の流れを常に把握しておき、自分でしっかりコントロールしていきたいという考え方です。実際に、想定していなかった急な出費に対して「ストレスを感じる」理由として、「月々の収支の計画や予算が崩れてしまうから」(57.4%)、「自分のお金の流れを、自分でコントロールできていないと感じるから」(31.3%)などが、特にZ世代において強い傾向として見られたことが報告されています。
他にもZ世代の傾向として、半数以上(52.2%)が最低週に1回はクレジットカードの利用明細を確認していたり、61.3%が「何でもリアルタイムに自分で把握したい」という価値観を持っていたりと、「見える化志向」から発生する行動やマインドが顕著になっているようです。
調査概要
調査時期:2025年7月30日~7月31日
調査方法:インターネット調査
調査対象:全国、18〜57歳、男女600名
※18〜26歳150名(Z世代)/27〜42歳150名/43〜51歳150名/52〜57歳150名(バブル世代)
出典元: サーキュラーエコノミー総研(株式会社メルカリ)プレスリリース