【調査結果】世代別400人調査で判明!物流・配送サービスの利用実態と満足度に世代差くっきり―若年層は利便性、中高年は安心感を重視

ネットショッピングが現代社会に定着し、物流・配送サービスは現代の生活基盤として欠かせない存在となっています。しかし、年齢や生活スタイルによって、これらのサービスの利用方法や求める価値は大きく異なっているようです。

株式会社ecloreが運営する物流倉庫・発送代行業者マッチングサイト『一括.jp』は、20代から70代以上の男女400名を対象に、商品購入チャネルや配送サービスに関する意識調査を実施しました。この調査では、世代ごとの購買行動や物流サービスへの満足度、さらには今後の改善希望点などについて詳細なデータが収集されています。

この記事では、その調査結果から見えてくる世代間の価値観やライフスタイルの違いが、物流・配送サービスへの意識や行動にどのような影響を与えているのかをご紹介します。物流業界やEC事業者にとって、消費者理解を深め、サービス改善に役立つ洞察が含まれています。

※本記事は前編の内容を扱っています。後編については別途公開されています。

調査結果1:過去3か月間で商品の購入に利用したチャネル

過去3か月間にどのようなチャネルで商品を購入したかを調査したところ、30~60代ではオンラインでの購入が優勢である一方、70代以上では実店舗での購入が特に多いなど、世代によって購買行動に明確な違いが見られました。

オンライン通販(Amazon、楽天などECモール)

  • 最も利用率が高かったのは50~60代で80%、次いで30~40代も79%と非常に高い数値を示しており、働き盛りの世代を中心にオンライン通販の利用が一般化しています。
  • 一方、20代では54%と他の世代と比べて相対的に低い結果となりました。これは若年層が利便性だけでなく、多様な購買チャネルを使い分けている可能性を示唆しています。
  • 70代以上でも68%がオンライン通販を利用しており、高齢層にもECの浸透が進んでいることが明らかになりました。

公式オンラインショップ

  • 公式オンラインショップの利用率は50~60代が24%と最も高く、20代と70代以上がともに15%、30~40代は13%という結果でした。
  • 中高年層では、メーカー直販による安心感や公式サイト限定商品へのニーズが高い傾向があります。一方、若年層はECモールでの比較検討のしやすさを重視している可能性があります。

フリマ・オークションアプリ(メルカリなど)

  • 利用率が最も高いのは20代で19%、次いで30~40代と50~60代がともに14%、70代以上は10%という結果でした。
  • 個人間取引への抵抗感が少なく、手頃な価格で商品を入手したいという若年層のニーズがうかがえます。高齢層でも一定の利用があり、幅広い世代に受け入れられているといえます。

テレビ・カタログ通販

  • 意外にも20代の利用率が8%と最も高く、30~40代が6%、70代以上が4%、50~60代は2%という結果になりました。
  • 全体的に利用率は低いものの、若年層の方が従来型の通販メディアを利用している点が興味深い発見です。

宅配食品サービス

  • 宅配食品サービスの利用率は全体的に低く、50~60代と70代以上が9%、20代が8%、30~40代は7%と、世代間での大きな差は見られませんでした。
  • 中高年層は調理や買い物の負担軽減、若年層は時間節約や健康志向といった異なる目的で利用している可能性があります。

実店舗(ショッピングモール・百貨店・スーパーなど)

  • 最も高い利用率を示したのは70代以上で82%、次いで50~60代が74%、30~40代も70%と続き、実店舗での購入が多くの世代で依然として主要な購買チャネルとなっています。
  • 一方、20代は53%と他世代に比べて大きく低く、若年層ほどオンラインでの購買にシフトしている傾向が明確に表れています。

全体として、30~60代を中心にオンライン通販の利用が非常に高い一方、70代以上では実店舗での購買が依然として主流であることが確認できました。また、20代は意外にもEC利用がやや低めで、多様な購買チャネルを活用していることがわかります。世代ごとに重視する価値が異なり、それが購買チャネルの選択にも強く影響していることが示されました。

調査結果2:現在利用している物流・配送サービスの満足度

物流・配送サービスの満足度グラフ

物流・配送サービスに対する満足度調査では、全体として高い評価が得られていますが、どのような点に満足または不満を感じるかは年代によって異なる傾向が見られました。

非常に満足している

  • 「非常に満足している」と回答した割合が最も高かったのは30〜40代(26%)で、次いで70代以上(22%)、50〜60代(18%)、20代(16%)という結果でした。
  • 特に30〜40代では、再配達や時間指定などの利便性の高さが評価され、仕事や家庭で忙しい世代にとって大きな満足につながっていると考えられます。
  • 一方、20代は16%とやや低い結果となっており、サービスへの期待値が高いために満足度が相対的に低くなっている可能性があります。

やや満足している

  • 「やや満足している」という回答は全世代で最も多く選ばれており、特に50〜60代(42%)、70代以上(39%)、30〜40代(37%)で高い割合を示しています。
  • 中高年層を中心に、日常的な使いやすさや安定したサービス提供に対する評価が高いことがうかがえます。20代も28%が「やや満足」と回答していますが、他の世代と比較するとやや控えめな数字となっています。

普通

  • 「普通」と評価した割合が最も高いのは70代以上(35%)で、50〜60代(30%)、30〜40代(24%)、20代(20%)と続き、年齢が上がるほどこの回答が増加する傾向が見られました。
  • 配送サービスが日常生活に定着している世代ほど、特別な満足感や不満を感じにくく、「当たり前のサービス」として受け止めていることが示唆されます。

やや不満を感じている/非常に不満を感じている

  • 「やや不満」と回答した割合は20代(9%)で最も高く、30〜40代(4%)、50〜60代(2%)、70代以上(1%)と年代が上がるほど減少する傾向にありました。
  • 「非常に不満」は20代(2%)と30〜40代(1%)でわずかに見られただけで、50代以上では0%という結果でした。
  • 若年層はサービスへの期待値が高く、再配達や時間指定などの面で細かな不満が生じやすい一方、中高年層は小さな不便を重大視しない傾向があると考えられます。

配送サービスを利用していない

  • 「配送サービスを利用していない」と回答した割合は20代(25%)で最も高く、30〜40代と50〜60代(ともに8%)、70代以上(3%)と続きました。
  • 20代でこの回答が多いのは、ライフスタイルや購買行動の多様化により、あえて配送サービスを利用しない選択をしている人が一定数存在することを示しています。

全体として、「非常に満足」「やや満足」を合わせた満足層が各世代で過半数を占めており、特に中高年層で高い評価が目立ちます。一方、20代では「普通」や「配送サービスを利用しない」と回答した割合が比較的高く、サービス体験の質や選択肢の多様化が満足度の分散につながっていると考えられます。

年代ごとの生活スタイルやサービスに対する期待値の違いが、物流サービスの評価や利用実態に大きく影響していることが、この調査結果から明らかになりました。

監修者:杉本 貴之(Takayuki Sugimoto)

杉本 貴之氏

株式会社ecloreにて年間120社を超えるSEOコンサルティングを担当。SEO分野で培った分析力と多数の企業とのコミュニケーション経験を活かし、消費者の購買行動や市場動向について深い理解を持っています。

一次情報に基づくコンテンツの監修を通じ、信頼性の高い質の優れた情報発信に取り組んでいます。

保有資格:SEO検定1級、Googleアナリティクス認定資格

調査概要

  • 調査日: 2025年7月16日
  • 調査対象地域: 全国
  • 調査機関: Freeasy
  • 調査方法: オンラインアンケート調査
  • 調査対象・人数: 20~99歳の男女400人

出典元: 株式会社eclore プレスリリース

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