東京都港区に本社を構えるTangerine株式会社(代表取締役:平井 清人、以下Tangerine)と日本電気株式会社(NEC)(代表取締役社長 兼 CEO:森田 隆之)が、小売店舗の顧客体験の向上及び業務効率化を目指した協業を発表しました。両社は先進的なセンシング及び映像解析技術を用いて、データの収集、分析並びに施策立案を統合的に行う新しいソリューションを共同開発します。

最近、スマートフォンやSNSの普及により、消費者の購買行動は多様化しています。従来の店舗での購入だけでなく、オンラインでの情報収集や比較検討が一般化しました。このことから、オフラインとオンラインを融合させたシームレスな顧客体験の提供が重要視されています。また、消費者の価値基準も多様化しており、コストパフォーマンスやタイムパフォーマンス、環境への配慮といった様々な観点から商品やサービスの選択が行われるようになっています。こうした変化を受け、小売業界では消費者の多様なニーズに対応するため、オフラインとオンラインに関連するデータを収集し、より高度な分析と利活用が求められています。
このような状況を背景に、TangerineとNECは、データを効果的に活用することで、顧客理解を深める新たなソリューションを共同で開発することを决定しました。本ソリューションを通じて、小売企業は顧客体験の価値を向上させ、収益を拡大する機会を提供し、消費者一人ひとりに対する適切なマーケティングを実施することで、便利で豊かな暮らしの実現に寄与します。具体的には、Tangerineの提供する「Store360」サービスとNECのセンシング及び映像解析技術を組み合わせることにより、より精度の高いデータを収集し、顧客理解の解像度を向上させることが可能になります。その結果、両社はOMO(Online Merges with Offline)領域をカバーする顧客体験向上のための統合ソリューションサービスを共同開発することとなります。
【協業内容】
①オフラインデータの取得から分析までの一貫提供
Tangerineの高い店舗内情報収集能力とNECのAI分析技術を融合させ、店舗での情報収集から分析までを体系的に提供します。このデータにオンライン情報を加えることで、消費者の理解をさらに深め、適切なタイミングで適切なコンテンツを提供することが可能となります。
②マーケティング施策の自動化
将来的には、NECが展開する生成AIを活用したマーケティング施策立案技術「BestMove」と連携し、AIがセグメントを抽出し、消費者や店舗に合わせた最適な施策を自動的に生成できるようになります。これにより、店舗単位または顧客単位でのマーケティング施策を実施し、販促効率の向上を図ります。
③新たなソリューションの開発
Tangerineの強みであるリアル店舗の行動情報収集とNECの映像解析技術を活用し、より深化した情報の融合を進めることで、詳細なリアル店舗情報収集が可能となります。これによって、買い物中の動作に基づいた店頭サイネージによるプロモーションをリアルタイムで行うなど、高いコンバージョン率を実現することが期待されます。
今後、両社はセンシング及び映像分析、AIといった先進デジタル技術を駆使し、店舗に訪れるお客様に新しい購買体験を提供することを目指します。
出典元:Tangerine株式会社および日本電気株式会社のプレスリリース