
Shopifyは2024年第2四半期の決算を発表し、収益や売上総利益において力強い成長を見せました。この結果は、EC業界全体にとっても、重要な指標となる内容です。以下に、決算の主要ポイントと、それが物販ビジネスに与える影響について解説します。
この記事の目次
決算の主要ハイライト
総流通取引額(GMV)

672億ドルで、前年同期比22%の増加。これは、Shopifyを通じた取引が引き続き活発であることを示しており、物販事業者がオンライン販売を強化している証拠といえます。
売上高

20億ドルで前年同期比21%増。Shopifyは最近、物流事業を売却しました。この売却により、物流関連の収益が計上されなくなったため、単純な売上高の増加率は21%に留まっています。しかし、物流事業を除いた同社のコア事業(主にeコマースプラットフォーム)における成長率は実質的に25%と、さらに高い成長を遂げています。このことから、プラットフォームの効率化と収益の質が向上していることが伺えます。
事業者向けソリューション収益
15億ドルで、19%増加。これは、Shopify Paymentsの利用拡大と密接に関係しており、ECにおける決済の重要性を再確認させられる結果です。他にもShopify Capital、Shopify Markets Proの利用拡大が寄与しています。
サブスクリプション収益
5.63億ドルで27%増加。新規事業者の増加とサブスクリプションプランの価格改定が収益拡大の要因です。
月間定期収益(MRR)
1.69億ドルで、前年同期比25%増加。特に、Shopify PlusがMRRの31%を占めるなど、ハイエンドな事業者からの支持が引き続き強いことが伺えます。
売上総利益
10億ドルで25%増。売上総利益率も51.1%に向上し、収益性の改善が見られます。
EC・物販ビジネスへの影響
決済手段の多様化と信頼性の向上

Shopify Paymentsの成長は、プラットフォーム上での取引量の増加を示しています。ECにおいては、迅速で信頼性の高い決済処理が顧客満足度に直結するため、この傾向は事業者にとって見逃せないポイントです。
オンライン販売の増加と新規参入者の増加
サブスクリプション収益の増加やMRRの成長は、新規事業者の増加を反映しています。これは、物販ビジネスのオンラインシフトが加速していることを示しており、競争が激化する中で差別化戦略がより重要になります。
効率化とコスト管理の重要性
売上総利益率の向上は、Shopifyが運営効率を高めつつ、収益を最大化していることを示しています。EC事業者も、物流コストや運営コストを見直し、効率的な運営を目指すことが求められます。
まとめと展望
Shopifyの第2四半期決算は、eコマースプラットフォームの成熟と物販ビジネスにおける重要性を改めて浮き彫りにしました。今後、オンライン販売に注力する事業者にとって、Shopifyの動向は引き続き重要な参考指標となるでしょう。今後の成長戦略として、Shopifyがどのような技術革新や市場展開を図るのか注目が集まります。事業者は、これらの動向を敏感に捉え、自社のビジネス戦略に反映させることで、さらなる成長を目指すことができます。
参照:Shopify Q2 2024 Finacial Results
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