配達員の96%が「宅配ボックス普及してほしい」見えてきた再配達問題の深刻さ
Fun Standard株式会社(本社:福岡県大野城市)が運営するブランドPYKES PEAKは、物流の「2024年問題」を直前とし、配達員さんと消費者の方にアンケートを実施しました。見えてきた「配達員さんのホンネ。」を紹介します
実施したアンケートの回答結果をもとに、「再配達はストレスが溜まる?」「宅配ボックス普及してほしい?」、「どんな宅配ボックスが嬉しい?」「再配達有料化に賛成?」などの配達員さんと消費者の物流の「2024年問題」に対するの認識の現状を紹介いたします。
配達員さんのうち、74.8%が再配達有料化すべきと回答しました。

この現状を踏まえ、PYKES PEAKは「みんなで配達員さんを助けよう」プロジェクトを実施いたします。宅配ボックスの普及を通じて1万時間の労働時間を削減し、配達員さんの過酷な労働環境への対応、物流の「2024年問題」解決を目指します。
- 意外と知らない「再配達で失われるもの」

■えっ!? 再配達で報酬はもらえないの?
一般的な宅配ドライバーの給与体系は、1個配達完了につき報酬が発生します。
しかし残念ながら、多くの場合「不在配達は配達完了とはみなされません」、2回配達しても1回分の報酬しかもらえないため、再配達は実質報酬が発生しないと言えます。
■配達員さん1人当たり年間約128万円※が再配達で失われています

※計算方法:年間稼働日数×1日の平均配達個数×再配達率×再配達にかかるお金
■配達員さん1人当たり年間1カ月以上が再配達で失われています

計算方法:稼働日数×1日の平均配達個数×再配達率×再配達にかかる時間
出典:
※稼動日数(264日):1ヶ月、22日 12カ月の場合
※再配達率(11.1%):国土交通省HP 「令和5年10月の宅配便の再配達率が約11.1%に減少」
https://www.mlit.go.jp/report/press/tokatsu01_hh_000736.html
※再配達にかかるお金(440円):楽天西友ネットスーパーの再配送請求金額と同額
https://sm.faq.rakuten.net/s/detail/000003113
※再配達にかかる時間(0.22時間):環境省 COOL CHOICE 宅配便のクールチョイス
https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/lp2019/index04.html
- 再配達って実際どうなの?見えてきた4つの「配達員のホンネ。」
再配達の辛さは、宅配便を頼む人なら、何度も経験したことがあると思います。しかし配達員さんがどれだけ大変なのか、知っている人は多くないのではないでしょうか?
配達員さんへの聞き取りからわかった、本当の再配達の現状をお伝えします。

■ホンネ1:再配達は実質タダ働き・・・
再配達はサービスです。歩合で稼ぐ配達員さんにとって、配達完了ができないとタダ働きになってしまいます。
自分勝手な都合で再配達を頼んではいけませんが、どうしても受け取れない時間に配達があり、不本意にタダ働きさせてしまっている現状があります。
■ホンネ2:時間指定はなるべくやめてほしい・・・(特に夜間)
「仕事終わりの夜間に時間指定をして、確実に受け取ろう。」配達員さんへの思いやりが、実は配達員さんを苦しめているかも・・・
夜間の時間配達は、多くの人にとっても受け取りやすい時間帯なので、ものすごい量の時間指定が配達員さんの元に舞い込みます。現状、時間指定便を断る仕組みがないためパンクしてしまう可能性があります。

■ホンネ3:不在票を入れる前に、何度も訪問している
配達員さんは、夜間の時間指定を避けるため、日中に不在票を入れないことがあります。なぜでしょうか?それは不在票が入っていると、多くの確率で夜間に時間指定されるためです。不在票が入っている枚数=再配達率ではなく、「見えない再配達」が数多くあります。
■ホンネ4:再配達で毎日1時間20分無駄に
8時間のうち11.1%の1時間20分が再配達に使われているとすると、
「毎日1時間20分の時間が無駄になってしまう」と考えてみると・・・配達員さんが再配達を嫌がる理由がわかります。
- 物流の「2024年問題」で更なる打撃が
■物流の「2024年問題」で報酬減&負担増
ただでさえ、再配達問題で深刻な問題を抱えている配達員さんに更なる打撃を与えるのが
物流の「2024年問題」です。
2024年4月1日から時間外労働時間が960時間へ制限されることで、過酷だった長時間労働問題は解決へ向かいますが、反対に、給与減少と人手不足に陥る可能性が指摘されています。
■人手不足の負のスパイラル
2024年4月1日から労働時間が960時間へ制限されることで、過酷だった長時間労働問題は解決へ向かいますが、反対に、給与減少と人手不足に陥る可能性が指摘されています。
労働時間が制限される→給与が減る→人が辞める→負担が増える→人が辞める・・・
のように労働時間の制限を皮切りに大規模な人手不足が発生する可能があります。
国は、輸送能力が2024年には14.2%さらに2030年には34.1%不足する可能性があると試算しています。
- 物流の「2024年問題」に対する意識調査アンケートを実施
こうした背景を元に、PYKES PEAKは、物流の「2024年問題」を直前とし、配達員さんと消費者の方にアンケートを実施しました。
■約75%の配達員が「再配達を有料化するべき」と思っています。
先述の通り、再配達は実質無報酬で働いていることになるため、有料化の声が多く上がっています。

■約96%の配達員が「宅配ボックスが普及してほしい」
宅配ボックスは配達員さんから圧倒的に要望されていることがわかりました。否定的な意見はほとんど見られませんでした。ほぼ全ての配達員さんが宅配ボックスを欲していることがわかりました。

■お客様不在時ストレスを感じますか?→63.2%
6割以上がお客様不在時にストレスを感じていることがわかりました。さらに4割以上が強くストレスを感じていることから、不在というだけでも、配達員さんへ精神的にダメージを与えていることがわかりました。

■9割以上が日時指定の不在で更にストレスを感じると解答
日時指定された注文が不在時だった場合のストレスは、通常注文と比べて大きいことがわかりました。時間指定であれば、間に合わせるために急いだり、焦ったりすることで、通常配達よりストレスを感じる要因になっていると考えられます。

- 一方、消費者側の認識は?「再配達、申し訳ないと感じているものの、実際に対策した人は18%」
配達員さんが、宅配ボックスを求め、再配達にストレスを抱えている一方、消費者はどう思っているのか?
消費者にもアンケートをとり、再配達に関する認識を調査しました。

■再配達を依頼する際に申し訳なさを感じる→「95%」
消費者が、再配達が申し訳ないと感じる割合は「約95%」と大多数を占めました。消費者としても、わざわざ同じ場所に何度も配達してもらうのは、罪悪感を感じていることがわかりました。

■「何らかのアクションをとったことはありますか?」→17.5%にとどまる。
消費者のうち、申し訳ない、と感じる人が95%近くに及んだこととは対照的に、具体的な行動をとったことがある消費者は17.5%と低い水準でした。罪悪感はありつつも、何をしたらいいのかわからない、コストをかけるまでには踏み切れていない消費者が多いと考えられます。

以上のように、申し訳ないと感じつつも、実際に行動に移せていない、消費者の心情が明らかになりました。
- 調査の詳細
配達員さんへの調査
・調査手法:自社調査
・調査対象:個人向け宅配配達員
・回収サンプル数:163
消費者への調査
・調査手法:自社調査
・調査対象:全国の男女
・調査期間:2023年10月13日~2023年10月31日
・回収サンプル数:53