サイボウズとITRが市民開発調査を実施、内製化志向78%・ChatGPT活用が最多に

サイボウズ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:青野慶久)は、企業のアプリケーション開発に関する実態調査を行い、その結果をもとにしたホワイトペーパー『市民開発のビジネス価値と成果獲得の秘訣 ~推進体制の適性化と「AI×ローコード/ノーコード」の活用~』を発表しました。本調査は、株式会社アイ・ティ・アール(本社:東京都新宿区、代表取締役:三浦元裕)がサイボウズからの委託を受け、中立的な立場から調査・分析を実施したものとなります。

調査サマリ

  1. 内製化を推進している企業は63%に達し、市民開発を実施している企業は38%となっています
  2. アプリケーション開発において内製を志向する企業は78%に上っています
  3. 市民開発で使用されているツールとして「ChatGPT」が最多となっています
  4. 市民開発の対象範囲は「業務システム」「基幹システム」が中心となっています
  5. 市民開発の効果について、すべての項目で半数以上が「効果あり」と評価しています
  6. 市民開発における主な課題として「牽引役となる人材の不足」「IT部門と業務部門の役割分担の曖昧さ」が挙げられています

主な調査結果

1. 内製化を推進している企業は63%、市民開発を実施している企業は38%

日本国内の企業における「内製/内製化」および「市民開発」の取り組み状況を調査した結果、内製化を進めている企業は63%に達する一方、市民開発を実施している企業は38%という結果になっています。この数値は、市民開発が日本企業において"イノベーター層からアーリーアダプター層へと普及が広がり始めている段階"にあることを表しています。また、「市民開発」という言葉の意味を正確に理解していない回答者が約3割存在しました。これは「市民開発」がIT部門目線の専門用語であることから、非IT部門でアプリケーション開発を担当している方々が、自身の活動を「市民開発」として認識していない可能性が高いと考えられます。

2. アプリケーション開発における内製志向は78%に達する

国内企業においてアプリケーション開発を担当またはマネジメントしている方々を対象に、アプリケーション開発の基本的な方針について質問したところ、外製志向(「外部委託優先」および「完全外製」の合計)の企業は21%にとどまっています。一方、内製志向(「完全内製」および「内製優先」の合計)は78%に達しており、企業における内製化への意欲が極めて高いことが明らかになりました。この結果は、企業が外部委託の限界を実感し、社内での開発能力を強化し始めていることを明確に示しています。

アプリケーション開発の基本方針
アプリケーション開発の基本方針

3. 市民開発で使用されているツールとして「ChatGPT」が最多

従業員数100名以上で市民開発を実践している企業に対し、市民開発において利用しているフレームワーク、ツール、サービスの中で、自社にとって重要性が高いもの(最大3つ)を質問した結果、「ChatGPT」が最も多く選ばれました。続いて「Azure AI/Azure OpenAI」「kintone」「Google Gemini」「Power Apps」が上位にランクインしています。従来、市民開発には「kintone」や「Power Apps」といったローコード/ノーコード・ツールが使用されるケースが多かったものの、近年のAI技術の急激な発展を受けて、ChatGPTをはじめとするAI系ツールが市民開発の現場でも積極的に採用されていることが判明しました。

市民開発に利用しているフレームワーク/ツール/サービス
市民開発に利用しているフレームワーク/ツール/サービス

4. 市民開発の対象は「業務システム」「基幹システム」が中心

市民開発が対象としている業務やシステムの重要領域(最大3つ)について質問した結果、市民開発が対象とするのは、現在においても将来においても、「業務システム(受注販売、生産管理、在庫管理、品質管理などの業務部門が使用するシステム)」および「基幹システム(経理、人事、給与などの本社管理部門が使用するシステム)」が最も多いという結果になりました。市民開発の対象が周辺的な業務にとどまらず、企業の「コア業務領域」にまで拡大している点は非常に重要な発見となります。

市民開発が対象としている業務/システムの重要領域
市民開発が対象としている業務/システムの重要領域

5. 市民開発の効果について、すべての項目で半数以上が「効果あり」と回答

市民開発のメリットとされる各項目を提示し、実際の成果について質問した結果、すべての項目において「効果がある」と回答した企業が約半数に上りました。この結果は、特に日本企業においては非常に大きな意義を持ちます。なぜなら、日本企業のIT投資は一般的に保守的な傾向があり、ROI(投資対効果)が明確でない取り組みは定着しにくい環境であるにもかかわらず、市民開発がわずか数年という短期間でここまで成果が可視化されていることは特筆すべき点だからです。特に、日本企業では「業務における細かな例外処理に対応するための小規模アプリケーション」が膨大に存在するという特性があるため、市民開発による改善効果は諸外国以上に大きくなる可能性があります。

市民開発の成果
市民開発の成果

6. 市民開発の課題として「牽引役となる人材の不足」「IT部門と業務部門の役割分担の曖昧さ」が上位に

市民開発における課題について質問した結果、現在の課題として「牽引役を担う人材の不足」を挙げる企業が最も多く、次いで「IT専門部門と業務部門の役割分担、責任範囲、承認プロセスの不明確さ」が課題として挙げられています。

市民開発の課題
市民開発の課題

調査概要

調査期間:2025年10月16日~10月24日

調査方法:ITR独自パネルを活用したWebアンケート

調査タイトル:国内企業におけるアプリケーション開発に関する調査

回答者数:404件(スクリーニング調査は10,442件)

調査対象者:従業員数100名以上の企業(ITベンダーを除く)かつ、市民開発によるアプリケーション開発を実施している企業

本調査における用語の定義

  • 「アプリケーション」はユーザーが利用するプログラムを指します。
  • アプリケーションを構築する手法は、「自社開発」と「ソフトウェア利用」に区分されます。
  • 自社開発には、「内製」と「外部委託」(SIerに開発委託すること)の2つの手法があります。
  • 内製には、IT専門部門が担当する内製と、IT専門部門ではない組織が開発を担当する「市民開発」の2種類が存在します。

出典元: サイボウズ株式会社 プレスリリース

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