バリューコマース、購買データ活用の成果報酬型広告「リワードDSP」を開発 - コマースメディアの広告収益とGMV成長の両立を支援

バリューコマース株式会社は、購買データや会員基盤を活用した新しい成果報酬型広告ソリューション「リワードDSP」の提供を開始したことを発表しました。同社は東京都千代田区に本社を置き、代表取締役社長 最高経営責任者を香川仁氏が務めています。

この新ソリューションは、コマースメディアが直面する「広告収益とGMV(流通総額)成長の両立」という課題と、広告主側の「CPA上昇・高意欲ユーザーへのアプローチ困難」という課題の両方に対応することを目指しています。購買接点の拡張とLTV(顧客生涯価値)最大化をサポートする本サービスは、2026年1月より順次テストマーケティングが開始される予定です。

背景

インターネット広告市場は拡大を続けていますが、現在では次のような構造的な課題が顕在化しています。

(1)ターゲティング広告のCPA上昇による獲得効率の低下
(2)既存CRMの限界による高LTV顧客の獲得停滞、自社接点外の高意欲層への導線不足

一方で、小売・EC事業者の間では、自社メディアを広告媒体として活用する「コマースメディア化」が進展しています。こうした事業者はEC本業を損なうことなく広告収益を確保すること、さらにはアプリや会員基盤を通じた顧客接点を強化することが求められています。

バリューコマース株式会社はこのような状況において、「リワード広告はコマースメディアとの親和性が高い」との考えから、広告主とメディア双方の課題を同時に解決する成果報酬型広告プラットフォーム「リワードDSP」を開発しました。このソリューションは、実際の運用を通じた検証を重視し、段階的な展開を前提とした設計となっています。2026年1月からは、同社のサービスを対象としたテストマーケティングを実施し、提供価値の検証を進めていく計画です。

リワードDSPの概要

リワードDSPは、バーチャルポイントモール「ポイクリ」上に広告を掲載し、複数の会員組織やリテールサイトから集約されたユーザーをアグリゲートして最適配信を行う成果報酬型DSP(デマンドサイドプラットフォーム)です。この技術は特許取得済み(日本特許第6824077号「複合広告記事生成・配信技術」)となっています。

本システムでは、購買データや検索行動などの1st Partyデータを活用することで、従来はリーチすることが難しかった目的意識の高いユーザー層にアプローチすることが可能になります。また、ユーザーの行動に応じたポイント還元(リワード)を組み合わせることで購買直前の意思決定を後押しし、ROAS(広告費用対効果)・CPA(顧客獲得単価)ベースで投資対効果を把握できるという特長があります。

メディア(コマースメディア)にとっての提供価値

1. 広告収益とGMV成長の両立

リワード広告はポイント還元を通じてユーザーを自社ECの再訪・再購買へ促す導線を持つため、外部送客による機会損失を抑えながら広告収益を確保することが可能です。広告収益をそのままポイント原資に充当することで、追加コストをかけることなくCRM施策を展開できる点も大きなメリットとなります。

2. 顧客接点の拡張とFSP機能の強化

購買以外のシーンでもポイント獲得を可能にすることで、アプリの起動頻度を高めることができ、より常時的な顧客接点が生まれます。これにより、FSP(Frequent Shoppers Program)としての機能も強化されます。

広告主にとっての提供価値

1. アグリゲーションによるスケールリーチ

単体では規模が限定される会員組織・リテールサイトを横断的に束ねることで、高意欲ユーザーへのスケールリーチを実現します。1st Partyデータを活用した文脈ターゲティングにより、特定のカテゴリに関心が高いユーザー層や購買直前のユーザー層への接点が創出されます。

2. クローズドネットワークによる高品質配信

他社会員を含むクローズドな会員ネットワーク内で広告が配信されるため、単にポイント目的のユーザーだけでなく、実際の生活者層・ロイヤルユーザー層にもアプローチすることができます。これにより、短期的なCPA改善だけにとどまらず、長期的なLTVの向上にもつながることが期待できます。

今後の展望

バリューコマース株式会社は、アフィリエイト広告事業で培ってきたネットワークと運用知見を基盤として、リワード広告領域でのプラットフォーム機能を今後さらに強化していく方針です。コマースメディアの価値最大化と、広告主にとっての新たな投資先の創出を両立させることで、「リワードを軸とした持続的なECエコシステム」の確立を目指しています。

バリューコマース株式会社について

バリューコマース株式会社は、コマース事業および旅行事業領域において、テクノロジーとデータを活用した集客・販売促進支援、ならびにデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援しています。広告主やパートナー企業のビジネス成長を支援する多様なマーケティングソリューションを提供しているほか、宿泊・旅行事業者向けのブッキングエンジンを通じて、予約管理や直販強化など、旅行業界のDX推進にも貢献しています。

同社は、先進的なテクノロジーと豊富なデータを基盤に、企業・消費者・社会が価値を共創する持続可能な未来の実現に取り組んでいます。

出典元: バリューコマース株式会社 プレスリリース

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