LINEヤフー株式会社がNFC（近距離無線通信）技術を活用した新機能「LINEタッチ」の提供を2023年11月17日より開始したことが発表されました。この新機能により、スマートフォンを専用NFCタグにかざすだけでLINE公式アカウントやLINEミニアプリなどを瞬時に起動させ、様々なサービスをシームレスに利用できるようになります。
「LINEタッチ」を導入することで、ユーザーはQRコードを読み取る手間なく、友だち追加やクーポン取得、会員証表示、モバイルオーダーなどのLINEサービスをスムーズに利用できます。また従来のQRコード型ソリューションと比較して、不正利用防止機能も備えており、より安全で快適なタッチ体験を提供します。
「LINEタッチ」でできること
近年、日常生活においてキャッシュレス決済やデジタル名刺、施設への入退館などさまざまな場面で「タッチ」による体験が急速に普及しています。LINEヤフー株式会社はこの流れを受け、すでに多くの領域で活用されているNFC技術を新たにLINEサービスにも導入することにより、ユーザーと店舗・イベント事業者の双方にとって便利で安全な新たな接点を創出しました。
「LINEタッチ」の導入により、ユーザーはスマートフォン内のアプリを探したり、QRコードを読み取ったりする手間をかけることなく、クーポンの取得や会員証の提示、モバイルオーダーなどのサービスをよりスムーズに利用することが可能になります。これによって、店舗での待ち時間短縮やスムーズな顧客体験の提供につながります。
一方、店舗やイベントの運営事業者にとっても、「LINEタッチ」は簡単に導入できるメリットがあります。専用のNFCタグを設置場所に貼る、または置くだけで利用を開始できるため、導入ハードルが低く、すぐにサービスを始めることができます。初期設定や誘導先の変更は「LINE公式アカウント」の管理画面から簡単に行えるため、運用における負担を軽減しながら、来店促進や顧客体験の向上を図れるというメリットがあります。
さらに「LINEタッチ」では、タッチされた回数や利用者数などのデータを可視化することができます。これにより店舗やイベント事業者は、来店促進策やキャンペーン参加の効果を定量的に把握し、オフライン施策の最適化をより効果的に行うことができるようになります。データに基づいたマーケティング活動の展開が可能となるため、より効率的な顧客獲得や関係構築に役立てることができます。
また「LINEタッチ」は、QRコードやURLの拡散による不正利用を防ぐ機能も備えています。これにより、クーポンや会員証の不正使用などのリスクを低減し、より安全なサービス提供を実現しています。ユーザーと事業者双方にとって、セキュリティ面での安心感を高める要素となっています。
LINEタッチの概要
「LINEタッチ」の導入費用については、継続的な費用は不要となっており、初期費用のみでサービスを利用できます。NFC対応のスタンドタイプは2,000円、ステッカータイプは300円と、事業規模や用途に応じて選べる2種類の形状が用意されています。
主な利用シーン例としては、以下のようなケースが想定されています。
- レジ横や会計時：スマートフォンをタッチするだけでクーポンやショップカードを簡単に表示
- 店内や施術中：LINE公式アカウントへの友だち追加を簡単に誘導
- 卓上や食事中：タッチするだけでモバイルオーダー（LINEミニアプリ）を起動
- イベント会場：スマホをタッチしてスタンプラリーやキャンペーンに簡単参加
- 順番待ちや入場時：受付や抽選エントリーの画面（LINEミニアプリ）を素早く起動
これらの利用シーンに合わせて、事業者は自社のビジネスに最適な形で「LINEタッチ」を活用できます。例えば、飲食店であればテーブルにNFCタグを設置してモバイルオーダーを促進したり、美容室やサロンなどでは施術中に友だち追加を誘導して次回の予約につなげたりといった使い方が可能です。
「LINEタッチ」は、デジタルとリアルの接点をよりシームレスにつなげる新しいソリューションとして、様々なビジネスシーンでの活用が期待されています。特に実店舗を持つ事業者にとっては、顧客との新たなコミュニケーション手段として、また来店促進や顧客体験向上のツールとして有効活用できるでしょう。
NFC技術活用によるユーザー体験の向上
NFCタグを活用したサービスは、近年急速に普及しています。スマートフォンの普及と技術の発展により、日常生活のさまざまな場面でNFC技術が活用されるようになりました。「LINEタッチ」はこのトレンドを捉え、LINE公式アカウントやLINEミニアプリとNFC技術を組み合わせることで、新たなユーザー体験を創出しています。
従来のQRコードを用いた方式では、スマートフォンのカメラアプリを起動し、QRコードにフォーカスを合わせて読み取るという手順が必要でした。しかし「LINEタッチ」では、スマートフォンをNFCタグにかざすだけで瞬時に目的のサービスにアクセスできるため、ユーザーにとって大幅な操作の簡略化が実現します。
この「かざすだけ」という直感的な操作は、特に忙しい店舗での会計時や、混雑したイベント会場での受付時など、スムーズな進行が求められるシーンで特に効果を発揮します。また、高齢者など複雑な操作に不慣れなユーザーにとっても、アクセスのハードルを下げる効果が期待できます。
さらに「LINEタッチ」は、NFCの特性を活かして近距離での通信のみを可能とすることで、セキュリティ面での強化も図っています。QRコードが画像として拡散されるリスクと比較して、物理的な接触が必要なNFCタグは、不正利用のリスクを低減させる効果があります。
事業者にとってのメリット
「LINEタッチ」は、店舗やイベントなどを運営する事業者にとって、さまざまなメリットをもたらします。まず導入の手軽さが挙げられます。専用のNFCタグを設置するだけで利用を開始できるため、特別な技術知識や複雑な設定は不要です。
また、「LINE公式アカウント」の管理画面から初期設定や誘導先の変更を簡単に行えるため、キャンペーンの切り替えやサービス内容の更新などに柔軟に対応することができます。これにより、運用の手間を最小限に抑えながら、効果的なマーケティング活動を展開できます。
さらに、「LINEタッチ」を通じて収集されるデータは、オフライン施策の効果測定や改善に役立てることができます。タッチされた回数や利用者数などが可視化されるため、どの店舗やどのタイミングで多くの顧客がサービスを利用しているかを把握し、より効果的なプロモーション戦略を立案することが可能になります。
加えて、「LINEタッチ」は既存のLINE公式アカウントやLINEミニアプリと連携して利用できるため、すでにこれらのサービスを活用している事業者にとっては、さらなる顧客接点の強化につながります。例えば、店舗来店時にLINE公式アカウントへの友だち追加を促進したり、リピート来店を促すクーポンを提供したりといった施策を、より効果的に実施することができるようになります。
LINEヤフー株式会社は「LINEタッチ」の提供を通じて、スマートフォンを"かざすだけ"でLINE上のサービスを利用できる新しい体験を実現し、より便利で安全な顧客接点を提供していくとしています。今後も技術の発展とともに、ユーザーと事業者双方にとって価値あるサービスの拡充が期待されています。
出典元： LINEヤフー株式会社 プレスリリース
