
株式会社Every WiLL(本社:東京都新宿区、代表取締役:須藤俊明)が提供する「荷物届けない運送サービス『トリイク』」について、経済産業省が所管する「グレーゾーン解消制度」を活用し、国土交通省より法令の適用関係についての回答を受領したことが発表されました。この回答は令和7年10月27日付で、遊休不動産や未利用デッドスペースを活用した「無人の宅配荷物の受取りスポット」の展開・運営に関するものとなっています。
グレーゾーン解消制度を通じて事業内容に関する法令適用範囲が確認されたことにより、トリイクサービスは社会への広範な普及に向けて新たな一歩を踏み出すこととなりました。

新事業活動「トリイク」の概要
近年のEC市場拡大に伴い、宅配の再配達が増加している現状があります。これはドライバー不足や環境負荷の増大といった社会課題を引き起こしています。そのような背景のもと、トリイクサービスは「自分の荷物を取りに行く」という新しい宅配荷物受取りの仕組みを提案しています。
このサービスの特徴は、宅配ドライバーが複数の荷物を「無人拠点(トリイクスポット)」にまとめて配置することができる点にあります。そして利用者は、電子ポイントなどの経済的報酬を受け取りながら、自身の都合の良い時間に荷物を受け取ることが可能です。
トリイクサービスによって、荷物の届け先および再配達の削減によるドライバーの負担軽減、荷受人の宅配荷物受取りにおける利便性向上、遊休不動産の有効活用、そして脱炭素社会への貢献という複数の社会的課題を同時に解決することを目指しています。
現在、株式会社Every WiLLは国土交通省と連携し、大阪(梅田)と福岡(小倉)の2拠点において実証運営を実施しています。この実証では、利用体験やオペレーションの最適化について検証が進められています。
今後の展開
株式会社Every WiLLは、2025年内に国土交通省と共同で大阪(梅田)・福岡(小倉)での実証事業を完遂する予定です。この実証結果をもとに、今後は首都圏をはじめとする全国への拠点展開を計画しています。
また、同社は商業施設や小売店、不動産管理事業者、自治体などとの連携を強化することで、遊休不動産や未利用デッドスペースを活用した「街の荷物の受け取り拠点」づくりを進めていく方針です。
さらに、利用者がよりスムーズに荷物を受け取れるよう、アプリ開発なども予定されています。ユーザーの利便性を向上させながら、物流の効率化と再配達削減に貢献し、持続可能な新しい受け取りインフラの構築を目指すとのことです。
トリイクサービスは、現代の物流における課題を解決する新たなアプローチとして注目されています。荷物を配達するのではなく、利用者が自ら受け取りに行くという発想の転換により、宅配業界の労働環境改善や環境負荷軽減につながる可能性を秘めています。
また、遊休不動産の有効活用という側面も、都市空間の効率的利用という点で社会的意義が大きいと言えるでしょう。利用者にとっては、自分の都合に合わせて荷物を受け取れる利便性に加え、経済的なインセンティブも得られるというメリットがあります。
今回のグレーゾーン解消制度を活用した法令適用関係の確認により、トリイクサービスの事業展開における法的な不確実性が解消され、より安定した事業運営が可能になると考えられます。これにより、サービスの拡大やパートナーシップの構築がさらに加速することが期待されます。
物流業界は現在、人手不足や環境問題、デジタル化の遅れなど様々な課題に直面しています。トリイクのような革新的なサービスが普及することで、業界全体の構造改革につながる可能性もあるでしょう。特に再配達問題は、配達員の負担増加だけでなく、CO2排出量の増加にも直結する課題であり、その解決は社会的にも重要な意味を持ちます。
また、デジタル技術を活用した新しい物流の仕組みは、今後のスマートシティ構想とも親和性が高く、都市インフラの一部として統合されていく可能性も考えられます。トリイクスポットが街の中に増えていけば、人々の生活様式や消費行動にも変化をもたらす可能性があります。
このような新しいサービスモデルが成功するためには、消費者の理解と協力も不可欠です。「配達してもらう」という従来の常識を変え、「取りに行く」という新しい行動様式を受け入れることが求められます。そのためには、経済的インセンティブだけでなく、社会貢献や環境保全といった価値観に訴えかけるコミュニケーションも重要になるでしょう。
今後、株式会社Every WiLLがどのようにトリイクサービスを全国展開し、社会に浸透させていくのか、その動向に注目が集まります。物流の効率化と環境負荷軽減を両立する新たなインフラとして、トリイクが果たす役割に期待が高まっています。
株式会社Every WiLL 会社概要
社名:株式会社Every WiLL
所在地:〒169-0051 東京都新宿区西早稲田1-22-3
代表者:代表取締役 須藤俊明 (早稲田大学 大学院 経営管理研究科 MBA 卒業)
設立:2024年10月
事業内容:荷物を届けない運送サービス「トリイク」の開発・運営 等
参考情報:グレーゾーン解消制度について
「グレーゾーン解消制度」とは、産業競争力強化法に基づいて設けられた制度です。この制度は、事業者が新たな事業を開始する際に、現行の規制の適用範囲が不明確な場合でも、具体的な事業計画に即して、あらかじめ規制の適用の有無を確認できるようにするものです。これにより、事業者は安心して新事業活動を行うことが可能となります。
今回の株式会社Every WiLLの事例では、以下のようなスケジュールで確認と回答が行われました。
確認の求めを行った年月日:令和7年10月3日
回答を行った年月日:令和7年10月27日
所管官庁:国土交通省(回答)
グレーゾーン解消制度は、新たなビジネスモデルや技術を活用したサービスが既存の規制の枠組みに必ずしも明確に当てはまらない場合に、事業者の予見可能性を高め、イノベーションを促進する重要な役割を果たしています。トリイクのような革新的なサービスが社会に普及していくうえで、このような制度の存在は非常に重要と言えるでしょう。
出典元:株式会社Every WiLL プレスリリース













