AdjustがGoogleと協力し「Web-to-app 最適化ハンドブック」日本語版を発表、アプリコンバージョン率向上の実践戦略を提供

モバイルアプリの計測・分析ツールを提供するAdjust(本社:独・ベルリン、CEO:アンドレイ・カザコフ、日本ゼネラルマネージャー:佐々直紀)は、Googleとの協力のもと、「Web-to-app 最適化ハンドブック」の日本語版を公開したことが発表されました。このガイドは、モバイルウェブからアプリへのスムーズな移行を実現し、コンバージョン率、継続率、顧客生涯価値(LTV)を高めるための実用的な戦略や技術、実装方法を網羅した総合的なガイドとなっています。

Web-to-appが注目される背景

現代の消費者購買行動は、複数のチャネルやデバイスにまたがるようになり、ブランドとの接点も多様化しています。データによると、モバイルアプリはモバイルウェブと比較して4.2倍多くの商品閲覧と3倍のコンバージョン率を達成しており、特に小売分野ではアプリ利用者のコンバージョン率が最大94%高いという結果が出ています。

Adjustが実施した調査によれば、2025年第2四半期におけるweb-to-appアトリビューションのシェアは、ショッピング(52%)、旅行(16.7%)、ソーシャル(14%)が主要カテゴリとなっており、プラットフォーム別ではiOSが58%、Androidが42%を占めています。このデータは、業界全体でweb-to-app戦略がROI改善の有効な手段として広く採用されつつあることを示しています。

ハンドブックの詳細内容

今回発表されたハンドブックは、広告主やマーケターが直面する以下の課題に対する解決策を提供しています。

  • 計測の制限:識別子の減少やプライバシー規制の強化によるトラッキングの困難化
  • チーム間のサイロ化:ウェブチームとアプリチームの分断がもたらすカスタマーエクスペリエンスの断片化
  • ジャーニーフリクション:ウェブとアプリ間のタッチポイントの断絶による離脱率の上昇
  • リソースの制約:限られた予算と人員の中で高い成果を求められる環境

これらの課題に対して、Google 広告とAdjustが提供するソリューションを組み合わせることで、広告主は摩擦のないクロスプラットフォーム体験を設計し、LTVの向上やROIの最大化を図ることができるとされています。

主要ソリューションと実装手法

1. Web to App Install(Adjust提供)

  • スマートスクリプト:クリックデータを維持し、アトリビューション欠損を防止する計測ソリューションです。
スマートスクリプトの図
  • スマートバナー:モバイルウェブの訪問者に対して、アプリの起動またはインストールを促す動的なバナーを表示します。
スマートバナーの図
  • TrueLink:高度なディープリンク技術を用いて、ユーザーを最適なアプリ内ページへ直接誘導します。

2. Web to App Connect(Google提供)

リエンゲージメントに特化:既存ユーザーをウェブ広告から再びアプリへ呼び戻すプロセスを簡素化しています。

効果:アプリに遷移したクリックのコンバージョン率は、モバイルウェブサイトに遷移した場合と比較して平均で2.8倍向上しています(2025年Google社内データに基づく)。

対応チャネル:検索、ディスプレイ、ショッピング、P-MAX、YouTubeなど主要な広告プラットフォームで利用可能です。

3. シームレスな計測と最適化

UTMマッピングを活用することで、ウェブクリックとアプリ内行動を効果的に紐付けることができます。

Adjust DatascapeとGoogle 広告を連携させることで、包括的なレポーティングや入札の最適化を実現することが可能です。

スマート自動入札システムにアプリコンバージョンを組み込むことで、最も効果的なユーザーに広告予算を集中的に投下できると説明されています。

導入企業の成功事例

  • OTTO(ドイツ・小売)
    Web-to-app施策の導入により、Googleキャンペーン経由でのインクリメンタルROASが16倍に増加しました。
  • G-Star Raw(オランダ・小売)
    P-MAXとweb-to-app連携の結果、成果が405%増加し、アプリ経由のトラフィックも2.6%増加しました。
  • Ubie(日本・ヘルスケア)
    テレビCMと連動してAdjustのTrueLinkを活用。ウェブ訪問者をシームレスにアプリへ移行させることで、ユーザー数を大幅に増加させることに成功しました。

今後の展望

現代のモバイルユーザーは「ウェブかアプリか」を意識して行動しているわけではないとされています。彼らが求めているのは、あらゆる接点で一貫性のあるエクスペリエンスです。Google 広告とAdjustは、広告主が摩擦のないweb-to-appジャーニーを設計できるよう支援し、コンバージョン率の向上、ROIの最大化、そして長期的な顧客価値の創出をサポートしています。

Adjust 日本ゼネラルマネージャーのコメント

Adjustの日本ゼネラルマネージャーである佐々直紀氏は次のようにコメントしています:「日本市場においても、消費者はウェブとアプリを行き来しながらブランドと接点を持つようになっており、シームレスなクロスプラットフォーム体験の重要性がますます高まっています。本ハンドブックは、広告主がこうした変化に適応し、より高いROIとLTVを実現するための具体的な戦略と実装方法をまとめたものです。Google 広告との協業を通じて、国内のマーケターがウェブとアプリを統合的に活用し、持続的な成長を達成することを強く期待しています。」

Web-to-app最適化ハンドブックでは、企業はウェブとアプリの間の障壁を取り除き、より効果的なユーザージャーニーを構築することが可能となります。消費者行動の変化に対応し、デジタルマーケティング戦略を進化させたいと考えている企業にとって、貴重な情報源となるでしょう。

多様化するデジタル環境において、ウェブとアプリを統合的に活用する戦略は今後ますます重要になっていくと予想されます。このハンドブックは、そうした時代の変化に対応するための実用的なガイドラインを提供しています。マーケターやデジタル戦略の担当者は、この機会に自社のweb-to-app戦略を見直し、ユーザー体験の向上とビジネス成果の最大化を図ることをおすすめします。

モバイルファーストの時代において、アプリはブランドと顧客をつなぐ重要な接点となっています。効果的なweb-to-app戦略を構築することで、企業は顧客との関係を強化し、長期的な成長を実現することができるでしょう。ウェブからアプリへの移行を最適化することは、単なるテクニカルな課題ではなく、ビジネス成長の鍵を握る戦略的な取り組みであると言えます。

出典元:adjust株式会社 プレスリリース

コマースピックLINE公式アカウント

コマースピックメルマガ