
Supership株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長CEO:稲葉 真吾)は2025年7月15日、店舗型リテールメディアソリューション「Supership Touch Gift(タッチギフト)」の新ラインナップとして、「タッチギフト for LINE」の提供を開始しました。
このソリューションは、店舗内のNFCタグにスマートフォンをかざすだけのシンプルな操作で、Supership提供の専用LINEミニアプリが即時に起動し、その場でCRMに繋がるデジタル特典やイベントキャンペーン(スタンプ付与やクーポンガチャなど)を提供する新しい顧客体験を実現するものです。

通常のイベント実施ツールと大きく異なる点として、「タッチギフト for LINE」はLINE上で発行される永続的なユーザー識別IDに基づくデータ活用が可能なことが最大の特長です。これにより、LINEを顧客接点として活用する企業が、自社でLINEミニアプリを開発する負担なく、顧客一人ひとりの長期的な行動データを継続的に捉え、LTV(顧客生涯価値)向上に貢献する本格的なCRM施策をLINEのプラットフォーム上で手軽に開始・強化できるようになります。
このソリューションは、特に「LINE公式アカウントのCRM活用を深化させたい」「自社アプリを持たずにOMO(Online Merges with Offline)を推進し、顧客データを蓄積したい」「既存LINEミニアプリと店舗でのタッチ体験を連携させ、エンゲージメントを高めたい」といったニーズを持つ、小売業(スーパーマーケット、アパレル等)、飲食業、各種サービス業、施設運営事業者にとって効果的なソリューションとなっています。
この記事の目次
背景:店舗DXにおける課題 - 体験の質と、"継続的な"データ活用
店舗DXが進む中、単なるデジタル接点の導入に留まらず、質の高い顧客体験と、そこから得られるデータの戦略的かつ"継続的な"活用が成功の鍵となっています。しかし、従来のQRコード等を活用した手法では、以下のような本質的な課題が顕在化していました。
- 利用者側: カメラ起動・読み取りの手間やエラーは、顧客体験を損なうストレス要因となり得ます。
- 事業者側: スクリーンショット等による不正利用リスクは依然として高く、QRコードの掲示・管理は店舗オペレーションの負荷となります。
- データ活用: 取得できるデータが単発・断片的になりがちで、顧客一人ひとりの長期的な行動変容や関係性の深化を捉え、分析・活用することが困難でした。
- 既存LINEミニアプリ利用者: 店舗での物理的なタッチポイントとデジタル体験の連携が最適化されておらず、エンゲージメント向上やデータ連携のポテンシャルを活かしきれていませんでした。
Supershipはこれまで、NFCタッチを起点とする店舗向けソリューションとして、企業のチャネル環境や施策フェーズに応じたラインナップを提供してきました。
例えば、既に自社アプリを保有し会員基盤との連携を通じて高度なCRM施策を実現したい企業には「タッチギフト for App」が、PoCや短期キャンペーンなどスピードと導入のしやすさを重視するケースには「タッチギフト for Web」が最適とされています。
こうした中、LINE公式アカウントは活用しつつも自社アプリは持たない企業から、「LINEを起点に、開発負担なく継続的なデータ取得とCRMを実装したい」という新たなニーズが高まっていました。
「タッチギフト for LINE」は、これらのニーズに応える"次の一手"として開発されたソリューションです。
「タッチギフト for LINE」の特長:体験と"継続的な"データの統合
「タッチギフト for LINE」は、NFCタッチで起動するSupership提供の専用LINEミニアプリを通じて、質の高い顧客体験を提供し、その行動データを永続ID基盤により継続的に蓄積・活用することに主眼を置いたソリューションです。
1.【体験】 NFCワンタッチで実現する、ストレスフリーな顧客体験

・スマホをNFCタグにかざすだけの直感的ワンアクションで、専用のLINEミニアプリが即座に起動。カメラ起動やQRコード読み取りの手間・ストレスから解放されます。
・来店スタンプ獲得やクーポン抽選などのデジタル特典やイベント体験をその場でスムーズに提供し、顧客満足度を向上させます。
2.【導入】 LINEミニアプリ開発不要で、高度なCRM施策を迅速に開始

・企業は自社でLINEミニアプリを開発・運用する必要がなく、店舗起点の高度なLINE連携CRM施策を迅速に開始できます。
・QRコード運用に伴う店舗スタッフの負担や、不正利用リスクを大幅に低減します。
3.【データ】永続的なID基盤による、"継続的な"顧客理解とLTV向上

・本ソリューションの最大の強みは、LINE上で発行される永続的なユーザー識別IDです。これにより、単発のキャンペーンデータに留まらず、顧客一人ひとりの長期的な行動(来店頻度、スタンプ蓄積状況、キャンペーン参加履歴、クーポン利用など)を、専用管理画面から正確かつ継続的に把握・分析できます。
・この信頼性の高い継続的なデータは、施策の効果測定だけでなく、顧客理解を深め、真のLTV向上に繋がる関係構築に不可欠なインサイトを提供します。
4.【連携・拡張性】 LINEプラットフォーム連携とデータ活用基盤

・蓄積したデータを活用し、LINE公式アカウントの連携によるメッセージ配信の最適化など、LINEプラットフォーム内でのマーケティング高度化を支援します。
・また、外部CRM/CDPとの連携により、さらに高度なオムニチャネルでのデータ活用基盤構築などを支援します(一部オプション)。
「タッチギフト for LINE」で実現できる主な体験シナリオ:CRMへの繋がり
導入企業のマーケティング戦略に応じ、管理画面を通じて主に以下の2つの体験シナリオを柔軟に設定・提供可能です。これらは単なるインセンティブ提供に留まらず、顧客との継続的な関係構築に繋がります。
1. スタンプ蓄積型:ロイヤルティプログラムの中核に

- 利用イメージ:
- 店舗各所のポスターやレジ横設置POP等のNFCタグにスマホをタッチ
- LINEミニアプリが起動し、来店スタンプが自動で貯まる
- スタンプが規定数貯まると、特典クーポンがLINEミニアプリ内で発行される
- 発行されたクーポンを店舗で利用
- 期待効果:
- 再来店頻度・顧客ロイヤルティ・LTVの向上
2. 即時インセンティブ型:来店時のエンゲージメント最大化に

- 利用イメージ:
- 店舗各所のポスターやレジ横設置POP等のNFCタグにスマホをタッチ
- LINEミニアプリが起動し、その場で抽選(デジタルガラポン等)が実行される
- 当選すると、クーポンなどの特典がLINEミニアプリ内で即時発行される
- 発行された特典を店舗で利用
- 期待効果:
- 来店時の購買促進、キャンペーンによる話題化・参加体験向上、ブランドエンゲージメント向上。永続的な識別子を基盤とすることで参加回数管理も可能。
本ソリューションが特に貢献できる企業・活用シーン
「タッチギフト for LINE」は、店舗を持つ企業がLINEを活用して顧客との関係性を強化する上で、様々なフェーズの課題解決に貢献します。永続IDによる継続的なデータ活用が、各フェーズでの価値創出を後押しします。
1. これからLINE活用を本格化、または店舗起点のデジタル施策を探している企業
- 店舗接点のデジタル化とスムーズな体験提供の実現方法を検討中。
- LINE基盤で低コスト・低リスクに施策を開始し、継続的なデータ活用の第一歩を踏み出したい。
- QRコード運用の手間・リスクを回避し、質の高い顧客体験を提供したい。
2. LINE公式アカウントを活用し、さらに店舗連携やCRMを強化したい企業
- メッセージ配信に加え、店舗体験と連携した来店促進・ロイヤルティ向上を実現したい。
- 紙などの施策をLINEに統合し、管理効率化とシームレスな体験を提供したい。
- 永続IDに基づき店舗行動データを把握し、パーソナライズされた関係構築に繋げたい。
- QRコード運用に関わる顧客・スタッフ双方の負担を解消したい。
3. 既にLINEミニアプリを導入済みで、店舗での物理的な接点・体験を強化したい企業
- 既存LINEミニアプリに加え、店舗での瞬間的なエンゲージメント施策を追加したい。
- NFCタッチによる直感的・スムーズな操作性で利便性・顧客満足度を向上させたい。
- 店舗でのタッチ行動データを永続IDで既存データと連携させ、深い顧客理解と高度なOMO戦略を実現したい。
- QRコード読み取りの手間をなくし、ブランド体験を向上させたい。
これらの企業に対し、「タッチギフト for LINE」は、Supershipが提供・管理するLINEミニアプリ環境と、永続的なユーザー識別IDを基盤とすることで、自社開発の負担なく、シームレスな顧客体験の提供と、信頼性の高いデータの継続的な蓄積・活用を実現し、顧客との持続的な関係構築を強力に支援します。
既存サービスラインナップとの戦略的比較
タッチギフトは、企業の目的や既存チャネル、求めるデータ活用レベルに応じて最適なソリューションを提供します。
導入形態 | タッチギフト for Web | タッチギフト for LINE (NEW) | タッチギフト for App |
---|---|---|---|
戦略的位置づけ | Webへの簡易誘導 & 即時プロモーション | LINE起点CRM強化 & 永続IDによる継続的データ活用 | 自社アプリ中心CRM・ロイヤルティ戦略強化 |
起動先 | Webブラウザ(ディープリンクで既存Web/各種SNS・LINE公式アカウントや既存LINEミニアプリ等へ遷移可) | Supership提供 LINEミニアプリ(専用LINEミニアプリ内で体験提供・データ蓄積、Webブラウザ起動も一部可) | 自社アプリ(Webブラウザ起動も一部可) |
主要機能 | 即時インセンティブ(抽選等)、Webページ誘導(遷移先で実行) | スタンプ蓄積 または 即時インセンティブ(抽選等、専用LINEミニアプリ内で機能提供) | アプリ内機能連携(クーポン、会員情報連携等) |
データ基盤 | Cookieベース(一時的、継続性・分析困難) | 永続ID(LINE上):継続的な行動履歴蓄積・分析、リテンション/LTV分析に強み(CDP連携別途) | API連携(会員ID連携):既存会員データ活用に強み |
導入ハードル | 最低(URL設定のみ) | 低(LINEミニアプリ開発不要だが設定は必要) | 高(アプリ開発・連携が必要) |
主な適用シーン | 非アプリユーザーへのリーチ、即時キャンペーン、Web/LINE資産への簡易リンク | LINE活用CRM、スタンプ/リテンション施策、"継続的な"データ活用重視、LINEミニアプリ導入検討企業 | アプリ会員基盤強化、O2O連携、会員限定施策 |
今後の展望
Supershipは、リテール事業者が保有するデータの利活用を支援するデータテクノロジーカンパニーとして、またリテールメディアソリューションのパイオニアとして、ECサイトと実店舗双方における顧客体験の向上とマーケティングの高度化をサポートしていくとのことです。「タッチギフト for LINE」で得られる継続的な顧客行動データは、Supershipが持つ他のデータソリューションやCDP構築支援サービスと連携することで、よりパーソナライズされた顧客体験の創出と、リテールビジネスのさらなる成長に貢献していくとしています。
Supership Touch Giftとは
「Supership Touch Gift(タッチギフト)」は、スマホタッチを起点に、スタンプやクーポンを即時提供できる店舗型リテールメディアソリューションです。NFCによる物理的なタッチ認証で、不正リスクを防ぎながら、安全かつスムーズな来店体験を実現します。自社アプリやLINEミニアプリ、Webなど多様な導線との連携により、"見えなかった来店データ"を可視化。さらに、取得データをCRMやCDPと統合することで、パーソナライズされたOne to Oneマーケティングの展開により、顧客体験とリテールビジネスの成果向上に貢献します。
LINEミニアプリとは
「LINEミニアプリ」は、店舗・企業が「LINE」上で自社サービスを提供できる新しいアプリプラットフォームです。会員証やモバイルオーダー、予約受付などのサービスをアプリの追加ダウンロード・会員登録不要で「LINE」上で提供でき、重要なお知らせを無料で通知することが可能です。また「LINE公式アカウント」との連携により、「友だち」をスムーズに獲得することができ、「LINEミニアプリ」を通じて取得した顧客の属性情報や行動データを活用することで、より効率的な販促活動を実現します。
Supership株式会社について
Supership株式会社は、正確なデータとデータ利活用の知見、国内屈指の広告配信技術を基にした企業のデジタルマーケティングを支援する「マーケティングソリューション事業」と、顧客企業の生活者への接点に対して、データを用いたCX向上や新しいマネタイズ機会の創出を支援する「データソリューション事業」を展開するデータテクノロジーカンパニーです。
データとテクノロジーの力で世の中の解像度をあげ、新たな価値をパートナーとともに共創していくことを目指しています。
出典元:Supership株式会社 プレスリリース