
コロナ禍から回復した訪日インバウンド市場において、中国からの訪日旅行者が圧倒的な存在感を示しています。2024年以降、国境を越えた移動の本格的再開により中国人旅行者の訪日が急速に回復し、その消費力は他国を大きく上回っています。株式会社unbotは、この急成長する中国訪日マーケットの最新動向と、企業が取り組むべき具体的施策について詳細に分析しました。
この記事の目次
01. 訪日インバウンドは「中国」が最大ボリュームゾーン
新型コロナウイルスによる入国制限の緩和に伴い、訪日インバウンド市場は急速に回復しています。その中でも「中国」は圧倒的な存在感を示しています。
2025年3月時点での訪日外国人数において、中国は前年同月比+46.2%という伸び率を記録し、訪日客数におけるシェアを急速に取り戻しています。この成長率は他国と比較しても非常に高い水準にあります。

さらに特筆すべきは消費額の面です。2025年前期の訪日外国人消費額において中国は5,443億円と全体の24.0%を占め、2位の台湾(13.9%)を大幅に上回っています。この数字は中国人観光客が日本のインバウンド消費において極めて重要な役割を担っていることを示しています。

02. 中国人観光客の購買行動から読み解くインサイト
訪日インバウンド市場において、中国人観光客の購買力は依然として際立っています。彼らが日本滞在中に「どのような商品を」「なぜ」購入するのかを理解することは、効果的なマーケティング戦略を構築する上で不可欠な視点です。

中国人訪日観光客が購入する商品カテゴリーの中で、特に「菓子類」「化粧品」「アパレル」は上位を占めています。これらの商品は持ち帰りやすく、日本の高品質さを体現するアイテムとして高い人気を誇っています。

購買理由:なぜ中国人は日本で買うのか?
- 「安心の正規品」
中国市場では偽物や模倣品がまだ多く流通しているため、日本国内での購入は信頼性が高いと考えられています。特に化粧品や医薬品は、品質への信頼が主要な購買動機となっています。
- 「越境ECより安く購入できる」
訪日中に免税で商品を購入すれば、越境ECや並行輸入品を中国国内で購入するよりも経済的なケースが多いです。このコストメリットは重要な購買誘因となっています。
- 「SNSでの紹介・拡散文化」
小紅書(RED)などのSNSプラットフォームで「日本で何を購入したか」を投稿する文化が根付いており、消費行動がSNS発信と密接に連動しています。これが購買意欲をさらに高める効果を生んでいます。
- 「手軽に買えて話題性がある」
お菓子や日用品など、比較的安価で持ち運びやすく、期間限定品などの話題性のある商品が特に好まれる傾向にあります。これらは土産としても人気があります。
03. インバウンド施策を始める企業が最初に取り組むべき3ステップ
中国人訪日客の強い購買力やSNS拡散力に注目しつつも、「具体的に何から始めれば良いのかわからない」と戸惑う企業は少なくありません。特に、インバウンド施策に初めて取り組む企業にとっては、言語の壁、文化の違い、商習慣の相違が大きなハードルとなることが多いです。

そんな企業におすすめの「まずやる3ステップ」

上記の3ステップは、インバウンド施策を始める企業が最初に取り組むべき基本的なアプローチです。まず自社商品・サービスの強みを明確に理解し、次に中国人観光客の購買行動やニーズを分析し、そして実行可能な施策を計画して順次実施していくことが重要です。これらのステップを踏むことで、効果的なインバウンド戦略を構築することができます。
04. まとめ
訪日インバウンド市場が本格的な回復フェーズに入った現在、その中心となっているのは間違いなく中国人訪日客です。訪問者数の増加だけでなく、一人あたりの消費額も他国と比較して際立っており、日本国内での購買行動にも明確な特徴が見られます。
このような背景を踏まえると、日本企業にとって中国人訪日客は単に「数が多い」だけでなく、「売上に直結しやすい層」であることが明らかです。それにもかかわらず、インバウンド施策未経験の企業からは「何から始めれば良いのかわからない」という声が多く聞かれます。
株式会社unbotはこれまで多くの企業と協力して中国向けインバウンド施策を実施してきた実績を持ち、現地トレンドの把握から具体的な販促手法の設計・実行まで、一貫したサポートを提供することが可能とのことです。中国人訪日客をターゲットにしたマーケティング戦略の構築に関心のある企業は、まずは気軽に相談してみることをお勧めします。

出典元:株式会社unbot プレスリリース