
株式会社ネオマーケティング(所在地:東京都渋谷区)が、全国の20~59歳の男女で福袋を「よく買う人」を対象に、福袋に関する実態調査を実施しました。調査期間は2025年12月1日(月)から2025年12月3日(水)の3日間で、インターネットリサーチにより行われました。
今回の調査では、福袋購入者の購入動機や人気のジャンル、購入方法の傾向、福袋の中身公開に対する意向など、幅広い視点から福袋購入の実態が明らかになっています。
この記事の目次
調査実施の背景と概要
本調査は、福袋購入に至る動機やジャンルなどの人気理由、福袋の中身が見えた方が良いのか、事前予約制への意向など、実態を幅広い年代で可視化することを目的として実施されました。
各年代の特徴や情報収集の方法、ニーズの所在、購入方法の変化など、マーケティング活動に活用できる情報が含まれています。
調査概要
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 調査対象:全国の20~59歳の男女で「福袋」を購入したことがある方
- 調査実施日:2025年12月1日(月)~2025年12月3日(水)
- 加盟団体:一般社団法人日本マーケティング・リサーチ協会(会員社No:20220)
福袋購入の主な調査結果
調査の結果、福袋で人気のジャンルは「食品」と「ファッション」であることが判明しました。特に「食品」は年代が上がるにつれて人気が高まる傾向が見られました。購入理由としては、「単品で買うよりも安く、お得感があるから」という回答が多く、女性(57.3%)の方が男性(52.4%)よりも高い傾向にありました。男性は趣味や旅行に関心を持つ一方で、女性は日常生活に必要なものを選ぶ傾向が見られました。
福袋の購入方法については、当日店頭で買いに行く(16.5%)よりも、事前予約(62.9%)の方が圧倒的に多い結果となりました。先着順よりも抽選販売に人気があるのは、急いで長時間並ぶ必要がないという心理的要因と、抽選販売による付加価値や達成感が得られるためと考えられています。
福袋購入時の情報収集方法
福袋を購入する際の参考情報として、「公式アプリ・公式HP」が高い割合を示したことから、各年代層ともに購入前に目星をつけて情報収集していることがわかりました。「SNS」は20代に向けた認知獲得では高い効果が期待できますが、30代・40代・50代に向けては文章での記事作成やポスター、店舗での周知などが効果的であると考えられます。
福袋の中身については、「中身はすべて公開されている方が良い」が42.9%、「一部(目玉商品など)は公開されている方が良い」が41.0%となり、中身がわかっている状態で安心して購入したいという心理が浮き彫りになりました。
過去に購入した福袋のジャンル分析
全体を通して人気が高いのが「食品」で、続いて「ファッション」、「飲料・酒類」と「生活雑貨・日用品」がおよそ同率という結果になりました。男性は「趣味・エンタメ」「家電・デジタル製品」の購入経験が女性よりも多い傾向が見られ、女性は「食品」「ファッション」「生活雑貨・日用品」が男性よりもやや多い傾向にありました。
ターゲットとなるメイン顧客層に性別を設定している店舗では、需要が高いジャンルを踏まえて福袋の中身を用意することが、売上向上に寄与する可能性があります。

昨年の年末年始に購入した福袋の傾向
昨年の年末年始(2024年12月~2025年1月頃)に購入した福袋のジャンルは、「食品」が62.0%と高い結果となりました。男女で比較すると、男性は趣味の福袋を購入する傾向にあり、女性は食品など生活必需品の福袋を購入する傾向が見られました。
男性は「ファッション」「趣味・エンタメ」「家電・デジタル製品」「アクセサリー・ジュエリー」「旅行・体験」が女性より高く、女性は「食品」「コスメ・ビューティー」が男性より高い傾向にありました。この傾向は過去に購入したことがある福袋のジャンルとおよそ共通しており、年度を問わずおよそ共通した傾向であると考えられます。
大枠での福袋の購買行動は変わっていないため、福袋を用意する店舗は、年度によって若干の流行は踏まえつつも、中長期的な戦略を立てやすい環境にあるといえます。
最も重視している福袋のジャンル
過去に購入したことがある「福袋」で最も重視している(本命の)福袋は「食品」で37.9%でした。男女比では、女性が45.8%と高く、年代別では50代が47.6%と高い結果となりました。
「食品」の福袋は全体を通して重視されている傾向がありましたが、男女では重視している割合に大きな差が見られました。男性が29.5%だったのに対して、女性は45.8%と大きな開きがありました。さらに年齢別に見ると、20代が25.7%だったのに対して50代は47.6%と高く、年齢とともに高くなっていく結果となりました。
一方で、「ファッション」は20代が38.1%と高く、年齢とともに低下していく傾向が見られました。福袋は若い世代は「ファッション」から入り、年齢を重ねるにつれて「食品」に興味が移っていくことが読み取れます。

福袋を購入する理由と魅力
福袋を購入する理由や魅力として、「単品で買うよりも安く、お得感があるから」が54.9%で最多となりました。年代別では、50代が66.4%で高く、年齢が上がるにつれて高くなる傾向が見られました。
この理由をあげた割合は、女性(57.3%)が男性(52.4%)よりも高い傾向が見られます。それ以外の理由では、男性が若干多い結果となりました。全体的な傾向として購入理由に男女で大きな差はなく、経済性以外ではそれぞれに大きな差は出ていません。

福袋購入時の参考情報源
福袋を購入する際の参考情報は「公式アプリ・公式サイト」が53.8%と最多でした。「SNS」は20代が43.4%と高いですが、年代が上がるほど下がっている傾向が見られました。
全体的に「ブランドや店舗の公式サイト・公式アプリ」が高いですが、他の参考情報も3~4割程度の回答を得ていました。年齢別に見ると、「ブランドや店舗の公式サイト・公式アプリ」は年齢が高くなるほど見る人が多くなっています。「一般個人のSNS・ブログ・動画」は若年層で高く、年齢とともに下がる傾向が見られます。
「一般個人のSNS・ブログ・動画」は20代に向けた認知獲得では高い効果を発揮すると考えられます。30代・40代・50代に向けては、文章での記事作成やポスター、店舗での周知などの効果が期待できると考えられます。

福袋の中身公開に関する意向
福袋の中身の公開については、公開されている方が良い(83.9%)と高く、公開されていない方が良い(10.1%)と低い結果となりました。
福袋の「中身はすべて公開されている方が良い」が42.9%、「一部(目玉商品など)は公開されている方が良い」が41.0%でした。なんらかの形で中身を確認したい割合は、合計すると83.9%に上りました。
結果から、中身がわかっている状態で安心して購入したい心理が強い傾向が見られます。一方で一部の人は、中身がわからないわくわく感を楽しみにしているニーズもあることがわかりました。

福袋の購入方法の傾向
福袋の購入方法では、「事前予約制(抽選販売)」が36.0%と高く、次は「事前予約制(先着順)」が26.9%でした。
福袋は当日店頭に買いに行く(16.5%)というより、事前予約(62.9%)が人気であることがわかります。先着順(26.9%)より抽選販売(36.0%)が好まれるのは、急いで長時間並んだりしなくても良いという心理的なものと、抽選販売のため付加価値や達成感が上がるという理由もあると考えられます。

福袋購入時の失敗経験
福袋を購入した際に、「失敗した」と感じる頻度は66.8%と高い結果となりました。年代が上がるにつれて「失敗した」と感じる割合が減少する傾向が見られました。
「2~3回に1回程度、失敗したと感じる」が41.7%と高く、全体的に見て失敗したと感じている割合が高い傾向が見られますが、年代が上がっていくほど、失敗したと感じる割合が減っています。
若年層は初めて福袋を購入したり、さまざまな店舗で試しに購入したりして、期待と違った感覚を多く経験しているのかもしれません。年齢が上がるにつれて福袋を購入する店舗が固定化されていき、店舗が提供する福袋の中身と、顧客が期待するものの差が小さくなっていくことで、失敗経験が減っていくものと考えられます。

福袋の失敗とは何を指すのか
福袋の「失敗」とは、「好み」に関するものが61.0%と最多でした。自分にとって不要なものが入っていると「失敗」と感じる傾向にあることがわかりました。
「自分の好みではないデザインのものが入っていた」の61.0%に続き、「売れ残りや不人気商品ばかりだと感じた」が46.8%、「サイズや色が自分に合わないものが入っていた」が44.9%と高い結果となりました。
福袋の中身について、サイズ感、色などがある程度事前に把握でき、納得感を得られる工夫ができれば、課題解決により購入拡大につながる可能性があります。

不要な商品の処理方法
福袋の中に不要な商品が入っていた場合、「家族や友人に譲る(プレゼントする)」が26.9%、「フリマアプリやネットオークションで売却」が25.8%と高い結果となりました。
福袋の中身の不要な商品について「譲る」「売却する」「交換する」「保管する」の合計が約95%で、「捨てる」が5.0%と低い結果となりました。不要な商品を交換する場を設けるなど対策をとることで、消費者は安心して福袋を購入しやすくなる可能性があります。

物価高が福袋購入に与える影響
昨今の物価高に福袋の購入意向は影響がある69.4%、影響はない30.5%という結果になりました。
物価高の影響はあるものの、購入意欲があるとの回答が79.2%と高い傾向が見られました。50代が「物価高の影響により購入を控える・個数を減らす」が15.6%と低く、購買意欲が高いことがわかります。
年齢が高くなるほど物価高の影響が小さくなる傾向が見られ、その背景には可処分所得の差がある可能性があります。若年層の方が、他に優先順位が高い可処分所得の消費先があり、福袋に消費が向かない可能性があります。

今回の調査結果は、福袋を販売する企業や店舗のマーケティング活動において、顧客ニーズの把握や販売戦略の立案に活用できる貴重なデータとなっています。
出典元:株式会社ネオマーケティング プレスリリース












