
株式会社システムリサーチが運営する「創作品モールあるる」は、全国の20代〜60代の女性200名を対象に「初売りの購買行動」に関する意識調査を実施したことが発表されました。その結果、初売り・福袋を「購入しない」と回答した人が73.0%にのぼり、日本の年始恒例イベントとして親しまれてきた初売り・福袋の需要が大きく低下している実態が明らかになっています。
一方、購入を予定している層の多くは「年始ならではの雰囲気やワクワク感を味わいたい」という理由から実店舗での購入を選ぶ傾向が示されました。この結果から、初売りは従来の「商品を買うための行事」から「特別な気分や体験を楽しむイベント」へと、その価値が変化していることがうかがえます。
この記事の目次
調査結果
7割以上が「初売り・福袋は購入しない」と回答
現在の節約志向の高まりや、年末年始の過ごし方の多様化などを背景として、「初売り離れ」が進行していることが調査から明らかになっています。かつて新年の風物詩として多くの消費者が楽しみにしていた初売りですが、その「目的買い」としての役割は以前と比較して大幅に縮小していると考えられます。
初売り購入派にとっての軸は"体験価値"

初売りで店頭での購入を選んだ理由を分析すると、実店舗ならではの「空気感」「体験」「ライブ感」が購買理由の中心となっていることがわかりました。初売りに「行かない」という層が増加する一方で、実際に足を運ぶ人々は「商品そのもの」よりも「年始の特別な雰囲気を味わう体験」を求めているという特徴が浮かび上がっています。
この結果は、消費行動が「モノ消費」から「コト消費」へとシフトしているという近年のトレンドとも一致しており、初売りという伝統的な商業イベントにおいても同様の変化が生じていることを示しています。
EC購入派は少数ながら"時短・効率"を最重視

オンラインでの初売り・福袋購入を選ぶ層は全体から見ると少数派ですが、その選択理由には明確な特徴があります。調査結果からは、利便性や効率改善を重視する消費者が一定数存在していることが示されました。
また近年増加傾向にある「中身公開型の福袋」は、EC購入派にとって大きな後押し材料となっているようです。実店舗に足を運ばずとも、内容を確認した上で確実に欲しいものが手に入るという安心感が、オンライン購入を選ぶ消費者にとって重要なポイントとなっていることがうかがえます。
今後の初売り利用意向も「利用しない」が多数

将来的に初売りを「利用したいか」という質問に対しても、59.0%の回答者が「利用しない」と答えています。この結果からは、初売りが従来持っていた「年始の一大買い物イベント」としての存在感が薄れつつあることが読み取れます。
ただし、約4割の回答者は何らかの形で初売りを利用したいと考えており、完全に廃れるというよりは、その役割や位置づけが変化していく可能性が高いと考えられます。
変化する初売りの意義と今後の展望
今回の調査から、初売り・福袋の需要は全体として減少傾向にある一方で、実店舗が提供する「特別な雰囲気」や「ワクワク感」といった体験価値については、依然として強い支持があることが明らかになりました。
初売りは単なる「目的買い」から、年始の特別な時間に「非日常的な気分を味わうイベント」へと変化しつつあると言えます。オンラインショッピングの利便性を重視する層も確かに存在しますが、新年という特別な時期に多くの消費者が求める価値は、今もなお実店舗という「リアルな場」に残されているようです。
この調査結果を踏まえると、今後の初売り商戦において重要となるポイントは以下の2点と考えられます。
・リアル店舗でどのような特別な体験価値を提供できるか
・ECサイトでいかに体験要素や特別感を演出するか
これらの要素が、消費者の購買行動を大きく左右する鍵となるでしょう。小売業界においては、単に商品を販売するだけでなく、新年ならではの特別な体験や価値をどのように創出・提供できるかが、今後の初売り戦略における重要な課題となりそうです。
調査概要
本調査は以下の概要で実施されました。
・調査対象:10代〜60代の女性
・調査期間:2025年11月18日
・調査機関:クラウドソーシングサイト
・調査方法:各質問項目の回答割合を算出
・有効回答数:200名
創作品モールあるるについて

「あるる」は単に商品やサービスの魅力を伝えるだけでなく、「誰から買うか」という点を大切にしているオンラインモールです。ショップの歴史、生産者の想い、職人の人となりを伝える豊富なコンテンツを提供しており、そうした背景を知った上で気に入った商品と出会うことができる場所となっています。
創作品モールあるるでは、今後も「人(店舗)と人(お客さま)」が集い、つながる場所を目指して取り組みを続けていく方針だということです。
会社概要
社名:株式会社システムリサーチ
代表取締役社長:平山 宏
出典元:株式会社システムリサーチ












