株式会社電通デジタル、株式会社電通、株式会社電通ダイレクトという電通グループ3社が連携し、AIを活用した新たなコマースソリューション「偶発購買アーカイブコマース」の提供を開始したことが発表されました。動画コンテンツをアーカイブ化することで、一過性ではない継続的な販売促進効果を実現する新しいアプローチです。
企業のオウンドチャネルで魅力的な動画コンテンツを企画・制作・アーカイブし、AIを活用して偶然目にした情報による"偶発購買"を意図的に創出します。生活者データとAI技術を組み合わせることで、短期的・長期的の両面から企業の販売活動を持続的に強化するソリューションとなっています。
この記事の目次
偶発購買を戦略的に生み出す新たなソリューション
株式会社電通デジタル（本社：東京都港区、代表取締役社長執行役員：瀧本 恒）、株式会社電通（本社：東京都港区、代表取締役 社長執行役員：佐野 傑）、株式会社電通ダイレクト（所在地：東京都港区、代表取締役：近藤 一成）の3社は、企業のオウンドチャネルにおいて魅力的な動画コンテンツを企画・制作・アーカイブし、AIを活用して、偶然目にした情報による"偶発購買"を意図的に創出する新ソリューション「偶発購買アーカイブコマース」の提供を開始しました。
消費者の購買行動は、計画的に情報を集めて購入する"計画購買"だけでなく、SNSや動画、実店舗などで偶然見かけた情報がきっかけとなる"偶発購買"によっても行われています。近年注目されているライブコマースなどのリアルタイム型販売は、偶発購買の一例であり、視聴者とのインタラクティブなコミュニケーションや臨場感によって一時的な盛り上がりを創出できますが、配信終了後の持続性に課題があるとされています。
「偶発購買アーカイブコマース」は、こうした一過性のアプローチとは異なり、アーカイブした動画コンテンツを購買の"発火点"として機能させることで、商品やサービスの偶発購買を継続的に誘発する新しい仕組みです。コンテンツを企業の資産として活用することで、長期間にわたって商品やサービスの価値を効果的に伝えることが可能になります。
AIを活用した動画コンテンツの最適化と配信
「偶発購買アーカイブコマース」では、様々な動画プラットフォーム上で多様なフォーマットを活用するなど、偶発購買が起こりやすいよう工夫した動画コンテンツを企画・制作します。このソリューションの特徴は、電通が保有する独自の生活者データと電通デジタルが展開する次世代マーケティング活動支援ソリューションブランド「∞AI®（ムゲンエーアイ）」を組み合わせた点にあります。
視聴データや行動ログを統計的に処理し、個人情報を特定できない形に加工した上で動画コンテンツの詳細な分析を行います。その結果に基づいて購買予兆を検出し、切り抜き動画や短尺クリップを自動抽出することで、最も効果的なタイミングでの動画コンテンツ配信・視聴を促進することが可能になります。
このプロセスにより、商品やサービスの情報収集段階にある計画購買層に対しても、偶発的な購買行動を効果的に働きかけることができます。さらに、生活者の購買関心が高まるタイミングでAIを組み合わせた広告配信も実施し、動画コンテンツを顧客との接点を生み出す"働き続ける購買エンジン"として機能させることを目指しています。
購買の"発火点"を複層的に設計することにより、企業の販売活動を短期的・長期的の両面から持続的に強化することができます。これは一過性のプロモーションではなく、継続的な販売促進効果を実現する新しいアプローチです。
偶発購買の意義と「偶発購買アーカイブコマース」の可能性
現代の消費行動において、偶発購買の重要性は年々高まっています。特にデジタル環境の発達により、消費者はさまざまなチャネルで商品情報に触れる機会が増加しています。SNSでの偶然の発見、動画視聴中に目にする商品、オンラインサーフィン中の思いがけない出会いなど、意図せず情報に接触することで発生する購買欲求は、企業のマーケティング戦略において重要な要素となっています。
従来のライブコマースなどのアプローチは、配信中の盛り上がりを重視するため、その場限りの効果に留まりがちでした。これに対し「偶発購買アーカイブコマース」は、高品質な動画コンテンツをアーカイブ化することで、継続的に視聴者の目に触れる機会を創出します。このようなエバーグリーンコンテンツは、長期間にわたって企業の資産として機能し続けることができます。
さらに、AIによる視聴データの分析と最適化により、視聴者の関心や購買意欲が高まるタイミングを正確に捉えることが可能になります。これにより、「ちょうど良いタイミング」で「適切なコンテンツ」を提示できるため、偶発購買の確率を高めることができるのです。
テクノロジーとクリエイティビティの融合
「偶発購買アーカイブコマース」の強みは、クリエイティブな動画制作技術と最先端のAIテクノロジーを融合させている点にあります。魅力的なコンテンツ制作だけでなく、そのコンテンツがどのように視聴され、どのような反応を生み出すかを科学的に分析し、最適化していくアプローチは、現代のデジタルマーケティングの進化形と言えるでしょう。
電通デジタルの次世代マーケティング活動支援ソリューションブランド「∞AI®（ムゲンエーアイ）」は、複雑な消費者行動を理解し、予測するための強力なツールです。このAIソリューションと電通グループの豊富な生活者データを組み合わせることで、より精緻なターゲティングと効果的なコンテンツ展開が実現します。
例えば、視聴者がどの部分に最も関心を示したか、どのタイミングで購買意欲が高まったかなどのデータを分析し、その結果に基づいて短尺クリップを自動生成することができます。これにより、最も効果的な「発火点」を特定し、購買行動につながるコンテンツを戦略的に配信することが可能になります。
企業の持続的な成長を支えるコマース基盤
3社は今後も、クリエイティビティ、データ、テクノロジーを融合した新たな顧客体験の創造を通じて、企業が偶発購買を戦略的に創り出すための新しいコマース基盤を提供していく方針です。この取り組みは、単なる販売促進策にとどまらず、企業と消費者の新たな関係性を構築する可能性を秘めています。
動画コンテンツを中心としたマーケティング戦略は、デジタル時代において益々重要性を増しています。特に、視聴者の興味を引きつけ、エンゲージメントを高める動画は、ブランドストーリーを効果的に伝えるツールとして注目されています。「偶発購買アーカイブコマース」は、こうした動画コンテンツの可能性を最大限に引き出し、実際の購買行動へとつなげる架け橋となるでしょう。
今回の新ソリューション提供開始により、企業はより効率的かつ効果的なマーケティング活動を実現し、持続的な成長を達成するための新たな手段を手に入れることになります。オウンドメディアの活用からAIを活用した最適化まで、包括的なアプローチで企業の販売活動を支援する「偶発購買アーカイブコマース」は、デジタルマーケティングの新たな可能性を切り開くものと期待されています。
電通デジタルについて
電通デジタルは、国内最大規模の総合デジタルファームです。「人の心を動かし、価値を創造し、世界のあり方を変える。」をパーパスに、生活者に寄り添うクリエイティビティとテクノロジーを統合的に活用することで、あらゆるトランスフォーメーションを実現しています。クライアントの事業成長パートナーとして、共に新たな価値を創造することで、経済そして社会の「変革と成長」を目指しています。
「∞AI®」についての詳細情報は以下のURLから確認できます。
https://www.dentsudigital.co.jp/services/data-ai/AI/mugen-ai
電通デジタル公式サイト：https://www.dentsudigital.co.jp/
出典元：株式会社電通デジタル プレスリリース
