EC市場における不正注文実態調査:全体の約4.2%が転売目的、年末商戦前の対策が急務 - Spider Labs

転売目的の不正注文をリアルタイムで検知・防止するサービス「Spider AF」を提供している株式会社Spider Labs(東京都港区、代表取締役社長:大月 聡子)が、EC市場における不正注文の実態に関する最新の調査結果を公表しています。

2025年上期のEC市場は前年比109%と大きく復調しており、消費者はECを「賢く、お得に、合理的な価格で買う」チャネルとして再定義している状況です。日用品のまとめ買いや生活向上のための「ライフソリューション」としての購入が増加する一方、この活況の裏側では、初回注文などで安く大量に仕入れ、フリマアプリなどへ転売する不正転売ヤーの活動も活発化し続けています。

同社はこの現状を踏まえ、EC事業者の売上最大化の鍵となる下期最大規模の商戦期、「ブラックフライデー」ならびに「年末商戦」の準備に向けて、転売対策ツール「Spider AF」の不正注文検知機能を利用している企業を対象とした2025年上期における不正購入の実態調査を実施しています。

2025年上期(4月〜9月)不正注文検知データのサマリー

【調査概要】
・調査期間:2025年4月1日〜9月30日
・調査機関:株式会社Spider Labs
・調査対象:転売対策ツール「Spider AF」で不正注文検知機能を利用した企業157社
・サンプル数:4,574,722件
・調査方法:自社データベース

Spider Labsの不正注文検知システムが検知した、Botによるアクセスや転売目的などの不正と判定された注文は195,429件に上り、全体の約4.2%を占めることが明らかになっています。

これは1日あたり平均で約1,067件の不正注文が日常的に発生していることを示しています。これらの不正は、ECショップに対し、無駄な配送コストやオペレーションコストの増加、顧客ロイヤリティの低下、KPIのノイズといった様々な課題を引き起こしていると報告されています。

年末商戦に向けた「発送前のセキュリティ」が急務

下期のEC市場において、年末商戦は前年度の成長率(101%)を上回る成長率が見込まれる、売上最大化を図る上で最も重要なタイミングです。特に、11月下旬のブラックフライデーが含まれる週は、多くのジャンルで売上が急激に上昇する「トリガー週」となります。

この最大の商戦期は、同時に不正転売ヤーにとっても大きな活動機会となります。ブランド価値の毀損やファン離れ、「欲しい」という熱意ある気持ちが不正購入によって踏みにじられる状況を回避するためには、販売前のセキュリティ強化、すなわち「発送前の対策」が不可欠だと同社は指摘しています。

不正転売対策は「発送前に」:不正注文をリアルタイムで検知

Spider Labsが提供する転売対策ツール「Spider AF」は、高度化・巧妙化する不正手口に対抗するため、複合的なロジックを用いてリアルタイムで転売目的の不正注文を検知するシステムです。

Botによる一斉アクセスや自動注文、VPNやプロキシサーバーを用いたジオマスキング(アクセス地域の偽装)といった、正規ユーザーを装う高度な手口に特化して対策を講じています。その他にも、10項目以上のカテゴリを多角的に組み合わせた複合的な要因に基づいて検知を行います。

これらの情報をもとに不正をリアルタイムで可視化し、購入後にチェックすることで、発送前に商品が不正転売ヤーの手に渡るのを防ぐ対応が可能になるとしています。

実際の導入事例

実際にSpider AFを導入した某EC系企業では、自社だけでは検知できなかった「リスト型転売」への対策が可能になったと報告されています。不正検知データをもとに発送差し止めを継続した結果、不正注文の数がピーク時の3分の1まで減少しました。この成果は、"発送前に不正を見抜く"というアプローチが効果を発揮していることを示しています。

不正対策の将来展望:AI活用による検知精度のさらなる強化

Spider Labsは、2011年4月の設立当時から得意とするビッグデータ解析と機械学習の技術を強みとしています。今後の展望として、この技術力をさらに発展させ、検知精度の継続的な向上を図るとしています。

巧妙化の一途を辿る不正手口に対し、AIを活用することで、これまで人間や従来の簡易的なルールでは見逃されがちだった不正の兆候をいち早く捉えることが可能になります。同社はこのAI技術を通じてEC市場の安全性を高め、「不正を発送前に見抜く」という新たな常識を広げ、すべての正規ユーザーに商品と感動が届く未来を、テクノロジーの力で実現していくとのことです。

Spider Labsについて ── 「買えないユーザー」を守る取り組み

Spider Labsは、「Building a safer and happier future with AI(AIで安全で幸せな未来を築く)」というミッションのもと、「The best anti fraud company ever(史上最高のアンチフラウドカンパニー)」を目指して、日々インターネット上の不正と向き合っています。

同社は、国内で600社以上に導入されているアドフラウド対策ツール「Spider AF」を通じて、広告不正の検知とブロックを支援してきました。この領域で築いてきた技術と実績をもとに、現在ではEC分野へも領域を拡大。コスメ、アパレル、アーティストグッズ、ゲーム・玩具など生活者との接点を持つ業界において、転売やBot購入といった"目に見えない不正"への対策を支援しています。

誰かの熱意ある「欲しい」という気持ちが、不正購入によって踏みにじられるーそんな状況をなくすため、同社は「不正を発送前に見抜く」という新たな常識を広げています。Spider Labsは、すべての正規ユーザーに商品と感動が届く未来を、テクノロジーの力で実現していくとのことです。

株式会社Spider Labs について

社名:株式会社Spider Labs

本社所在地:東京都港区南青山7-10-3 南青山STビル4階

代表取締役:大月 聡子

事業内容:AIアドフラウドツールSpider AFの企画・開発・運営・販売
データサイエンスコンサルティング
転売・不正リード・アフィリエイト等不正対策ソリューションの提供

設立:2011年4月

出典元: 株式会社Spider Labs プレスリリース

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