
ペルソナ広告のリーディングカンパニーであるOgury(Ogury ltd.、日本法人 : Ogury Japan株式会社)が、日本、米国、イタリアの主要市場を対象に、高級ブランドに対する消費者意識の変化を明らかにする調査を実施したことが発表されました。この調査では、現代の消費者の「購買意欲」を生み出す新たな要因が浮き彫りになっています。
世界の高級ブランド市場は長年にわたり堅調な成長を続けてきましたが、2024年にはインフレや景気の不透明感を背景に2%の縮小を記録し、約5,000万人の消費者が市場から離れる結果となりました。このような状況を受けて、Ogury社は合計7,561人(そのうち日本は最大規模となる2,793人)を対象とした大規模調査を実施しました。
調査の結果、日本の消費者が高級ブランド製品を購入する際の動機が多様化していることが明らかになっています。特に注目すべき点として、「価格に見合う価値があるかどうか」や「価格以上の体験」に対して強い関心を示していることが挙げられます。
この記事の目次
高級ブランドに対する消費者認識の変化
世界全体では、43%の消費者が「高級ブランドに対する認識が変わった」と回答しています。特に日本市場では、「価格に見合わない」と感じる消費者が17%に上り、「支払う金額にふさわしい内容を求める」と答えた人が21%に達しているとのことです。
一方で、日本の消費者は依然として伝統や贅沢さ、自分へのご褒美を理由に追加支出する割合が高いことも判明しました。伝統を重視する消費者は33%、贅沢さを重視する消費者は19%となっています。さらに、23%の日本の消費者はプレミアムなサービスや体験に対して追加料金を支払う意向があることも明らかになっています。
市場ごとに異なる高級ブランドの魅力
調査結果からは、市場ごとに高級ブランドの魅力のとらえ方に明確な違いがあることも判明しました。米国では32%の消費者が「まったく新しい体験を提供するブランド」に強く惹かれると回答しており、日本市場とは異なる傾向が見られるようです。
このような地域ごとの違いは、高級ブランドが各市場に合わせた戦略を立てる必要性を示唆しています。特に成熟市場である日本においては、消費者の変化するニーズに対応したアプローチが求められていると言えるでしょう。
購入動機としてのギフト、自己表現、独自性の重要性
「ギフト」「自己表現」「独自性」も高級ブランド購入における重要な要素であることが調査から明らかになっています。世界的に見ると、半数以上の消費者が記念日や特別な機会に高級ブランド品を購入する傾向があるとのことです。
日本市場では特に「自分へのご褒美」として購入する消費者が32%、「誰かへのプレゼント」として購入する消費者が22%と、この傾向が顕著に表れています。これらの数字は、高級ブランド製品が「自己への報酬」であると同時に「感謝の象徴」としても機能していることを示しています。
さらに、日本の消費者の22%は「独自の魅力」を、14%は「限定性や希少性」を高級ブランド製品を購入する理由として挙げています。このことから、日本市場では製品の希少価値や独自性が重要な購買要因となっていることがわかります。
Ogury日本法人カントリーディレクターのコメント
Ogury日本法人カントリーディレクターの松本亮氏は、「日本の消費者は、高級ブランドに対して『価格以上の体験』や独自性を求めるようになっています」と述べています。また同氏は、「今回の調査は、購買意欲の背景にある具体的な要因がどのように変化しているかを示すとともに、ブランドが日本市場でどう対応すべきかを明らかにしています。日本は世界有数の成熟した市場であり、2025年以降も存在感を維持するためには、消費者への深い理解が欠かせません」とコメントしています。
この調査結果は、高級ブランド各社にとって、変化する消費者意識に対応するための貴重な示唆を提供しています。特に日本市場においては、単なる高価格帯の製品提供だけでなく、価格に見合う価値や独自の体験を提供することが、今後の成功に不可欠であることを示唆しています。
Ogury について
グローバルアドテク企業のOguryは、クッキーレス環境におけるペルソナ・ターゲティング広告を提供しています。同社のペルソナ・ターゲティング広告は、ユーザーのプライバシーを最優先に考え、独自データに基づいて個人ではなくペルソナをターゲティングする革新的なアプローチを採用しています。
今回の調査は、Ogury社が高級ブランド市場における消費者行動の変化を深く理解し、クライアント企業に対してより効果的なマーケティング戦略の構築を支援するための取り組みの一環として実施されたものです。調査結果は、高級ブランドが各市場の消費者ニーズに合わせた戦略を立案する上で重要な指針となることが期待されています。
出典元:Ogury Japan株式会社 プレスリリース