
生成AIの急速な普及に伴い、GoogleやYahoo!などの従来型検索エンジンとChatGPTやGeminiなどのAI検索サービスが共存する時代となっています。特にデジタルネイティブと呼ばれる20代は、これらの検索手段をどのように使い分け、信頼し、活用しているのでしょうか。
SEO対策で検索結果1位の実績を持つランクエスト(株式会社eclore)は、20代男女100名を対象に詳細なアンケート調査を実施しました。この調査では、検索手段の選択理由や利用シーン、信頼度、項目別の利用傾向などについて分析されています。
AI検索と従来型検索それぞれの役割の違いに着目しながら、現代の検索行動の実態が明らかにされています。
この記事の目次
調査1:従来型検索とAI検索の使い分け実態
従来型検索エンジンが依然として主流
調査結果によると、「ほぼ従来の検索エンジンのみを使用している」という回答が全体の49%(49人)を占め、従来型検索エンジンが現在も主要な検索手段であることが明らかになりました。
また、「従来型検索エンジンが主でAI検索は補助的に使う」と回答した人も18%(18人)存在し、合計すると67%(67人)が従来型検索を主な検索手段として利用していることがわかりました。
これらの結果は、従来型検索エンジンの信頼性や情報の網羅性が今でも高く評価されていることを示しています。
AI検索との併用層も一定数存在
次に多かった回答は、「検索エンジンとAI検索をほぼ同じ頻度で併用する」というもので、17%(17人)の回答者がこの方法を採用していることがわかりました。
これらのユーザーは、状況に応じてAIによる要約や文脈理解の機能を活用しつつ、従来型検索を情報の補完や検証のために利用していると考えられます。このようなハイブリッド型の検索スタイルは、今後さらに増加する可能性があります。
AI検索「のみ」はまだ少数派
「ほぼAI検索のみ」を使用していると回答したのは12%(12人)、「AI検索が主で従来型は補助的に使う」と答えたのは4%(4人)でした。これらを合わせると、AI検索を主に利用する層は合計で16%(16人)となり、まだ少数派にとどまっています。
AI検索技術が急速に進化している一方で、情報の正確性や一次情報へのアクセスのしやすさに関する懸念から、AI検索単独での利用には慎重な姿勢が見られます。
調査2:情報の信頼性
信頼性に関する見解の分かれ目
情報の信頼性に関する質問では、最も多かったのは「どちらも同程度に信頼できる」という回答で、全体の31.0%(31人)を占めました。従来型検索エンジンとAI検索の両方に一定の信頼を置いて利用しているユーザーが多いことが明らかになっています。
両者の信頼性についてほぼ同等と感じている層が存在することは、AI検索の精度向上や一般への普及が進んでいる証拠とも考えられます。
従来型検索を信頼する層も依然として存在
次に多かったのは、「従来型検索の方が信頼できる」と考える層で、26.0%(26人)の回答がありました。長年使い慣れていることによる安心感や、情報の裏付けが取りやすい点が評価されていると推測されます。
一方で、「AI検索の方が信頼できる」と回答したのは8.0%(8人)のみで、AI検索に対する信頼性はまだ相対的に低いことがわかります。AI検索は比較的新しい技術であるため、その信頼性や正確性に対して慎重な姿勢が反映されていると考えられます。
信頼性に対する慎重な姿勢
「わからない/判断できない」という回答も25.0%(25人)と多く、AI検索と従来型検索のどちらの情報も一概に信頼できるかどうか判断しかねていると感じている層が一定数存在することがわかります。
また、「どちらもあまり信頼していない」という回答も10.0%(10人)に達し、両方の情報源に対して不安を抱えているユーザーも存在することが示されました。
調査3:検索においてのAIチャットサービス(ChatGPTやGemini 等)活用場面
利用していない人が過半数を占める状況
AIチャットサービスの活用場面に関する調査では、最も多かった回答は「特に利用しない」というもので、全体の50.0%(50人)に達しています。検索の場面ではAIチャットを使わず、従来の検索方法に頼る人が依然として多数派であることが示されました。
利用している層は多様な場面で活用
AIチャットサービスを活用している人々の中で最も多かった用途は「用語や意味の確認」で、17.0%(17人)がこれを選択しました。
続いて、「専門分野や複雑な情報の解説」(15.0%・15人)、「最新のニュースや天気」(14.0%・14人)、「商品・サービスの口コミ」(14.0%・14人)、「アイデアや文章作成支援」(14.0%・14人)など、様々な用途が挙げられています。
これらの結果から、AIチャットは単なる検索の代替手段ではなく、知識の理解や文章生成など従来型検索では対応しきれない部分で活用されていることがうかがえます。また、複数の用途でバランス良く利用されていることから、AIチャットは情報整理や発想支援において強みを発揮していると考えられます。
利用目的にはばらつきも見られる
その他の用途としては、「地域の店や施設情報」や「個人的な相談やアドバイス」が13.0%(13人)とやや控えめな結果となり、「情報源や信憑性の確認」は6.0%(6人)にとどまりました。さらに「その他」は1.0%(1人)と非常に少数でした。
このことから、AIチャットは情報の正確性や出典確認といった領域よりも、日常的な言葉の理解や文章作成といったサポート的役割を重視して利用されている傾向が明らかになりました。
監修者:杉本 貴之(Takayuki Sugimoto)
株式会社ecloreにて年間120社超のSEOコンサルを担当。SEO分野で培った分析力と多数の企業との豊富なコミュニケーション経験を活かし、消費者の購買行動や市場動向を深く理解しています。
一次情報に基づくコンテンツの監修を通じ、信頼性が高く質の優れた情報発信を積極的に行っています。
【保有資格】SEO検定1級、Googleアナリティクス認定資格

調査概要
調査日: 2025年7月29日
調査対象地域: 全国
調査機関: Freeasy
調査方法: オンラインアンケート調査
調査対象・人数: 20~29歳の男女100名
まとめ:20代は「調べる」と「考える」をツールで使い分けている
今回の調査結果から、20代のデジタルネイティブ世代は従来型検索とAI検索を明確に使い分けていることが明らかになりました。
日常的な情報収集では従来型検索が圧倒的に利用されており、専門分野の解説では両者が拮抗しています。一方、思考支援や個別対応が必要な場面ではAI検索がリードしています。
20代は検索の目的ごとに「最適なツール」を見極めて使い分けており、単一の検索手段に依存するのではなく、状況に応じて最適な検索方法を選択する傾向があります。
※なお、このアンケート調査の内容は前編・後編に分けて公開されています。
出典元:ランクエスト(株式会社eclore)プレスリリース