
株式会社ZOZO(本社:千葉県千葉市 代表取締役社長兼CEO:澤田 宏太郎)が提供するショップスタッフ向け販売サポートツール「FAANS(ファーンズ)」が、株式会社アーバンリサーチの自社ECサイトと連携したことが発表されました。この連携により、アーバンリサーチは複数のチャネルに加え、自社ECにも「FAANS」を通じてコーディネート情報を同時投稿できるようになり、各チャネルでのコーディネートによる成果確認までを一元管理できる体制が整いました。
この記事の目次
連携の背景
株式会社ZOZOが展開するOMOプラットフォーム「ZOZOMO」内のサービスの一つであるFAANSは、ブランド実店舗で勤務するショップスタッフの業務をサポートするツールとして機能しています。このツールには、ショップスタッフが作成したコーディネートを「ZOZOTOWN」「ZOZOTOWN Yahoo!店」「WEAR by ZOZO」へ同時に投稿できる「コーディネート投稿機能」と、各チャネルにおけるコーディネートの閲覧数や経由売上などを可視化できる「成果確認機能」が実装されています。これらの機能により、ショップスタッフの業務効率向上に貢献するだけでなく、導入費用が無料であることから、他ツールの利用料・管理料などのコスト削減にもつながっているとのことです。
これまでアーバンリサーチでは、ZOZOTOWNをはじめとするZOZO運営のチャネルへの投稿にはFAANSを使用し、自社ECへの投稿には別のツールを利用していました。今回の連携により、1回の投稿作業で複数チャネルへの同時投稿が可能となりました。ZOZOでは、FAANSの提供およびブランド自社ECとの連携を通じて、業務負荷の軽減やツールの一元化による業務効率化をサポートしていくとしています。

ZOZOは、FAANSをはじめとする「ZOZOMO」の各種サービスを通じて、ZOZOTOWN出店ブランドの自社ECや実店舗を含めた売上最大化や顧客体験向上を支援し、ファッション業界全体への貢献を目指しています。
※FAANSを通じて投稿が可能な「ZOZOTOWN」「ZOZOTOWN Yahoo!店」「WEAR by ZOZO」、ブランド自社ECにおける成果確認
アーバンリサーチ デジタル事業部からのコメント
株式会社アーバンリサーチ デジタル事業部 CRM課 マネージャー 辻本伸也氏は次のようにコメントしています。
「当社では現在、OMO戦略の推進に取り組んでおり、お客様によりスムーズかつ高品質なサービスを提供するため、実店舗における販売スタッフの作業効率化を重要なテーマとしています。なかでも、ECにおけるコーディネート画像は、商品を魅力的に見せるだけでなく、具体的な着用イメージを持っていただき、スタッフ個々の個性を生かしたコーディネートはECでも重要な要素であると捉えています。これまでは、自社ECとZOZOが運営するチャネルにコーディネートを投稿する際、異なるツールでの対応が必要でしたが、今後は「FAANS」を活用することで、自社ECへの投稿作業が一元化されるため、業務効率の向上を期待しています。少ない対応コストでより多くのお客様に多様なチャネルを通じてコーディネート画像を届けられるだけでなく、店舗スタッフが削減された作業分を接客に充てることが可能となります。当社は今後もOMOを通じて、実店舗・自社EC・ZOZOTOWNそれぞれのお客様に対し、同水準の高い購買体験を提供し、チャネル間の体験格差をなくすことを目指してまいります。」
FAANSが提供する機能の詳細
FAANSは、ファッションブランドのオムニチャネル戦略を支援するための多様な機能を提供しています。アーバンリサーチが導入している主な機能について詳しく見ていきましょう。
コーディネート投稿機能
FAANSを通じて、ブランド自社ECやZOZOTOWN、ZOZOTOWN Yahoo!店、WEAR by ZOZOへショップスタッフがコーディネート画像を同時投稿できる機能です。これにより、複数のプラットフォームへの投稿作業が一度で完結し、業務効率の大幅な向上が期待できます。特に、コーディネート画像は顧客の購買意欲を高める重要な要素であり、この機能によって多くのチャネルで効率的に魅力的なコンテンツを発信できるようになります。
※株式会社アーバンリサーチ導入済
成果確認機能
FAANSを通じて投稿した、ショップスタッフのコーディネート経由のEC売上や送客数、コーディネートの閲覧数などのショップスタッフのオンライン上での成果を可視化する機能です。この機能により、どのようなコーディネートが顧客に支持されているか、またそれがどの程度の売上に貢献しているかを数値で確認することができます。データに基づいたコーディネート提案や販売戦略の立案が可能となり、より効果的なマーケティング活動につなげることができます。
※株式会社アーバンリサーチ導入済
ブランド実店舗の在庫取り置き機能
ZOZOTOWN上で実店舗の在庫取り置きを希望したお客様への対応を、ショップスタッフがFAANS上の簡単操作で完結できる機能です。顧客がオンラインで気に入った商品を実店舗で試着したいという需要に応えることができ、オンラインと実店舗の連携をスムーズに行うことが可能になります。これにより、顧客の購買体験が向上するとともに、店舗への送客効果も期待できます。
※株式会社アーバンリサーチ導入済
顧客直送機能
ブランドの実店舗で欠品している商品がある場合、ショップスタッフがFAANS上の簡単操作で、ZOZOの物流拠点ZOZOBASEの在庫を確認し、店頭で決済を行い、ZOZOBASEからお客様の自宅へ商品配送手配まで完結できる機能です。これにより、店舗での「品切れ」による機会損失を防ぎ、顧客満足度を高めることができます。実店舗とECの在庫を連携させることで、より柔軟な販売体制を構築することが可能となります。
OMO戦略とFAANSの役割
近年、ファッション業界ではOMO(Online Merges with Offline)戦略が注目されています。これは、オンラインとオフラインの境界をなくし、シームレスな顧客体験を提供する取り組みです。FAANSはまさにこのOMO戦略を実現するためのツールとして位置づけられています。
アーバンリサーチでは、FAANSの導入によって複数チャネルへのコンテンツ配信を一元化することで、スタッフの業務効率化を図るとともに、顧客に対して一貫性のあるブランド体験を提供することを目指しています。実店舗での接客時間を確保しながら、オンライン上でも質の高いコンテンツを提供することで、どのチャネルからアクセスしても同水準のサービスを享受できる環境づくりに取り組んでいます。
ZOZOが提供するFAANSは、単なる投稿ツールではなく、ブランドのOMO戦略を支援するプラットフォームとして機能しています。コーディネート投稿から成果確認、在庫管理まで一貫して行えるシステムを通じて、ファッションブランドのデジタルトランスフォーメーションを加速させる役割を担っています。
今後の展望
ZOZOは今後も「ZOZOMO」の各種サービスを通じて、ZOZOTOWN出店ブランドの自社ECや実店舗を含めた売上最大化や顧客体験向上を支援していく方針です。FAANSの機能拡充や他ブランドへの展開を通じて、ファッション業界全体のデジタル化とOMO戦略の普及に貢献していくことが期待されています。
アーバンリサーチも、今回のFAANSとの連携を皮切りに、さらなるデジタル戦略の強化を進めていくとしています。実店舗とECの垣根をなくし、顧客にとってより便利で魅力的なショッピング体験を提供するための取り組みを続けていくでしょう。
ファッション業界におけるデジタルトランスフォーメーションは今後も加速していくと見られており、ZOZOのような先進的なプラットフォーム提供企業とアーバンリサーチのようなブランド企業の協業が、業界全体の発展につながることが期待されています。
出典元:株式会社ZOZO プレスリリース