【調査】ペット用アパレル製品、「おしゃれ」より「身体保護」目的で購入される傾向-朝日大学マーケティング研究所

岐阜県瑞穂市にある朝日大学の附属研究機関「朝日大学マーケティング研究所」(所長 中畑千弘氏)が、ペット消費に関する調査を実施しました。その結果によると、ペット用アパレル製品は「おしゃれ」のためよりも、「ペットの身体を守る」目的で購入されることが多いことが明らかになっています。また、身体保護のためにアパレル製品を購入する傾向は、特に犬の飼い主において顕著であることがわかりました。

調査の背景

近年、ペット関連のビジネスは多様化し、ペット保険、ペット同伴可能なホテル、アパレル製品など様々なサービスや商品が登場しています。このような状況の中で、ペットを飼育している方々がこれらの商品やサービスについてどのような情報源から知り、何を基準に選択し、どの程度の金額を消費しているのかという実態を把握するため、朝日大学マーケティング研究所は今回の調査を実施したとのことです。

「ペット消費に関する調査」の主な結果

ペット用アパレル製品の購入にポジティブなのは「女性」と「犬保有者」

調査によると、ペット用アパレル製品の購入意向(「とてもそう思っている」と「ややそう思っている」の合計)は全体で63.9%に達しているそうです。ペットの種類別で見ると、犬の飼い主(81.5%)が猫の飼い主(51.9%)を大きく上回る結果となっています。

また、性別による比較では、男性(61.1%)と女性(66.8%)はほぼ同水準の購入意向を示していますが、「とてもそう思っている」という強い購入意向に限ると、女性(24.5%)が男性(16.0%)を8.5ポイント上回っているとのことです。これらの結果から、ペット用アパレル製品の購入に積極的な層は「女性」と「犬保有者」であることがわかります。

ペット用アパレル製品は「おしゃれ」よりも「身体を守る」ために購入されることが多い

ペット用アパレル製品を購入する理由としては、「皮膚などの身体を保護するため」(58.3%)と「防寒、火傷、日焼け防止のため」(56.4%)が最も多く選ばれており、「おしゃれのため」(45.4%)よりも高い割合となっています。このことから、ペット用アパレル製品は見た目の美しさよりも、ペットの身体を保護する実用的な目的で購入されることが多いことが明らかになりました。

また、上位2項目については犬の飼い主の割合が猫の飼い主を上回っており、身体保護のためにアパレル製品を購入する意識は、相対的に犬の飼い主において高いことがわかります。その他の特徴として、犬の飼い主は「外出時の汚れ防止のため」の割合が高く、猫の飼い主は「すべり防止のため」の割合が高くなっています。これらの違いは、「室内で飼う」「外を散歩する」「ハネる」など、それぞれのペットの飼育環境や特性を反映した結果といえるでしょう。

ペット用アパレル製品購入理由グラフ

アパレル製品購入時の懸念事項はサイズや体型を中心に「ペットに合うか?」という観点

ペット用アパレル製品を購入する際の懸念事項については、「サイズや体型を合わせにくい」(53.2%)が最も高い割合を示しており、続いて「価格がリーズナブルでない」(30.3%)、「種類やバリエーションが少ない」(22.9%)、「デザインや色合いが思ったとおりに合わない」(20.2%)という結果になっています。

上位3項目はいずれも犬の飼い主の割合が高く、それ以外の項目では猫の飼い主の割合が高くなっていることから、アパレル製品に対する懸念事項は犬の飼い主と猫の飼い主で異なることがわかります。この結果は、ペット用アパレル製品のビジネスにおいて、ターゲットを明確に絞り込み、それぞれの懸念事項に対応するマーケティング戦略やマーチャンダイジングによるアプローチが重要であることを示唆しているとのことです。

ペット用アパレル製品購入時の懸念事項グラフ

今回の調査を通じて

近年、ペットを家族の一員として大切に扱い、快適な生活を共に送るために相応のコストを惜しまない飼い主が増加しています。それに伴い、受け皿となるペット関連ビジネスも多様化が進んでいるようです。今回の調査では、犬と猫の飼い主を対象に、補助的な需要である「商品やサービス」に関する消費実態が調査されました。

特に商品やサービスの中でもアパレル製品に焦点を当てると、ペットを飼っていない方には想像しにくい実態が見えてきます。一般的な想像では、ペット用アパレル製品はおしゃれを楽しむために購入されるものと考えられがちです。しかし実際には、「犬は外を散歩する」「猫は屋内で飼う」など、それぞれの動物の飼育環境を反映した理由で購入する飼い主が多いことが明らかになっています。

どちらのペットの飼い主も、ペットの身体を守る目的(火傷防止、日焼け防止、滑り止めなど)でアパレル製品を購入することが少なくないようです。また、製品選びにも様々な懸念事項があることがわかりました。人間向けの製品と同様に、ペット向けの製品においても、それぞれの飼育環境や事情に応じた機能や購入方法などを提供することが重要であると言えるでしょう。

調査の詳細

「ペット消費に関する調査」

■調査期間:2025年3月24日(月)~ 3月31日(月)

■調査方法:朝日大学マーケティング研究所のパネル利用によるインターネット調査

■対象者:居住地 全国
年 代 20代・30代・40代・50代
性 別 男女

■回収サンプル数:485名

朝日大学マーケティング研究所について

【概要】

本社所在地:岐阜県瑞穂市穂積1851

所長:中畑 千弘 (経営学部教授)

事業内容: 消費行動の分析および研究、経営コンサルティング、マーケティングリサーチ、商品開発支援、講演会・社会人セミナーの実施等

設立: 2002年4月

出典元: 朝日大学マーケティング研究所 プレスリリース

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