
ザイオネックス株式会社は、SaaS型SCMサービス「PlanNEL」の機能を拡充し、化粧品や食品などライフサイクルの短い消費財に特化した「PlanNEL for CPG(Consumer Packaged Goods)」の提供を開始したことを発表しました。同サービスは消費財を取り扱う企業向けの需給計画に関するコンサルティングサービスと併せて提供されます。
PlanNEL for CPGは、頻繁に行われる新製品の上市と商品ライフサイクルの短命化によって複雑化するSCM(サプライチェーン・マネジメント)課題に対応しています。AI予測機能や商品ライフサイクル管理、ブランド別計画策定など、消費財メーカー特有のニーズに応える機能が特長です。
この記事の目次
PlanNEL for CPGを提供する背景
一般消費者向けの化粧品や香水などの美容関連商品、食品分野においては、定番商品が存在する一方で、新製品の上市が頻繁に行われています。これにより商品ライフサイクルが短命化し、SCM(サプライチェーン・マネジメント)の複雑さが増しています。このような状況下では、需給計画策定において人手による個別管理や業務の属人化が進み、これが大きな課題となっているのが現状です。
ザイオネックス株式会社は、これまで韓国および日本国内で数多くの化粧品メーカーや食品メーカーのSCM構築を支援してきました。今回、それらの経験を活かし、化粧品・食品メーカー向けに特化したテンプレートを新たに開発。SaaS型SCMサービス「PlanNEL」の機能拡充を行い、消費財を取り扱う企業向けの需給計画に関するコンサルティングサービスと組み合わせて提供することになりました。
このサービスは、SCMの仕組み構築・活動にこれから取り組もうとしている企業や、在庫過多・欠品などの問題を抱える企業に対して、現場の業務改善やマネジメントの支援、システム導入・活用の伴走サポートを提供していくとのことです。
PlanNEL for CPGの特長
化粧品や食品メーカーなどの消費財を取り扱う企業向けに、以下の機能を特に活用いただけるとのことです。
AIおよび統計的手法を利用した需要予測
・得意先カテゴリー×品目大分類、得意先×品目中分類など、需要の傾向が現れる組合せを選択し、その単位での需要予測が可能です。
・過去の販売実績データをベースに、気温や季節性など、時系列の需要影響因子を考慮した将来の需要予測を実施できます。
・過去実績データが存在しない新製品については、類似品のデータを活用して実績データを作成し、需要予測を行うことができます。
・製品のライフサイクルの段階(上市、終売)に合わせて、その販売傾向モデルを利用した需要予測の補正を行います。

商品のライフサイクルに沿った計画の作成
・商品ごとに設定されている販売開始日/終了日、生産開始日/終了日により、その前後の計画の策定有無をコントロールすることができます。このように、商品のライフサイクル全体を見据えた計画作成が可能になっています。
ブランドや製品カテゴリーの担当別需給計画策定
・化粧品などの業界では、ブランドや製品カテゴリーごとにMD(マーチャンダイザー)や需給管理者が決まっているケースが多く見られます。PlanNELでは、需要計画、調達計画とも担当者ごとにその計画を策定することが可能です。これにより、組織構造に合わせた効率的な計画策定が実現します。
ロケーションごとの補充計画
・事前に倉庫や販売店などを繋ぐ流通ネットワークを定義し、そのロケーションごとに必要な需要に対する補充計画を策定します。これにより、在庫の適正配置と効率的な物流が実現できます。

同社では、ユーザー企業からのフィードバックを積極的に反映しながら、SaaS型SCMサービス「PlanNEL」のプロダクト開発を進めているとのことです。今後も中小企業がSCMを容易に実現できるよう支援を続けていく方針だと発表しています。
SaaS型SCMサービス「PlanNEL」について
PlanNELは、300社以上のグローバル企業に利用されているサプライチェーン・ソフトウェアを基盤として、中堅・中小の製造業、卸売業、流通業向けに開発されたSCMサービスです。
同サービスには、需要予測・販売計画、これらを基にした在庫計画・補充計画・供給計画の機能が搭載されています。企業のニーズに応じて、これらの機能を段階的に導入することも可能となっています。
多くの企業で課題となっているサプライチェーンの可視化や最適化を、使いやすいインターフェースと高度な分析機能で支援します。特に、今回の「PlanNEL for CPG」では、消費財メーカー特有の課題解決に焦点を当てた機能が強化されています。
これにより、製品のライフサイクルが短く、新製品の上市が頻繁に行われる消費財業界において、より効率的なサプライチェーン管理が可能となります。在庫の適正化やリードタイムの短縮、欠品防止など、様々な課題に対応できるよう設計されています。
また、導入に際しては、コンサルティングサービスと組み合わせることで、企業の現状分析から課題抽出、システム設計、導入後のフォローアップまで一貫したサポートを提供。システム導入だけでなく、業務プロセスの改善や組織体制の整備など、SCM活動全体の最適化を支援します。
特に、中小企業においては専門知識を持った人材が限られていることが多いため、このようなトータルサポートは大きな価値を提供します。ザイオネックス株式会社は、システム提供だけでなく、SCMに関する知見と経験を共有することで、顧客企業のビジネス成長を支えていくとしています。
ザイオネックス会社概要
会社名:ザイオネックス株式会社
代表取締役:藤原 玲子
本社所在地:東京都中央区日本橋箱崎町1-2 THE SHORE日本橋茅場町7階
設立日:2013年8月12日
資本金:4,501万円
事業内容:SCM(サプライチェーン・マネジメント)およびPLM(プロダクトライフサイクルマネジメント)ソフトウエアの開発・提供
ザイオネックス株式会社は、2013年の設立以来、SCMとPLMの分野で専門的なソリューションを提供してきました。韓国および日本国内での豊富な実績を持ち、特に化粧品や食品メーカーのサプライチェーン構築において多くの経験を蓄積しています。
今回発表された「PlanNEL for CPG」は、そうした経験とノウハウを結集したサービスであり、消費財業界のサプライチェーン課題解決に大きく貢献することが期待されています。同社は今後も顧客のニーズに応じたプロダクト開発を進め、中小企業のSCM実現を支援していく方針です。
出典元:ザイオネックス株式会社 プレスリリース