
TOPPANグループの株式会社ONE COMPATH(ワン・コンパス)が提供する次世代販促支援AIツール「Shufoo!AI(シュフーエーアイ)」について、2026年1月からの本格提供開始に先駆けて、現在多数のスーパーマーケットやメーカーにβ版が導入されていることが明らかになりました。
同社では、このShufoo!AIを用いて、2023年5月から2025年11月までのデータに基づき、スーパーマーケットにおけるチラシの販促テーマがどのように変遷してきたか、またその傾向について詳細な分析を実施しました。

分析結果によると、ブラックフライデーセールの規模が年々拡大し、認知度が向上していることに比例して、2025年に「ブラックフライデー」を販促テーマとして採用した企業数は過去最高を記録したとのことです。その一方で、同じ時期に開催される「ハロウィン」をテーマにチラシへ掲載する企業数は減少していることが判明しました。また、「クリスマス」についても、10月時点での掲載企業数が過去3年間で最も少ない結果となるなど、イベント販促の前倒し競争によって各テーマが時期ごとに変動する状況が明らかになっています。
なお、本リリース内で実施された「Shufoo!AI」β版を使った分析は、食品を取り扱うスーパーマーケット・GMSに限定されています。
この記事の目次
ブラックフライデーに関する販促が過去最高の盛り上がり、前倒し販促で重複するイベントは減少傾向
年々勢いを増すブラックフライデーセール
ONE COMPATHが2025年11月に実施した「Shufoo!」ユーザーを対象としたブラックフライデーに関する調査では、認知度が8割を超え、過去最高を記録したことが明らかになりました。イオンをはじめとする大手企業が2016年頃から大規模なキャンペーンを展開して以降、認知度は年々上昇を続けており、年末商戦における定番セールとして完全に定着しています。
この影響により、従来は11月から「ブラックフライデー」を販促テーマに取り上げていた企業が、今年は10月から販促活動を本格的に開始し、11月には「ブラックフライデー」を取り上げる企業数が過去最多となったとのことです。

チラシに掲載される商品については、白菜やバナナ、豚肉、即席麺といった日常的に購入される食料品が大半を占めており、年々チラシで取り上げられる頻度が上昇しています。
特に、ランキングの変動が大きかった商品に注目すると、「バナナ」では「Dole スウィーティオバナナ」のチラシ掲載数が2023年から約2倍に増加し、「しょう油」では「キッコーマン しぼりたて生しょうゆ」が約9倍に増加していることが明らかになりました。
この背景には、販促テーマを前倒ししたことでイベント当日までの長期間にわたってお買いものを楽しめる掲載が増加し、日常購入品の販促が多く含まれるようになったことや、前述の調査における消費者からの「節約のためのまとめ買い」「日常的に必要なもの」を購入するといったニーズに対する企業の掲載商品の変化が挙げられます。
イベント販促の前倒し傾向により、ブラックフライデー前後のイベントテーマは例年比で減少

ブラックフライデーが大きな盛り上がりを見せる一方で、10月に本番を迎えるハロウィンや、11月に解禁されるボジョレー・ヌーヴォー、12月のクリスマスの販促活動に影響が及んでいます。
中でも大きな影響を受けたのがボジョレー・ヌーヴォーで、解禁日である11月の第3木曜日に合わせて、例年11月にチラシ掲載が増加する傾向にあります。2023年11月には47社が掲載していましたが、2025年11月には35社まで減少しています。
温暖化が塗り替える販促カレンダー、夏が長くなると販促はどう変わる?
温暖化の影響により年々平均気温が上昇していることから、スーパーマーケットにおける販促テーマにも変化が生じていることが明らかになりました。
気象庁のデータによると、2023年から2025年にかけて日本国内の気温は著しく高い傾向にあり、特に夏の平均気温は記録的な高温が続いています。販促テーマの中でも多くを占める四季(春・夏・秋・冬)に注目すると、気温の高い夏の期間が長期化していることから、前後の「初夏」や「秋」のテーマを取り扱う時期に変化が起きています。

地球温暖化による気温上昇の早期化に加えて、2025年は過去最も早い梅雨明けだったことで、夏本番の到来時期が早まりました。平年の梅雨入りから梅雨明けまでの期間は全国平均でおよそ45日であるのに対し、2025年の梅雨入りから梅雨明けまでの期間はおよそ35日前後とかなり短く、夏の暑い期間が長くなりました。
また、この夏の長さは「秋」の販促テーマにも影響を与えていることが読み取れます。2025年9月に過去最多の全国250地点以上で猛暑日を記録したことから、2023年は8月時点で「秋」を取り上げる企業数が61社だったのに対し、2025年には41社に減少しました。
まとめ もりや先生のAI販促データ解説

執行役員CSO/マーケティング本部 本部長 森谷 尚平氏のコメント
今回の分析結果から、イベント販促の前倒し競争が激化していることが明らかになりました。この影響で、各季節特有のイベント(新生活、お中元、ハロウィン、クリスマスなど)の販促企画は取捨選択を迫られています。特にブラックフライデーの拡大により、10月のクリスマス販促は後退した一方、その反動で12月に市場が高騰する可能性も考えられます。
トレンドや市場動向により勢いを増すテーマと影響を受けるテーマで明暗が分かれる中、他社が手薄になる販促テーマで独自性を打ち出す差別化戦略も有効でしょう。また、気温上昇や季節の移り変わりが販促テーマに大きな影響を与える傾向も見られました。気温変動を販促計画に反映させることで、より効果的な販促活動が実現できます。
なお、森谷氏は株式会社ONE COMPATHにおいて、「Shufoo!」「Mapion Biz」「LocalONE」事業の統括やマーケティング責任者を歴任し、2024年4月より執行役員CSOに就任しています。
Shufoo!AIβ版導入企業の声
スーパーマーケット販促(マーケティング)担当者
これまで商品選定は商品部の経験則に依存しており、マーケティング部との間で意見の相違が生じることもありました。「Shufoo!AI」の導入により、テーマとのマッチング度、市場・競合データ、価格優位性といった客観的な指標を提示できるようになりました。本サービスの活用により、「本来売るべき商品」と「チラシに掲載すべき商品」をデータドリブンに選定する体制への転換を目指しています。
メーカー カスタマーサクセス担当者
「Shufoo!AI」の活用により、従来2か月かかっていた情報取得が速報値として迅速に得られるようになりました。チラシをPOSデータ分析の重要な要因として位置づけ、販売動向の把握に役立てているだけでなく、営業担当が「Shufoo!AI」を活用し自走することで、限られたアナリティクス部門のリソースでは対応しきれなかった全流通のカバーを目指しています。
今後の展開
今回紹介された「Shufoo!AI」はβ版となります。現時点ではスーパーマーケットおよび食品カテゴリに特化したサービス提供となっていますが、今後は対応業態と商品カテゴリを順次拡大していく予定です。本サービスを通じて、引き続きスーパーマーケットやメーカーの販促活動における業務効率の抜本的な向上と、販促効果の最大化を支援していくとしています。
Shufoo!について
Shufoo!は、月間1,600万人(2025年7月現在、提供ASP上のアクセス含む)が利用し、全国12万店以上が参加する国内最大級の電子チラシサービスです。日本全国のスーパーやホームセンター、家電店、ドラッグストア等のチラシを無料でチェックできるほか、お店のおすすめ商品、タイムセール、バーゲン情報、クーポンや割引デーの情報、レシピ検索など、毎日のお買物を便利でお得にする情報が満載です。スマートフォンアプリのほか、PCやタブレットなど様々な端末で利用できます。2001年8月よりTOPPAN株式会社が運営を開始し、2019年4月1日よりTOPPANグループの株式会社ONE COMPATHが運営しています。
Shufoo!AIについて
「Shufoo!AI」は、日本最大級の電子チラシサービス「Shufoo!」の日本全国365日のチラシデータと全国1,100万人のユーザーデータを活用し、チラシ画像をAIとOCRで分解・構造化し、多角的な要素を分析することで、効果予測や販促生成AIモデルの構築を実現しています。
株式会社ONE COMPATHについて
所在地:東京都港区芝浦 3-19-26 TOPPAN芝浦ビル
設立:1997年1月20日
資本金:100百万円
代表者:代表取締役社長 CEO 早川 礼
従業員:134名(2025年4月時点)
主なサービス:地図検索サービス「Mapion」、電子チラシサービス「Shufoo!」、ウォーキングアプリ「aruku&(あるくと)」など
出典元:株式会社ONE COMPATH プレスリリース











