
生成AIの急速な普及により、従来型の検索エンジンとAI検索が日常的に使われるシーンが増えています。特に、仕事や生活において頻繁に情報検索を行う30代の方々は、GoogleやYahoo!などの従来型検索エンジンと、ChatGPTやGeminiなどのAI検索サービスをどのように使い分けているのでしょうか。
SEO対策で検索結果1位(※注)の実績を持つランクエストが、30代男女100名を対象に調査を実施し、検索手段の選択基準、利用シーン、信頼性、そして使い分けの理由について分析しました。この記事ではAI(ChatGPTやGemini等)と従来型検索(GoogleやYahoo!等)の役割分担や今後の発展に向けた課題を見ていきます。
(注) 2025年1月9日に東京都新宿区で、PCブラウザーからGoogle検索を行い、その結果を測定しました。検索キーワードは「SEO対策」で、クッキーや履歴を削除した上で計測しています。なお、他の地域やデバイス、検索タイミング、検索エンジンのアルゴリズムの変更などによって、順位が変動する場合があります。
この記事の目次
4.従来型検索エンジン(GoogleやYahoo! 等)の活用場面 ※複数回答可
4-1.リアルタイム情報と実生活情報での活用
- 最も多かったのは、「最新のニュースや天気」(45%・45人)で、情報収集の目的で従来型の検索エンジンを主に利用していることが分かります。特に、リアルタイムでの情報取得が求められる場面において、広く活用されていることがうかがえます。
- また、「地域の店や施設情報」(34%・34人)や「商品・サービスの口コミ」(35%・35人)も多く選ばれ、これらの実生活に直結する情報収集にも積極的に使われていることが分かります。
4-2.深い知識と専門情報の取得にも一定のニーズ
- 次に、「用語や意味の確認」(33%・33人)や「専門分野や複雑な情報の解説」(22%・22人)という項目も一定数のユーザーに利用されており、従来型検索エンジンが単なる情報検索を超えて、深い知識や専門的な情報を得るための手段として活用されていることが見受けられます。
4-3.創造的作業やアドバイスには消極的
- 一方で、「アイデアや文章作成支援」(5%・5人)や「個人的な相談やアドバイス」(7%・7人)など、より創造的な支援や個別の問題解決を求める場面での利用は少ないことが分かります。
まとめ:検索ツールの特性と利用シーンの差異

従来型検索(Google等)が圧倒的に支持されている用途
- 「最新のニュースや天気」(従来型検索45%・AI検索20%)や「地域の店や施設情報」(従来型検索34%・AI検索14%)、「商品・サービスの口コミ」(従来型検索35%・AI検索15%)といった項目では、従来型検索が圧倒的に多く利用されており、特にリアルタイムな情報や実生活に直結する情報において、従来型検索が高く評価されていることが分かります。
- これは、従来型検索が持つ「即時性」「信頼性」「正確性」といった特徴が、ユーザーにとって大きな魅力となっていると推察できます。
AI検索(ChatGPT等)が優位に立っている用途
- 一方で、「アイデアや文章作成支援」(AI検索15%・従来型検索5%)や「個人的な相談やアドバイス」(AI検索14%・従来型検索7%)では、AI検索が比較的多く利用されていることが分かります。アイデア出しや文章作成の補助では、即座に回答を得られる手軽さが重視されており、ユーザーが効率的に創造的な作業を進めるために活用していると考えられます。
拮抗・使い分けが進む用途
- 「用語や意味の確認」(従来型検索33%・AI検索24%)や「専門分野や複雑な情報の解説」(従来型検索22%・AI検索20%)では、ユーザーが目的に応じて使い分けている様子が見受けられます。基本的な情報や即時性が求められる場合は従来型検索、より深い知識や詳細な解説が必要な場合にはAI検索を活用といったように、ユーザーは情報の深さや効率性に応じて、両者を上手に使い分けていると考えられます。
情報の信憑性・確認は従来型に軍配
- 「情報源や信憑性の確認」(従来型検索22%・AI検索11%)については、AI検索の利用は依然として少数派であることが分かります。
- 従来型検索は、複数の信頼できる情報源を比較できる点が評価され、情報の信憑性を確認する場面では依然として高い信頼を得ており、AI検索に対しては精度や信頼性に対して懸念を感じるユーザーが多い現状が推察されます。
AI検索を"利用しない"層も多数
- 「特に利用しない」は、従来型検索が26.0%であるのに対し、AI検索では42.0%に達しており、AI検索を使わない層が圧倒的に多いことが分かります。従来型検索に慣れ親しんだユーザーが多いことに加え、AI検索はその精度や信頼性への懸念、または利用目的の限定的な範囲により、まだ多くのユーザーに積極的に利用されていないと推察されます。
検索手段の選択と30代ユーザーの傾向
- 今回の調査結果から、情報収集を日常的に行う30代において、従来型検索が圧倒的に優位であることが分かりました。特にリアルタイム情報や日常生活に役立つ情報の収集において、従来型検索は信頼性と即時性の高さが評価されており、ニュースや天気、地域情報や商品レビューなど、生活に密着した情報を求める際に積極的に使用されています。
- この傾向から、30代のユーザーは情報の信頼性を非常に重視しており、即座に正確な情報を得る手段として、従来型検索を選んでいることがうかがえます。
- 一方、AI検索に関しては、創造的な作業や個別のアドバイスを求める際に一定の利用が見られ、特にアイデア出しや文章作成支援などの場面で、その迅速さや柔軟さが評価されています。
- しかし、信頼性や精度に対する懸念から、情報の信憑性を確認するためにAI検索を積極的に使用する層はまだ少ないという結果も示されており、AI検索が一般的な情報収集手段として定着するには、さらなる精度向上と信頼性の確保が必要であると推察されます。
- 今後、AI検索が主流になるためには、精度や信頼性を高め、ユーザーが安心して利用できる環境を提供することが鍵となるでしょう。また、従来型検索は今後も情報収集の主力となり続けると考えられますが、AI検索の進化により、より検索行動の幅が広がることが期待されます。
監修者:杉本 貴之(Takayuki Sugimoto)
株式会社ecloreにて年間120社超のSEOコンサルを担当。SEO分野で培った分析力と多数の企業との豊富なコミュニケーション経験を活かし、消費者の購買行動や市場動向を深く理解しています。
一次情報に基づくコンテンツの監修を通じ、信頼性が高く質の優れた情報発信を積極的に行っています。
【保有資格】SEO検定1級、Googleアナリティクス認定資格

調査概要
調査日: 2025年7月29日
調査対象地域: 全国
調査機関: Freeasy
調査方法: オンラインアンケート調査
調査対象・人数: 30~39歳の男女100名
出典元:ランクエスト