
株式会社MonotaRO(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:田村 咲耶)において、AIボイスボット「commubo(コミュボ)」が採用されたことが発表されました。今回の導入により、業務効率化と人的リソースの最適化が実現されています。
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導入背景とプロセス:自動化・効率化を目指し導入、取引先への納期確認リマインドコールで実用性を検証
株式会社MonotaROのカスタマーサポートチームは、約200席規模のコールセンターを運営していますが、業績の拡大に伴い人手不足が深刻化していたとのことです。従来の運営方法では対応が困難になりつつある状況を改善するため、定型業務の自動化・効率化を目指してボイスボットの導入を検討。様々なソリューションを比較検討した結果、導入コストを抑えられる点に魅力を感じ、commuboを選定・導入するに至ったと発表されています。
ボイスボットによる自動化の有効性検証にあたっては、業務の優先度とインパクトを考慮し、「必須ではないが必要な業務」として「入荷予定日を過ぎている取引先への納期確認リマインドコール」を自動化の第一歩として選定したそうです。この業務は定型的でありながらも重要な業務であり、自動化による効果が測定しやすい特徴があることから、実証実験(PoC)の対象として最適と判断されたとのことです。
PoC実施期間中は、commuboが選ばれた理由のひとつである「自社でシナリオを手軽に変更できる柔軟性」を最大限に活用。実際の運用データを基にトークスクリプトの改善を重ねながら、より効果的な対話フローの構築を進めたとされています。この過程で、ユーザーフレンドリーなインターフェースと直感的な操作性により、IT部門に依存することなく現場主導での改善が可能となった点も高く評価されているようです。
結果:納期回答リードタイム約5割短縮、本運用に移行し、今後は活用業務を拡大へ
実証実験の結果、納期回答のリードタイムが約5割短縮され、当日の回答率も10%改善するなど、具体的かつ顕著な数値面での成果が確認されたとのことです。従来は人的リソースの制約から対応にばらつきが生じていた業務が、AIボイスボットの導入により安定的かつ効率的に実施できるようになりました。架電業務を自動化することで人的リソースの有無に左右されず、適切な納期改善アプローチを実現することができたと報告されています。
この成功を受け、株式会社MonotaROでは実証実験から本格運用へと移行。さらに業務効率の向上と顧客満足度の向上を目指し、今後は自動化により24時間365日対応可能なコールセンターの実現に向けて、以下のように電話自動応対の業務範囲を段階的に拡大していく予定だということです。
- 取引先との他の応答業務への活用拡大 - 納期確認以外の定型的なコミュニケーションにも応用
- 活用拡大の実績を分析した後、お客様対応への活用も検討 - B2B取引先からエンドユーザーへの展開
- 架電業務(アウトバウンド)から受電業務(インバウンド)への活用 - 問い合わせ対応などの受信業務への展開
- ボイスボット完結率の向上(有人対応や後工程を挟まず、ボイスボットのみで対応を完結) - 自動化率のさらなる向上
- commuboを中心とした、生成AI等のツールを組み合わせた活用も検討 - 技術革新を取り入れた先進的な活用
これらの取り組みを通じて、株式会社MonotaROは人的リソースを高付加価値業務に集中させることで、ビジネス全体の生産性向上と競争力強化を図っていく考えとのことです。
株式会社MonotaROについて
同社は現場を支えるネットストア「モノタロウ」と、購買管理システム事業(大企業向け)を運営しています。切削工具や研磨材などの工業用資材から自動車関連商品や工事用品、事務用品に至るまで、現場・工場で必要とされる約2,637万点(2025年6月末時点)の間接資材を取り扱っています。「資材調達ネットワークを変革する」を企業理念に掲げ、お客様の生産性向上へ向けたより高レベルのサービス提供を目指しているとのことです。幅広い商品ラインナップと迅速な配送体制を強みに、製造業を中心とした多様な業種の企業から支持を得ているようです。
commuboについて
commuboは「継続的で」「複雑な」音声の会話に対応する自然会話AIボイスボットです。一般的なボイスボットと異なり、より自然な対話体験を実現するための先進的な技術が搭載されています。
自然な会話の高速AI、Webブラウザベースの簡単操作、CTI/CRM等のシステム連携など、自動化や効率化のための機能性だけでなく、導入企業ごとに異なる組織体制や業務フローに最適にフィットする柔軟性を兼ね備えているとされています。特に、専門的なIT知識がなくても運用できる直感的なインターフェースは、現場主導の改善活動を可能にする大きな特徴だそうです。
これまでコールセンター業務を中心に、あふれ呼対策や注文受付、予約受付、督促業務などさまざまな業界において、電話業務の効率化や生産性向上を支援しています。コールセンターの課題である人材確保の難しさや業務の標準化、24時間対応の実現などに対して効果的なソリューションを提供し、多くの企業で成果を上げているとのことです。
導入事例として今回取り上げた株式会社MonotaROの事例は、特に業績拡大に伴う人手不足という課題に対して、AIボイスボットを活用することで具体的な業務改善効果を実現した好例といえるでしょう。納期回答リードタイムの5割短縮という定量的な成果は、同様の課題を抱える多くの企業にとって参考になる事例です。
昨今の人材不足やコスト削減の要請が高まる中、AIを活用した業務効率化ソリューションへの需要は一層高まっていくことが予想されます。
出典元:commubo(株式会社MonotaRO)プレスリリース