
アジャイルメディア・ネットワーク株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:藤原宏樹、東証グロース:6573、以下「AMN」)は、創業100年を超える老舗印鑑メーカーである株式会社精美堂の「TikTok Shop」への出店および運用支援を全面的に開始したことを発表しました。この取り組みにより、伝統ある印鑑ビジネスと次世代ECプラットフォームの融合を目指すとのことです。
この記事の目次
精美堂の背景と新たな挑戦
株式会社精美堂は、大正12年(1923年)の創業以来、100年以上にわたって印鑑の製造・販売を通じて日本の社会と文化に貢献してきた老舗企業です。千葉県千葉市と埼玉県熊谷市に営業拠点を持ち、地域に密着したサービスを長年提供しています。
同社は厳選された素材を用い、熟練の職人による伝統技術で一本一本丁寧に彫刻された印鑑を提供しています。誕生、入学、就職、結婚、住宅購入など、人生の重要な節目に寄り添う「唯一無二の印鑑」を顧客に届けることを大切にしているとのことです。
近年、精美堂は伝統的な印鑑製造の枠を超え、株式会社みっとめるへん社サン宝石事業部とのタイアップによる「ほっぺちゃんはんこ」など、Z世代を中心とした若年層に向けた新たな商品開発にも注力しています。こうした愛らしいキャラクターデザインの印鑑は、若い世代にも印鑑文化に親しんでもらうための新たな試みだということです。
このたび精美堂は、従来のカタログ通販やネット通販に加えて、新たな販売チャネルとして「TikTok Shop」を導入することになりました。動画を活用したECの最先端として注目されるTikTokプラットフォーム上に店舗を構築し、販売を開始する取り組みです。
TikTok Shop導入の目的
精美堂がTikTok Shopを導入する背景には、以下のような明確な戦略的目的があるとされています。
若年層・TikTokユーザー層に向けた販売チャネルの開拓
「ほっぺちゃんはんこ」をはじめとする、精美堂における新ジャンル商品「キャラクターデザイン印鑑」などを、Z世代を中心としたTikTokユーザー層に向けて効果的に販売するための新たなチャネルとして位置づけています。若年層の利用が多いプラットフォームに直接出店することで、これまでリーチできなかった顧客層の開拓を目指しているとのことです。
動画×ライブ配信による訴求力の向上
商品の利便性や魅力を視覚的・感情的に伝えることで、購買意欲を効果的に喚起します。特に印鑑という商品は、その品質や使用感を静止画だけで伝えることが難しい側面があります。動画やライブ配信を通じて、商品の細部や使用シーンをリアルタイムで伝えることで、商品価値の理解を深め、購入につなげることが可能になるとしています。
ECチャネルの多様化と新規顧客獲得
SNS内で完結するシームレスな購買体験により、偶発的な発見や衝動買いを促進します。TikTokの特性を活かしたアルゴリズム配信によって、これまで印鑑に興味がなかった層にも商品を自然に発見してもらう機会を創出し、新規顧客の獲得につなげる狙いがあるようです。
TikTok Shopとは
TikTok Shopは、ショート動画やライブ配信を通じて、視聴と購入をシームレスにつなぐ"体験型ECプラットフォーム"として注目を集めています。エンタメ性、即時性、双方向性を備えた次世代の購買体験として、世界中で急速に普及しており、特に若年層に強く支持されています。
従来のECサイトと異なり、エンターテインメントコンテンツの視聴中に自然な形で商品との出会いが生まれ、そのまま購入までスムーズに完結するという新しい購買体験を提供します。また、ライブ配信中に視聴者と直接コミュニケーションを取りながら商品説明を行うことで、質問にリアルタイムで答えたり、使用感をその場で伝えたりすることができるという特徴があります。
AMNは、このTikTok Shopを活用した動画×EC戦略をいち早く取り入れ、企業のマーケティングDXを共に推進するパートナーとして、多様な業界で支援を行っているとのことです。今回の精美堂のTikTok Shop展開も、こうした専門知識と経験を活かした支援の一環だということです。
AMNによる主な支援内容
今回の精美堂のTikTok Shop展開に際し、AMNは以下の具体的な支援を実施しているとのことです。
ライブ配信の企画・運営支援
TikTokに精通した専門チームが、商品の魅力を最大化するライブ演出を設計し、双方向型の参加体験を創出します。印鑑という商品特性を踏まえ、彫刻過程や素材の質感、完成品の細部など、静止画では伝わりにくい価値をライブ配信で効果的に伝える工夫を行っているそうです。また、視聴者からの質問にリアルタイムで応答することで、商品理解を深め、購入決定をサポートしています。
ショート動画制作支援
TikTokのアルゴリズム特性と共感設計を踏まえ、"感情を動かす動画"を制作し、購買導線を自然に形成します。印鑑の魅力や使用シーン、購入メリットなどを短時間で効果的に伝えるショート動画のコンセプト設計から実制作までをサポートし、TikTokユーザーの心に響くコンテンツ制作を支援しているとのことです。
TikTok限定キャンペーンの企画・実行
精美堂にとって新たなターゲットとなるZ世代を中心とした若年層を対象としたフォロワー獲得のためのプロモーションや、フォロワー限定のライブセールや特典付き施策など、視聴者を獲得し、さらに視聴と購入を一体化するキャンペーンでコンバージョンを最大化する取り組みを行っているということです。特に「ほっぺちゃんはんこ」などのキャラクター商品を中心に、若年層の興味を引くクリエイティブなキャンペーンを展開しています。
今後の展望
ショート動画を起点とした購買体験は、すでに次世代ECの主戦場となりつつあります。国内外で急速に拡大するTikTok Shopの市場において、早期参入によるアドバンテージを獲得することは、多くの企業にとって重要な課題となっているようです。
AMNは「ショート動画×EC×ファンエンゲージメント」を軸に、今後もさまざまな業種への横展開を強化していく方針とのことです。特に、新たにZ世代を中心とした消費活動が活発な若年層に対するアプローチを検討している事業者に対しては極めて有効な手段と考えられるため、AMNとしても以下の価値提供を重点的に行っていくとされています。
- ショート動画が、商機になる
- ファンとのつながりが、資産になる
- ブランドの物語が、買いたくなる理由になる
この3つの価値提案は、単なるEC支援にとどまらず、ブランドと顧客の新しい関係性構築を支援するAMNの姿勢を表しているとのことです。ショート動画というフォーマットを通じて商品の魅力を伝え、ファンとの継続的な関係性を構築し、ブランドストーリーを共有することで、持続的な成長を実現するという考え方です。
精美堂のTikTok Shop展開は、100年以上の歴史を持つ伝統企業が、最新のデジタルプラットフォームを活用して新たな顧客層にリーチする挑戦的な取り組みとして注目されます。伝統と革新の融合によって、日本の印鑑文化の未来を切り拓く試みと言えるでしょう。
AMNは、マーケティングDXの最前線に立ち、"動画が企業を動かす時代"の変革パートナーとして、今後もさらなる成長と価値創出を目指していくとしています。TikTok Shopをはじめとする動画ベースのEC戦略は、今後も多くの企業にとって重要な販売チャネルとなることが予想される中、AMNの専門的知見と支援体制は、多くの企業のデジタルトランスフォーメーションを加速させる役割を担っていくことでしょう。
出典元:アジャイルメディア・ネットワーク株式会社 プレスリリース