
LINEヤフー株式会社は、これまで成果報酬型(CPA課金)で提供していた「Yahoo! JAPAN商品情報掲載」サービスを無料化したことを発表しました。同社によると、この施策により、商品を販売する事業者がYahoo!検索を利用するユーザーに対して、商品を訴求できる機会をさらに拡大することを目指しているとのことです。
今回の無料化によって掲載商品数の増加を図り、より多くの商品を検索結果上で比較可能にすることで、ユーザーの検索体験向上を実現する取り組みとなっています。

この記事の目次
商品情報掲載サービスの概要
LINEヤフー株式会社では、2023年12月から「Yahoo! JAPAN商品情報掲載」サービスを提供してきました。このサービスは、ユーザーが「Yahoo!検索」で商品名や商品の型番などを検索した際に、検索結果に表示されるコマース検索モジュールに商品情報を掲載できるものです。
コマース検索モジュールとは、「Yahoo!検索」の検索結果上で「○○(商品名やカテゴリ名)のオススメランキング」などと表示されている商品情報が一覧化されている掲載枠のことを指します。
この「商品情報掲載」サービスを利用することで、ユーザーは検索結果上でブランド公式ECサイトやECモールを横断して商品比較が可能になります。また、検索結果から直接商品詳細ページや購入ページに遷移できるため、事業者側にとっては商品購入導線を強化できるメリットがあるとされています。
今回の変更の概要
今回の変更では、「Yahoo! JAPAN商品情報掲載」の利用料金体系が大きく変わりました。具体的には、これまでの成果報酬型(CPA課金)から完全無料へと移行しています。
実施日以降は、商品情報掲載を経由して商品が購入された場合でも、事業者に利用料金は発生しません。これにより、事業者の負担を減らしつつ、より多くの商品情報の掲載を促進する狙いがあるようです。
対象サービス
・「Yahoo! JAPAN 商品情報掲載」
変更内容
・「商品情報掲載」の利用料金を成果報酬型(CPA課金)から無料に変更
・実施日以降は、商品情報掲載を経由して商品が購入された場合でも、利用料金は発生しない
無料化による期待される効果
今回の「商品情報掲載」の無料化によって、LINEヤフーは複数の効果を期待しているとのことです。
ユーザー視点での効果
検索結果に表示される商品情報の量が増加することで、ユーザーはより多くの選択肢から最適な商品を比較・選択できるようになります。これにより、Yahoo!検索における商品検索の利便性が向上し、ユーザー体験の改善につながることが期待されています。
例えば、特定の商品名や型番で検索した際に、複数のECサイトやブランド公式サイトの商品情報を一覧で比較できるため、価格や配送条件などを簡単に比較できるようになるとのことです。
事業者視点での効果
商品を販売する事業者にとっては、費用負担なく自社商品をYahoo!検索のユーザーに訴求できる機会が拡大します。これまで成果報酬型の課金体系だったために参入を見送っていた事業者も、無料化によってサービスを利用しやすくなると考えられます。
また、「Yahoo!検索」を利用するユーザーに対して直接的な購入導線を提供できるため、自社ECサイトへのトラフィック増加や売上向上につながる可能性があるとされています。
「商品情報掲載」サービスの活用方法
事業者が「商品情報掲載」サービスを活用するには、以下のステップが必要となります。
- 「Yahoo!広告」のアカウントを作成する
- 「LINE Merchant System」のアカウントを作成する
- 商品情報のフィード(データ)を準備・登録する
- 審査を経て掲載開始
これらの手続きを行うことで、自社の商品情報がYahoo!検索結果のコマース検索モジュールに表示されるようになります。無料化により金銭的なリスクなく始められるため、多くの事業者にとって参入のハードルが下がったと言えるでしょう。
検索連動型ショッピング広告(SSA)との関係
「商品情報掲載」と「検索連動型ショッピング広告(SSA)」は密接に関連しています。「検索連動型ショッピング広告(SSA)」を利用するには、「商品情報掲載」への掲載が前提条件となっています。
なお、「検索連動型ショッピング広告(SSA)」については、今回の変更後も引き続き広告料金が発生するとのことです。「商品情報掲載」は無料でも、広告として優先的に表示される「検索連動型ショッピング広告(SSA)」は有料サービスとして継続されます。
この組み合わせにより、事業者は基本的な商品情報の掲載を無料で行いながら、さらに露出を増やしたい商品については有料広告を活用するという、段階的なマーケティング戦略を取ることが可能になります。
LINEヤフーの今後の展望
LINEヤフー株式会社は『「WOW」なライフプラットフォームを創り、日常に「!」を届ける。』というミッションを掲げています。今回の「商品情報掲載」の無料化も、このミッションに沿った取り組みの一環と言えるでしょう。
同社は今後も、さまざまなマーケティングソリューションを通じて、クライアントの事業に貢献するとともに、ユーザーへ利便性の⾼い情報を提供できるよう努めていくとしています。
Eコマース市場の拡大が続く中、検索エンジンからの購買導線はますます重要性を増しています。「商品情報掲載」の無料化は、この流れに沿った戦略的な判断と言えるでしょう。
まとめ
LINEヤフー株式会社による「Yahoo! JAPAN商品情報掲載」サービスの無料化は、事業者の商品訴求機会の拡大とユーザーの検索体験向上という二つの目的を持った取り組みです。
これまで成果報酬型(CPA課金)で提供していたサービスを無料化することで、より多くの事業者の参入を促し、結果として検索結果に表示される商品情報の拡充を図ります。これにより、ユーザーはより多くの選択肢から最適な商品を見つけられるようになることが期待されています。
EC事業を展開する事業者にとっては、費用をかけずに「Yahoo!検索」のユーザーに自社商品をアピールできる貴重な機会となるでしょう。また、必要に応じて「検索連動型ショッピング広告(SSA)」も組み合わせることで、より効果的なマーケティング戦略を構築することができます。
「Yahoo! JAPAN商品情報掲載」の無料化は、事業者とユーザーの双方にメリットをもたらす取り組みとして、Eコマース市場における新たな展開となりそうです。
出典元:LINEヤフー株式会社 プレスリリース