

少子高齢化が進む中で、労働力の不足が懸念されています。この課題を解決するために、女性の活躍に期待が寄せられています。2023年8月に発表された調査「働くママの時短のホンネ~子育て世代の食事の準備に関する意識・行動調査」は、特に食品業界からの関心を集めました。
今回の調査は、前年同様の時短に関する質問に加え、断続的な値上げが家計に与える影響を測る質問も新たに盛り込まれました。これにより、働くママたちの意識や行動の実態をより深く理解することが目的とされています。
■調査結果からの重要な知見
●Findings1
食事準備において時短や効率化を重視する母親の割合は77.1%に達しています。
具体的な時短・効率化手段としては、最も多く「冷凍食品を利用する」が53.4%と報告されており、「食材の買い置き」が50.9%、「作り置き」が45.8%に続きます。一方で、「ミールキット利用」や「宅配サービスの利用」は1割未満と、依然として広く普及しているとは言えません。
●Findings2
断続的な値上げに対する反応は、政府への批判や要望よりも、現実を受け入れやり過ごすという姿勢が見受けられます。
「値上げが当たり前になった」との回答が37.0%、「節約志向が高まった」が35.5%、「諦めの気持ち」が32.0%と、いずれも3割を超える結果となっています。
●Findings3
値上げの影響で購入頻度や支出が増加したものの第1位は「生鮮食品」で64.9%を占めており、逆に減少したのは嗜好品の「菓子・スイーツ類」が44.9%、および「お酒・アルコール類」が37.1%です。
サービス利用の頻度・支出が増えたのは「子どもの習い事」が36.7%で最も多く、反対に「宿泊を伴う旅行」が39.0%、「日帰り旅行」が35.5%と、レジャー活動は全体的に減少傾向です。嗜好品やレジャーは減少しているものの、家計の必需品については値上げがあっても購入が続けられる様子がうかがえます。
●Findings4
値上げの影響下で優先度が高い支出は「食費」が45.9%、次いで「国内旅行」が40.9%、「記念日のお祝い」が36.0%となっています。
「日帰りレジャー」は22.8%の回答がありましたが、Findings3では嗜好品が減少しているのに対し、優先度が高いが実際には選択できない現状が浮かび上がります。
出典元: 日本インフォメーション株式会社 調べ
https://www.n-info.co.jp/report/0068