
GMOインターネットグループのGMOメイクショップ株式会社は、2025年11月17日に越境ECプラットフォーム「j-Grab Mall」を提供するジェイグラブ株式会社の全株式を取得する株式譲渡契約を締結したことを発表しました。ジェイグラブ社は2026年1月1日付で同社の連結企業となり、2026年1月5日付で社名を「GMOグローバルEC株式会社」に変更する予定です。
この株式取得により、GMOメイクショップ社はECサイト構築から海外販売支援までをワンストップで提供できる体制を構築し、EC事業者のグローバル展開を強力に支援していく方針です。
この記事の目次
背景
近年、EC市場は成長を続けていますが、国内市場の成熟化や人口減少を背景に、海外市場への展開を検討するEC事業者が増加しています。ジェトロの調査によると、ECを利用または検討している企業の6割超が、海外向け販売でのEC活用・検討に関心を寄せていることから、そのニーズの高さがうかがえます。
しかし、越境ECには言語対応、決済、物流、海外モールへの出店手続き、マーケティング、法規制対応などの多岐にわたる専門知識とリソースが必要となり、これらの課題が多くのEC事業者にとって海外展開の障壁となっていました。
ジェイグラブ社は、越境ECプラットフォーム「j-Grab Mall」の運営や海外ECモール出店・運営サポートなどのコンサルティング業務を通じて、これらの課題を解決し、日本企業の海外進出を支援しています。特に「j-Grab Mall」は、海外の主要ECモールとの連携や海外物流代行といった機能を提供しており、手軽に越境ECを開始できる点が強みとなっています。
株式取得の狙い
GMOメイクショップ社は、ECサイト構築SaaS「makeshop byGMO」や「GMOクラウドEC」を提供しています。これらのサービスは、EC事業の成長をサポートする豊富な基本機能に加え、サードパーティーによるアプリケーションの提供や外部ツールとのAPI連携によって高い拡張性を実現しています。
一方、ジェイグラブ社は越境ECプラットフォーム「j-Grab Mall」を通じて、多岐にわたる越境ECの課題をワンストップで解決し、テストマーケティングから本格展開までを支援する専門企業です。
GMOメイクショップ社は、EC市場における事業者からのグローバル展開のニーズに応えるために、ジェイグラブ社の株式を取得し連結企業とすることを決定しました。GMOインターネットグループでは、一般的なM&Aという言葉ではなく「仲間づくり」と表現しています。
今回の仲間づくりにより、ジェイグラブ社が持つ越境ECの専門知識やグローバルネットワークと、「makeshop byGMO」のEC構築のノウハウを融合させ、国内のEC事業者に効果的な海外販売ソリューションを提供することが可能になります。
今後の展開と連携サービスについて
今回のジェイグラブ社との仲間づくりは、GMOメイクショップ社にとって単なる事業拡大にとどまらず、ECプラットフォームとしての進化を加速させる重要な戦略的ステップとなります。具体的には、以下を軸にサービスの展開を予定しています。
「makeshop byGMO」と「j-Grab Mall」連携による越境出品機能の強化とグローバル販路の拡大
ジェイグラブ社が有する越境ECプラットフォーム「j-Grab Mall」の機能と、GMOメイクショップ社のECサイト構築SaaS「makeshop byGMO」との連携を図ります。これにより、EC事業者はこれまで以上に手軽かつ効率的に海外市場への出品・販売が可能になります。
具体的には、「makeshop byGMO」の商品情報を「j-Grab Mall」へ連携できるサービスを提供することで、越境ECにおける出品のハードルを下げます。これにより、国内EC事業者のグローバル販路拡大を支援し、海外市場での新たな収益源の創出に貢献します。
越境ECコンサルティングの強化と事業成長の支援
ジェイグラブ社が長年培ってきた海外ECモールへの出店・運営サポート、マーケティング戦略、法規制対応などの越境ECコンサルティングサービスのノウハウをGMOメイクショップ社でも展開します。越境ECのコンサルティングを通じて、EC事業者は海外市場における競争力を高め、持続的な成長を実現することが可能になります。
「j-Grab Mall」とは
「j-Grab Mall」は、eBay、Amazon、Walmart、Shopee、Lazadaなど、世界の主要ECモールと連携し、日本企業が海外の消費者に商品を販売できる委託販売型の越境ECプラットフォームです。出品から受注、決済、海外配送、カスタマー対応に至るまで、越境ECに必要なさまざまな業務をすべてワンストップで代行し、誰でも簡単にグローバル展開を実現できます。
商品カタログと写真を提出するだけで、日本の商品やブランドを世界中に販売できるため、手軽に海外市場への進出が可能です。GMOメイクショップ社では「makeshop byGMO」特別プランとして、API連携によってよりスムーズな連携サービスの提供を予定しています。

スケジュール(予定)
株式譲渡契約締結日:2025年11月17日(月)
株式譲渡実行予定日:2026年1月1日(木)
商号変更予定日:2026年1月5日(月)
社名変更
ジェイグラブ株式会社は、2026年1月5日(予定)付で社名を「GMOグローバルEC株式会社」、サービス名を「j-Grab Mall」から「Japan Finds byGMO」(予定)に変更する予定です。
各代表者コメント
ジェイグラブ株式会社 代表取締役 山田 彰彦氏
「日本では少子高齢化と人口減少という構造的な課題が待ったなしの状況にあります。国内市場の縮小が進む中、日本の素晴らしい商品をいかにして海外へ広げていくかが、今まさに問われています。今回、国内最大級のSaaS型ECプラットフォーム「makeshop byGMO」を運営するGMOメイクショップ様にグループインし、日本全国の事業者様の商品を、世界の主要ECモールやリアル店舗へ届けていく仕組みを本格的に構築してまいります。
これまで越境ECは、貿易や外国語など専門知識や多大なコスト、運用体制が必要とされる「難しい挑戦」でした。しかし、私たちはこの提携を通じて、「『makeshop byGMO』で国内販売をしているだけで世界へ販売できる」という、誰もが海外展開に挑戦できる新しいステージを実現してまいります。ジェイグラブが15年以上にわたり培ってきた海外販売のノウハウと、「makeshop byGMO」が誇る12,000店舗以上の強固な基盤を掛け合わせることで、日本の中小企業や地域ブランドの可能性を世界に広げ、持続可能な成長の道を切り拓いていきたいと考えています。
私たちは、単なるシステム連携ではなく、「仲間づくり」として共に挑戦し、共に成長し、そして共に成功することをめざします。日本の未来を支える事業者の皆さまと一緒に、越境ECのNo.1プラットフォームを築いてまいります。」
GMOメイクショップ株式会社 代表取締役社長CEO 向畑 憲良氏
「私たちGMOメイクショップは、EC事業者の皆さまが国内外の市場で成功を収めるための革新的なソリューションの提供に全力を尽くしてまいりました。このたび、ジェイグラブ株式会社の全株式取得と連結化を通じて、越境ECの課題解決において新たな一歩を踏み出すことができることを大変誇りに思います。
ご存知の通り、自社ECサイトの多言語・多通貨対応だけでは海外市場での成功は限定的です。言語や文化の壁を乗り越え、海外シェアを築くためには、これまで以上の戦略的な取り組みが不可欠となります。
ジェイグラブという新たな仲間をむかえることで、我々のエコシステムを進化させ、国内のEC市場の持続的成長とともに、日本ブランドの海外進出を一層後押ししてまいります。未来志向の企業連携を通じて、グローバル市場を見据えて最前線で挑戦し続けるすべてのEC事業者のパートナーであり続けることをお約束します。」
GMOメイクショップの仲間づくりについて
GMOメイクショップ社では、ECプラットフォームとしての価値向上と、EC事業者の成長支援を加速させるため、戦略的な仲間づくりと業務資本提携を積極的に推進してきました。仲間づくりでは、GMOメイクアプリ株式会社(旧anect株式会社)のグループジョインやGMOシステムコンサルティングとの合併を成功させ、事業拡大と企業価値向上に大きく貢献しています。
また、業務資本提携においては、GMOメイクショップ社のブランド力と12,000店舗以上を抱えるプラットフォームを活用することで、参画企業は高い信頼性と営業効果を得て、事業拡大を加速させています。GMOメイクショップ社が各サービス運営で培ったノウハウを掛け合わせることで、EC事業者の成長に貢献できるサービス開発・提供に邁進するとともに、近接分野における新たなサービスの展開も検討していくとのことです。
今後の展望
GMOメイクショップ社は、今回の仲間づくりを通じて、ECサイト構築から海外販売支援、そして戦略的なコンサルティングまでを一貫して提供するプラットフォームへと進化します。これにより、EC事業者が直面するグローバル展開のハードルを徹底的に下げ、日本の優れた商品やサービスが世界に羽ばたくための強力なインフラとなることを目指していくとしています。
GMOメイクショップ株式会社について
GMOメイクショップ社は「Commerce for a better future./商取引でより良い未来に」をミッションに掲げ、ネットショップ支援事業を展開しています。EC構築支援をはじめ、ECマーケティング支援やEC運用受託にも対応しており、さらに、運営資金調達のための補助金・助成金の申請支援や、EC売上を最短即日で入金可能な『即日売上入金サービス』の提供を通じて、キャッシュフローの改善も支援するなど、EC領域における一気通貫の支援体制を構築しています。
13年連続で業界No.1のECサイト構築SaaS「makeshop byGMO」に加え、アドオン開発に対応する上位版サービスとして、「GMOクラウドEC」も提供しており、スタートアップから大規模ECまで、あらゆるビジネスのEC化をサポートしています。
今後もGMOメイクショップ社は、広範なEC領域において店舗様が抱えるさまざまな課題を解決できるよう、サービスのさらなる強化を図り、国内EC市場のさらなる活性化に貢献していく予定です。
出典元:GMOメイクショップ株式会社 プレスリリース













