
株式会社True Data(本社:東京都港区、代表取締役社長:米倉 裕之、証券コード:4416)が、三井物産グループでデータとAIを活用したソリューションを提供する株式会社MBKデジタル(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:芹澤 新)の広告ソリューション「POS Impact Ads」に、True Dataの広告用購買セグメントデータが連携されることが発表されました。
2025年11月より提供開始予定のMBKデジタルの「POS Impact Ads」は、購買起点での広告設計から顧客生涯価値(LTV:ライフタイムバリュー)の最大化に特化した広告ソリューションです。True Dataの広告用購買セグメントデータとの連携により、実際の購買データに基づいたデジタル広告の運用と効果検証が可能になります。
なお、True Dataの広告用購買セグメントデータは、購買データより抽出したターゲティングや効果検証に利用できる広告識別子のデータ群であり、個人や店舗を特定する情報は含まれていません。これにより、プライバシーに配慮しながらも効果的なターゲティングが実現できる仕組みとなっています。
この記事の目次
背景とMBKデジタル「POS Impact Ads」提供の狙い
近年、日本市場では購買データを活用した広告施策への関心が高まっています。消費者の購買行動をデータとして分析し、それをマーケティング活動に活かすというアプローチは、デジタルマーケティングの進化とともに注目を集めています。しかし、多くの施策が短期間のROAS(広告費用対効果)やCPA(顧客獲得単価)の改善に留まり、顧客との長期的な関係構築、つまりLTV(顧客生涯価値)の最大化にはつながっていないという課題があります。
この課題に対応するため、購買データの活用をさらに高度化し、単なる短期的な効果測定だけでなく、顧客との長期的な関係構築につなげるソリューションの必要性が高まっていました。
True Dataは年間アクティブ数6,000万人規模の購買データを扱い、各種マーケティングデータ分析や市場分析クラウドサービスを提供するビッグデータプラットフォームです。同社は小売店の購買データを基にした詳細な消費者インサイトを提供することで知られています。
今回、MBKデジタルの「POS Impact Ads」へTrue Dataの実購買データを基にした広告用購買セグメントデータを連携することで、単なる広告配信の最適化にとどまらず、LTVを重視したターゲティング戦略を設計することが可能になるとのことです。これにより、広告主は短期的なコンバージョン数やクリック率だけでなく、顧客との継続的な関係構築を見据えた広告投資が行えるようになります。
MBKデジタル「POS Impact Ads」のサービス概要

「POS Impact Ads」は、MBKデジタルが新たに提供する広告ソリューションです。このサービスでは、全国6,000万人規模のID-POSを活用し、オフラインの購買実績に基づいて、クライアント企業に応じた最適な広告配信用のターゲティングセグメントをカスタマイズで作成します。従来の人口統計学的なセグメントや行動データに基づくセグメントとは異なり、実際の購買履歴をベースにしたセグメントを活用することで、より精度の高いターゲティングが可能になります。
作成したセグメントデータは、Amazon Adsなどの主要な広告プラットフォームを中心に配信されます。これにより、広告主は自社の商品やサービスに関心を持つ可能性が高いユーザーに効率的にアプローチすることができます。さらに、このシステムの大きな特徴として、広告効果の検証がオフライン(実店舗)だけでなくオンライン(Amazon)でも計測可能である点が挙げられます。
従来のデジタル広告では、オンライン上でのコンバージョンやクリック率などの指標で効果測定が行われることが一般的でしたが、「POS Impact Ads」では実店舗での購買行動も含めた総合的な効果測定が可能になります。これにより、オムニチャネル戦略を展開する企業にとって、より包括的な広告効果の検証が実現します。
MBKデジタル「POS Impact Ads」主な機能
「POS Impact Ads」による配信と効果検証
ID-POSを基盤に作成した広告配信用のターゲティングセグメントをAmazon Adsやソーシャルメディア広告プラットフォームなどの外部メディアに広告配信し、オフライン・オンライン双方で効果を可視化します。従来の広告効果測定では捉えきれなかったオフラインでの購買行動も含めた総合的な効果検証が可能になることで、広告投資の実際のビジネス貢献度をより正確に把握できるようになります。
Amazon Marketing Cloud(AMC)とのデータ連携
AMC(Amazon Marketing Cloud)を活用し、オンライン広告の接触履歴とオフライン購買データを統合します。Amazonという巨大ECプラットフォーム上での消費者行動と、実店舗での購買行動を組み合わせることで、クロスチャネルでの消費者理解が深まり、LTV向上に資する広告投資の最適化が可能になります。このデータ連携により、例えばオンラインで広告を見た後に実店舗で購入したというような、従来は追跡が困難だった消費者行動の理解が進みます。
統合レポートの提供
「POS Impact Ads」では、広告に接触したユーザーのオフラインでの購買率やチャネル別比較を統一フォーマットでレポート化します。これにより、各チャネルでの広告効果の比較や、クロスチャネルでの相乗効果の分析が容易になり、PDCAサイクルの改善を効果的に支援します。レポートは直感的に理解しやすい形式で提供され、マーケティング担当者が迅速に意思決定を行うためのツールとして機能します。
今後の展望
True Dataは「データと知恵で未来をつくる」をパーパスとしていると伝えられています。このたびのMBKデジタルへの広告用購買セグメントデータ連携を通して、より多くの業種・業態のLTVに基づく広告施策設計を支援し、広告領域における企業の収益最大化に貢献していくとしています。
特に、デジタル広告の効果測定が困難とされる日用消費財(FMCG)や小売業界において、実購買データとの連携によって広告ROIの可視化が進むことが期待されています。また、今後はさらに詳細な購買属性や購買パターンの分析に基づいたセグメント開発や、AIを活用した予測モデルとの連携なども視野に入れているとみられます。
デジタル広告市場が成熟し、プライバシー規制が強化される中で、第三者Cookieに依存しない広告ソリューションの需要は今後さらに高まることが予想されます。「POS Impact Ads」のような実購買データに基づくソリューションは、この市場環境の変化にも対応した持続可能なアプローチとして注目されています。
株式会社MBKデジタル
株式会社MBKデジタルは、データとAIの力を用いて、経営・事業・組織の三軸に対して総合的なソリューションを提供しています。三井物産グループのデータ・AI領域を担う企業として、戦略の構想から技術の実装、運用の定着までを一貫して支援し、企業の持続的な成長を支えるデータカンパニーです。
同社は、企業の抱える様々な課題に対して、データとAIを活用した解決策を提案しています。経営層に対するデータドリブン経営の支援、事業部門に対するビジネスモデル変革の支援、そして組織全体に対するデジタル人材の育成支援など、多角的なアプローチで企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しています。
会社概要
代表者:代表取締役社長 芹澤 新
所在地:〒101-0047 東京都千代田区内幸町2-3-4 S-GATE大手町北 2階
設立:2025年4月1日
株式会社True Data
株式会社True Dataは、ドラッグストアや食品スーパーマーケットにおける年間レシート規模5.5兆円、年間アクティブ数6,000万人規模のPOS、ID-POSデータを軸としたビッグデータプラットフォームを運営しています。2000年の設立以来、小売業、消費財メーカー、その他幅広い業種の企業へ、顧客理解から商品戦略、販促施策、広告最適化、生産・在庫管理など、DX時代に有効なデータ活用ソリューションを提供しています。
同社のデータプラットフォームは、消費者の購買行動を詳細に捉え、企業のマーケティング活動や商品開発に活かすための基盤となっています。特に、ID-POSデータを活用したサービスは、個々の消費者の購買履歴を匿名化した形で分析することで、より精緻な消費者インサイトの抽出を可能にしています。
また、True Dataは東証スタンダード市場に上場しており(証券コード:4416)、データビジネスにおける信頼性と透明性を確保しています。同社のデータ活用ソリューションは、企業のデータドリブンな意思決定を支援し、ビジネスの成長と消費者理解の深化に貢献しています。
会社概要
代表者:代表取締役社長 米倉 裕之
所在地:〒105-0012 東京都港区芝大門1-10-11 芝大門センタービル 4階
設立:2000年10月10日
出典元:株式会社True Data プレスリリース













