
越境ECをトータルで支援するZenGroup株式会社(大阪府大阪市)は、カメラ販売・買取専門店「カメラのナニワ」(株式会社ナニワ商会)と連携し、訪日外国人の購買向上を目的としたOMO(Online Merges with Offline)施策を2025年9月22日から開始したことが発表されました。この取り組みでは、カメラのナニワ心斎橋本店・京都店に来店した訪日外国人に対して店頭割引やポイント付与などの会員化施策を実施し、実店舗での購買体験と帰国後の越境ECを通じたリピート購入の促進を図るとのことです。
この記事の目次
取り組みの背景
インバウンド需要の拡大が続く中、カメラのナニワ心斎橋本店および京都店では、特に欧米圏からの訪日外国人の来店が増加傾向にあるとされています。多くの外国人観光客が日本滞在中に高品質な日本製カメラや関連製品を購入していますが、これまでは帰国後の再購入は限定的で、海外在住顧客との継続的な関係構築が課題となっていました。
ZenGroup株式会社では、この課題を解決するために、同社が提供する購入代行サービス「ZenMarket」や集客支援型越境ECバナー「ZenLink」を活用することで、訪日外国人が直面する言語の壁、決済方法の違い、国際配送の煩雑さといった障壁を取り除き、より円滑な購買体験を実現するソリューションを提供しているとのことです。
今回の施策では、これらのソリューションを活用して店舗を訪れた訪日外国人が帰国後も継続的に商品を購入できる導線を構築し、顧客のファン化とリピート購入率の向上を目指すとされています。実店舗での対面接客の価値を活かしながら、デジタル技術を組み合わせることで、継続的な顧客関係を構築する新たなビジネスモデルの確立が期待されています。
施策詳細
今回の取り組みでは、以下の施策が実施されるとのことです。
「ZenMarket」会員登録による店頭割引
カメラのナニワ心斎橋本店・京都店に来店した訪日外国人が、店舗内でその場で「ZenMarket」に新規会員登録を行うと、1万円以上の購入で1,000円分の店頭割引が適用されます。この施策により、訪日外国人はより魅力的な条件で日本製カメラや関連製品を購入できるメリットがあり、店舗側としては来店客の購入率向上が期待できます。また、会員登録を通じて顧客データを獲得することで、帰国後のマーケティング施策にも活用できるという利点があるようです。
「旅ナカ」から「旅アト」へつなぐ顧客導線の構築
新規会員登録者に対しては、「ZenMarket」の国際配送料金の割引などで使用できるZenポイントを1,000ポイント付与します。さらに、ナニワグループオンラインに「ZenLink」を設置し、帰国後も「ZenMarket」を経由して継続購入できる導線を整備するとのことです。これにより、実店舗での購買体験を起点として、オンラインでのリピート購入へスムーズにつながる「旅ナカ・旅アト」横断の一貫した顧客体験の提供が可能になります。
このOMO施策によって、訪日外国人は日本滞在中に店頭で商品を直接見て触れることができるだけでなく、帰国後も同様の商品をオンラインで簡単に購入できるようになります。言語や決済、配送といった国際的な障壁を取り除くことで、顧客満足度の向上と長期的な購買関係の構築を目指しているとのことです。
ZenGroupは本施策を通じて、実店舗のインバウンド集客をオンラインでのリピート購入へ結びつける効果的なOMOモデルを構築し、日本企業のインバウンド課題の解決に貢献していく考えだと発表されています。今回の取り組みは、インバウンド需要を単発の売上にとどめず、継続的な収益源に変換するための新たな事例として注目されています。
ナニワグループについて
全国30店舗以上を展開するナニワグループは、カメラ専門店「カメラのナニワ」「タカチホカメラ」、カメラ・時計・万年筆を扱う「レモン社」、撮影スタジオ「スタジオ728」、中古レコード・CD店「バナナレコード」、ワインバー「ワイン蔵OSAKA R」、デジタルギャラリー「Gallery ANBAI.」を運営しています。
同グループでは、写真機器・OA機器・時計などの小売・卸に加え、現像プリント、フォトクラウド、オンライン販売まで一気通貫で提供しており、カメラとその周辺機器に関する総合的なサービスを展開しています。また、国内には5つの営業所、海外ではベトナムに2社を有し、同国で写真のデジタル化・クラウド保存事業を展開するなど、国際的な事業拡大も進めているとのことです。
株式会社ナニワ商会 会社概要
会社名:株式会社ナニワ商会
設立:1951年9月
代表者:代表取締役 塩山知之
住所:大阪府大阪市中央区心斎橋筋1丁目4番29号
ZenGroup株式会社について
ZenGroupは「世界の越境EC販売額20%を日本に」という野心的なミッションを掲げ、日本の企業・ブランドの越境ECをワンストップで支援している企業です。19言語に対応し、世界175の国と地域へ日本の商品を届けるグローバルなネットワークを構築しています。会員数は300万人を超え、これまでに950万点以上の商品を世界中のユーザーへ届けてきた実績があります(2025年10月時点)。
購入代行サービス「ZenMarket」とは
楽天市場、メルカリ、JDirectItems Shoppingなど日本のオンラインショップから代理で商品を購入し、国際配送に必要な手続きを代行するサービスです。利用者は商品代金に加えて、手数料500円(税込)で利用することができます(別途国際送料が必要)。
このサービスの大きな特徴は、英語、韓国語、中国語(簡体字/繁体字)、アラビア語、スペイン語、フランス語など19言語に対応している点です。また、主要な国際決済手段のほかにローカル決済にも対応しているため、世界中のユーザーが自分に合った支払い方法を選択できる利便性を提供しています。これにより、言語や決済の壁を越えて、海外の消費者が日本の商品を購入しやすい環境を実現しているとのことです。
集客支援型越境ECバナー「ZenLink」とは
海外販売を行いたいすべての事業者に向けて、多言語対応・海外決済・国際配送から集客支援までを一括で提供する、集客支援型越境ECバナーサービスです。最大の特徴は、タグを1行埋め込むだけで、国内ECサイト上に海外専用バナーを設置することができる手軽さにあります。
このサービスを利用することで、国内向けのECサイトをそのまま活用できるため、新たにECモールへの商品登録を行う必要がありません。また、ZenGroupのネイティブチームが各国のトレンドや主要SNS、文化に合わせたマーケティングを実施し、効果的なプロモーションを展開するといった包括的なサポートも提供しているようです。これにより、越境ECに取り組む際の言語、決済、物流、集客などの課題をワンストップで解決することが可能になります。
ZenGroup株式会社 会社概要
会社名:ZenGroup株式会社
設立:2014年4月
代表者:ナウモヴ・アンドリイ、コーピル・オレクサンドル、スロヴェイ・ヴィヤチェスラヴ、ソン・マルガリータ
住所:大阪府大阪市中央区瓦町1丁目7-7 大阪堺筋Lタワー8階・10階
資本金:80,000,000円
今回のカメラのナニワとZenGroupの協業は、実店舗とオンラインの強みを融合させた新しいインバウンドビジネスモデルとして、今後の展開が注目されています。訪日外国人の購買体験を向上させるとともに、帰国後も日本製品との接点を維持できる仕組みは、越境ECの新たな可能性を示すものとして、多くの小売業やサービス業にとって参考になるでしょう。
出典元: ZenGroup株式会社 プレスリリース













